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スポチャン保健室

たかが捻挫?されど捻挫

 スポーツの秋、食欲の秋、チャンバラの秋がやってきました。 普段はあまり運動しないのに、この時期だけ張り切っているお父さんお母さん、自分で思っているほど若い頃のようには体は動きません。 思わぬ怪我をしないためにも、運動する前には柔軟体操とストレッチをしっかりやりましょう!

 さて、スポーツ中の怪我で最も多いものが足首の捻挫です。捻挫とは関節を支えている靭帯が、外からの強い力によって損傷を起こした状態をいいます。 捻挫は受傷程度によって3段階に分類されています。

I度(軽症)
靭帯の一部分が断裂した状態で、痛みや腫れが少なく、可動域制限があまりありません。

II度(中症)
靭帯の大部分が断裂した状態で、痛みと腫れが共に強く、歩行が困難になります。

III度(重症)
靭帯が完全に断裂した状態で、痛みと腫れが共にかなり強く、立つことも困難になります。

 捻挫は、軽度のものでも靭帯が損傷していますから、安易に考えないようにしましょう。 適切な応急処置で、復帰への時間も短縮され、後々の後遺症にも悩まされないで済みます。RICE処置をどれだけ早く、正確にできるかが重要です。

 適切な応急処置を行い、患部の損傷による腫れ(内出血)を最小限に抑え、その後、専門医による診察を受け、レントゲン写真による骨折の有無、重症度の確認をします。 しっかりとした治療とリハビリにより、怪我をする前の状態にまで戻しておかないと、足関節の可動域制限が出たり、筋力低下による他部位の障害が発生しやすく、また同じ捻挫を繰り返し再発させることになります。 その捻挫が“癖”となれば、後々あなたの競技や、普段の生活にも支障が出てきます。

 たかが捻挫で一生後遺症に悩まされるなんて、笑えないですからね。“捻挫ぐらい”という考えは、今すぐやめましょう。

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RICE(ライス)って何?

 皆さん、ケガの応急処置法RICE(ライス)をご存知ですか?お米のことではありませんよ! 練習中や競技中の不慮の事故やケガは、いくら注意していても避けられないものです。そして、こういったケガの多くは皮肉なことに、夜間や休日といった、専門医の診療時間外に起こります。 そんなとき、専門医に診せるまでの間、ケガを悪化させないで、できるだけよい状態に保っておく方法が「応急処置」です。

 今回は知っておくと、いざという時に役に立つ、簡単なケガの応急処置法「RICE」をご紹介します。 RICEとは、Rest(安静:患部を動かさないで安静にすること)、Ice(冷却:患部を氷で冷やすこと)、Compression(圧迫:患部を包帯などで圧迫すること)、Elevation(拳上:患部を心臓より高い位置に保つこと)の頭文字を並べたものです。

 このRICEは打撲や捻挫など、スポーツでよく起こるケガの多くに対応できる方法です。RICEをすることにより痛みや腫れがひどくなるのを防ぎ、治りも早くなります。ただしRICEはあくまでも応急処置法なので、後日必ず専門医の診察を受けましょう。

■Rest(安静)
痛まない姿勢で患部を安静に保ちます。 患部を無理に動かしたりすると、痛みが増したり、ケガが悪化することがあります。座るか横になるかなどして、患部を動かさないように、体重がかからないようにしましょう。ここで無理をすると「ケガが長引く」ことになります。

■Ice(冷却)
患部とその周囲を氷で冷やします。 冷やすことによって、痛みを軽くし、内出血や炎症を抑えることができます。最も一般的なのは、ビニール袋のなかに氷を入れて患部にあてるという方法です。 氷をあてていると、最初ピリピリとした痛みがありますが、約15〜20分位で感覚が無くなってきます。そうなったらいったん患部から氷をはずし、再び痛みがでてきたら2時間ほど間を空けてから冷やします。これを24〜48時間ほど続けます。 冷やしすぎると凍傷になる恐れがあるので、氷を直接あてずに、患部をアンダーラップで巻いたり、アイスパックにタオルを巻いてからあてるようにするとよいでしょう。

■Compression(圧迫)
出血・腫れを防ぐために、患部にパッドなどをあて包帯やテープで圧迫します。 足首のネンザなどで腫れをひどくすると、痛みが強くなり、またそれだけ治るのに時間がかかります。包帯(伸縮包帯)やテーピングなどで患部をきつく、圧迫しながら巻きます。 圧迫が強すぎると、血流を悪くしたり神経を圧迫することがあるので、巻く強さを加減しましょう。ときどき圧迫している部位から先をつまんで感覚や皮膚・爪の色をチェックし、患部の先が青くなったりシビレがでたら、いったんゆるめて青みやシビレがとれてから再び圧迫します。

■Elevation(拳上)
手頃な高さのものの上に患部をのせて、できるだけ自分の心臓よりも高い所に持ち上げます。こうすることで内出血を防ぎ、痛みを軽くします。

 応急処置はあくまでも応急処置でしかありません。後日専門医の診察を受けるようにしてください。

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スポチャンのスキンケア

 小太刀や長剣をブンブン振り回していたり、華麗なフットワークを軽快に繰り返していると、手の指や足の裏にマメや水ぶくれができることがあります。

 摩擦による炎症によって皮膚の表皮と真皮の間に滲出液がたまると、水疱いわゆるマメができます。刺激が加わり続けると、皮膚を守ろうとして角質層が厚くなります。皮膚が硬く盛り上がり、圧迫されると神経に触れて傷みます。これがタコです。

 角質層が厚くなると接触する外部からの圧迫力が強くなり、その結果新たな水疱形成につながってしまいます。 硬くなり突出した皮膚やタコなどは、専用のヤスリなどで削って水疱を形成させないように予防しておきましょう。

 では、マメができたときにはどう対処すればいいんでしょうか?

