let's spochan!

スポーツチャンバラって?

 子どもの頃に、神社の境内や野山を自由奔放にかけ回って遊んだ「チャンバラごっこ」を 連想してください。
 それを新しい用具を開発することで「安全と公平そして自由」をモットーに1973年、 田邊哲人氏が国際スポーツチャンバラ協会を設立して、現代のチャンバラごっことして よみがえらせました。
 子どもから高齢者まで年齢や性別を越えて、誰もが気軽に参加することができ、 フィールドを野山から体育館に移したのが特長のニュースポーツです。
 その魅力は、簡単な防具をつけるだけの競技で、体のどんな部分でも相手に打たれたら即負け。
初心者でもすぐに楽しめます。単純でわかりやすく、スピーディーで緊張感の漂う ダイナミックなスポーツチャンバラは、日本は元より世界中に愛好者が増え、 毎年世界大会も開催されるようになりました。

スポチャン精神

 元来このスポーツには審判はいらないと思っている。
 打たれたこと、負けたことを素直に認めあい、いさぎよく、さわやかに相手を讃えあうことができればその間には何の介入もいらない。 それは「自心審判」といって自らが自らのために審判をするのである。そしてその心にいたわりの心、さらに他を認めるゆとりが生まれてくる。 自覚はまず己自信の素直さを知ることから始まる。
 世界はものすごい速さで互いを理解しようとしている。世界はものすごい純真さで互いを認めあおうとしている。この民族の壁をのり越え、 この厚いカラーをのり越え、そして、今、世界は「世界人の心創り」をしようとしている。そして日本人も、今、世界人になろうとしている。

田邊哲人著 「スポーツチャンバラ」より

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スポーツチャンバラのリラックス国際スポーツチャンバラ協会会長 田邊 哲人

 スポーツチャンバラとは 
 「スポチャン」−スポーツチャンバラと聞いただけですでにリラックスしたいようなネーミングです。この「冗談半分、本気半分」のようなスポーツだからこそ皆が一緒に楽しめるといえましょう。 そして「いつでも、どこでも、だれとでも」のレクレーション感覚で、世界中の仲間と仲良しになろう、というのが目標でもあります。
 「スポチャン」は、昔、子供のころ神社の境内や野原を駆け巡り遊んでいた「ちゃんばらごっこ」を今様にアレンジし、「安全」と「公平」と「自由」をコンセプトに 老若男女が一緒に楽しめるように工夫をした競技です。ウルサイルールは一切無く、エアーソフト剣(空気の入った剣)で体のどこを打ってもよく、逆から言えば、体のどこを打たれても負けという単純明快なスポーツです。
 競技会も全国各地で開催されていて、参加は自由。また健常者と障害者の交流が盛んで車椅子の大会もあります。日本選手権大会、世界選手権大会も年一度開催されていて、幼年から参加できるユニークさゆえ、 10年ほど前の世界大会の一回戦でアメリカから参加した大男が、幼年生とあたって驚いたことがありました。

 稽古は誰でも平等に 
 私も長く剣道や銃剣道などを指導していて教士七段などのたいそうな段位をいただき、それなりに自信はあるのですが、このスポチャンになると、稽古相手として”ちょうどいい勝負”というところは、悔しいですが、 小学校三年生くらいからせいぜい五年生くらいまでかな、と思います。ムチャクチャに振り回してこられると、牛若丸のようにヒョイヒョイかわせるものではありません。残念ながら、どこかに一、二発当たってしまう。この悔しさ、 残念さが無くなったときから妙にリラックスができるものです。「勝とう」などと初めから考えているから肩に力が入ってしまうのです。子供たちだって一生懸命やっているのだから、その点では五分と五分のはずなのです。
 本部道場(私のところ)はなぜか分からないのですが、世界チャンピオンがよく出ます。「先生のところはどんな教え方をしているのですか?」と、ときどき尋ねられることがありますが、「さぁ」と答えざるを得ません。 なぜならまったく教えていないからです。手取り、足取りの指導など、ここ30数年間、まったくありませんでした。ただ世界チャンピオンであろうが日本チャンピオンであろうが、昨日入門した者であろうが区別したことがありません。 皆その日から平等というのが私の指導方針です。
 また稽古は、勝ち抜き戦形式が多いので一本勝負で負けた者はだれでも最後尾に並んで順番を待ちます(道場が狭いので1試合しかできないこともありますが)。ここで培われるのはプライドを払拭することではないでしょうか。 一本勝負だから大人が幼年や小学生などにときどき負ける。すると道場内は笑いの渦となる。ここでは社会にある権威とか名誉とか、恥ずかしさなどまったく無くなってきます。皆がフラットなのです。多分、権威を重んずる人だとこの輪の中にはいられないかも知れません。 ところがどういう訳か、このスポチャンの世界はやめる者がいないのです。
 当たり前のように、子どもにたちに勝ったり負けたりしているうちに、肩の張っていた緊張が自然に抜けてくるのが分かります。リラックスとは、自分の弱さを当然のこととして受け入れる心根になれたときに、心のアクが抜けることかも知れません。

 「自心審判」と「ゆとりの心」 
 スポチャンの試合を見たことがある人ならご存知でしょうが、達人の打つスピードは恐ろしく速く、しかもそのタイミングは的確です。かなり熟練した審判にとっても、この”目にも止まらぬ早業”を確実に判定するのは至難の業です。 したがって、このスポーツのもう一つの特徴に「自心審判」というものがあります。
 選手は、審判の旗が上がらずとも、打たれた部分を示し、負けましたと一礼する…。
 「勝とう、勝ちたい!」と思う気持ちは、世界選手権大会に出場する選手の共通の思いでありましょう。しかし、選手に、審判が分からなかったから「もうかった」などと思わせるような指導は、スポーツ選手としての心根にもさみしいものがあります。  全日本選手権大会が香川県高松市で開催されました。その最後に、日本一を決定するグランドチャンピオン戦がファイナルコートで行われました。500余名の中から一度も負けずに勝ち上がってきた名選手です。主審の「はじめ」の号令。 両選手の眼にも止まらぬ素早い攻防があり、「速い」と思った瞬間、白側の選手が挙手!。そして自らの頭部を指し、「ここを打たれました」と一礼をしたのです。続けて三本勝負の二本目が開始され、双方が入れ違ったと思った瞬間、これもあまりにも速かったのですが、 今度は赤側の選手が「右手甲を打たれました」と一礼をしました。大観衆は、この二人のフェアプレーに惜しみない拍手を送りました。私の心にはさわやかさが残りました。
 これこそがスポチャン精神の「自心審判」です。「勝とう勝とう」とする呪縛された心の中からリラックスなど湧いてきません。勝ち負けを超越した、スポチャンを愛する心、そして相手に感謝し、たたえようとする「ゆとりの心」がおのずと湧いてこなければ、 真のリラックスとはなり得ないと思います。

 スポーツをエンジョイする 
 これは「スポチャン」に限ったことではないと思います。少年少女のほころぶ笑顔と輝く目を見ていると「スポーツエンジョイ!」という言葉がつい口から出てしまいます。
 勝ち負けなんてどうでもいいのだ。「勝ってよし、負けてよし、見てよし」の三つのよしがいかに大事か。このスポーツをエンジョイするゆとりの心の中から、リラックスがおのずと湧き出ずることを確信しています。

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チャンバラごっこ高知県スポーツチャンバラ協会初代理事長 故 大石 孝

 貴方が子供の頃、ヒーローは誰でしたか? その答えによって、貴方の世代が分かります。私のヒーローといえば、そうです。赤胴鈴之助、風小僧そして白馬童子と続々と登場してきます。その頃、竹や木の枝で刀を作り、 野や山を「チャンバラごっこ」をして駆け廻ったものですから、自然と彼らに憧れヒーロー視したものでした。それが高じてか私は中学入試と同時に剣道部に入部しました。それが「剣の道」の始まりでした。そしてヒーローも座頭市、 眠狂四郎と変遷し、高校、大学も同じ「道」を歩む羽目になりました。その頃は宮本武蔵に憧れ、社会人になると、その道は「ゼネコン道」へと大きく変化し「剣の道」から遠く離れてしまうこととなりました。
 その後20年経過し、私の厄年が終わる頃、ある人との出会いが再び私を「剣の道」に引き込んでくれました。それが護身道と言われる、スポーツチャンバラとの出会いであり、以来数十年余、 当初3人で始めた小さな組織も100人を超える会員を有する県協会へと大きく飛躍成長していきました。
 当初このスポーツ武道(英語名:サムライスポーツ)を普及させるためには、メディアの協力が必要と考え、新聞、ラジオそしてテレビに積極的に働きかけました。そのたびに会員が増え、 お陰で「大旺の大石さん」より「スポチャンの大石さん」と呼ばれるようになりました。また休日にはスポチャン教室と称して、あちこちの小学校を訪問しました。今の若いお父さんお母さん方、 そして子供たちは宮本武蔵や佐々木小次郎を知らなければ「チャンバラごっこ」をしたことがない。そういう彼らでも少し教えると、本当に楽しんでくれるようになります。女性教師が張り切って、 子供たちをやっつけ、得意顔になったり、母娘関係の行方をこちらが心配するような死闘もあれば、自分の息子が負けると母親が登場し、仕返しをする「仇討ち」があったりと、いろんなシーンに出くわすことになります。 圧巻は数十人が集団で打ち合う「合戦」であり、これはいつも大人気です。家の中は勿論のこと、外でも思いっきり遊ぶ空間がないからでしょう、全身のエネルギーを発散させています。私がこの教室を辞められないのは、 闘いを終えた子供たちが生き生きとした表情を見せてくれるからであり、「面白かった」「先生やお母さんに負けて悔しい!」「また来てね」などと、後日絵と共に感想文を送ってくれるからなのです。
 今、スポチャンは世界に拡がりつつあり、この日本発「チャンバラごっこ」は大袈裟かもしれませんが世界人類協調に役立つスポーツと確信しております。私の夢はこのサムライスポーツをオリンピック大会の競技種目にすることです。 『さぁ、日本選手団の入場です!』その中にスポチャンの選手たちがいる。そう想像するだけで、本当に幸せを感じます。
 子供の頃から、チャンバラ・ヒーローに憧れていた男の「剣の道」は、まだまだ終わりがありません。
 貴方、どうでしょう。「チャンバラごっこ」で私のヒーローになってみてくれませんか!

(大旺建設 株式会社)

全国土木建築国民健康保険組合「2003年10月号第115号 保険組合だより」に掲載されました。

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