 マメがつぶれていない場合で痛みがないようであれば、無理に針などで穴をあけて滲出液を抜かないようにし、
①患部にガーゼをあてます。(万一水疱がつぶれても滲出液を吸収できる)
②その上から絆創膏やテープを強く圧迫しながら貼ります。

 マメがつぶれた場合や、水疱によって患部に痛みが生じ、競技に支障をきたす場合は滲出液を抜きます。二次感染の予防を考え滅菌済の使い捨て注射針を使用するのが良いでしょう。
①患部を洗浄し消毒します。
②表皮が乾燥しないよう患部にワセリンを塗ります。(もうすでに水が抜けてしまって、表皮がはがれてしまっている時は、その表皮を取り除かずに消毒洗浄後、ワセリンを真皮側に塗り、その上から蓋をするように覆いかぶせ、さらにその上からワセリンを塗ります。はがしたり切り取ったりすると、直接刺激が加わるので、とっても痛いです)
③発汗による余分な湿気を吸収させるため、患部にガーゼをあてます。
④その上から絆創膏やテープを強く圧迫しながら貼ります。
(※現場ではワセリンの代わりにキップパイロールやオロナインH軟膏などのキズ薬を代用してもいいでしょう)

 患部のイソジン消毒は、鎮痛に効果があります。 治癒の過程で再生したての薄い表皮が乾燥しひび割れてしまうことがないよう、ワセリンなどを塗り保湿に努めましょう。

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チャンバラでテニス肘?

 皆さんの中でチャンバラやってて肘が痛くなったことがある人いますか? 毎日のように練習をされている方の中には、一度は経験された方がいらっしゃると思います。過度の練習や筋力の弱った中高年に多く発症し、重症の場合は、コップすら持てなくなり、シャツのボタンも掛けられなくなります。

 では、この「肘の痛み」はいったい何なんでしょうか? 医学用語では痛みの発生した部位により「上腕骨外側上顆炎(バックハンドテニス肘)」や「上腕骨内側上顆炎(フォアハンドテニス肘)」といいます。昔からテニスをする人に多い障害であったため、これらを総称して「テニス肘」と呼んでいます。
最近では「上腕骨内側上顆炎」はゴルファーに多い障害として、「ゴルフ肘」とも呼ばれています。フライパンの振りすぎやチャンバラのやりすぎで発症しても、「料理肘」や「チャンバラ肘」とはいわないんですネ。

 上腕骨外側上顆炎とは前腕の伸筋群(手首、指を伸ばす筋肉)と回外筋群(手首を外ひねりする筋肉)の使い過ぎによって、外側上顆部で伸筋腱や骨膜が炎症を起こす障害です。症状は運動時や作業時の肘の外側部の痛みです。特に、肘を伸ばした状態で物を持つ時に痛みが走ります。

 上腕骨内側上顆炎とは前腕の屈筋群(手首、指を曲げる筋肉)と回内筋群(手首を内ひねりする筋肉)の使い過ぎによって、肘の内側上顆部で腱や滑膜が炎症を起こす障害です。上腕骨内側上顆炎は物を持ち抱える様に作業をする方や前腕の屈筋群を酷使するスポーツ活動によく認められ、別名「ゴルフ肘」や野球肘(内側型)とも呼ばれています。症状は運動時や作業時の肘の内側部の痛みです。

 どちらの場合も、いつか治るだろうと思い、数ヶ月間もそのまま放置したままにしておくと、治療が困難なケースになることがあります。痛みに気付いたら、運動後すぐに患部のアイシングを行い、痛みが強いときは、安静にして痛みをともなう動きを避けてください。急性の場合や症状がひどい場合は、見ただけで腫れがわかります。痛いうち、熱があるうちは冷やし続けるのが基本です。そして、専門医の診察を受け、適切な治療を受けましょう。

 では、予防するにはどうしたらいいんでしょうか? 普段から筋力トレーニングとストレッチをおこない、柔軟で強靭な筋力をつけることです。 筋力トレーニングは、500グラム〜2キロ程度の鉄アレイをゆっくり手首で持ち上げる動作を毎日10回おこないます。痛みがある時期におこなうとかえって症状が悪化してしまうので、必ず痛みがとれてからおこなってください。

 ストレッチは、まず腕をまっすぐ前に伸ばし、その状態で手の甲が自分に見えるように指先を下に向け、反対の手で指先を持ち、手前に引っ張るように手首を曲げます。その状態で30秒ほど静止します。次に、手のひらが自分に見えるように指先を下に向け、反対の手で指先を持ち、手前に引っ張るように手首を曲げます。その状態で30秒ほど静止します。壁を利用するのもいいでしょう。その時は、指先が下に向くように手のひらまたは手の甲で壁を押します。ストレッチを行う時は息を止めてはいけません。

 無茶はせず体調に合った練習を!

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暑い日は熱中症にご用心!

チャンバラ−の皆さんお元気ですか?

「冬ソナのヨン様に熱中症!」  〜スポチャン川柳〜

じゃなくて、とってもまじめなお話です。

 毎日暑い日が続いています。ふぅ〜! こういう暑い日が続くと気をつけたいのが熱中症。炎天下の中、帽子をかぶらないで外を出歩くのは非常に危険です。帽子がなければタオルでもハンカチでも新聞紙でも、なんでもいいから手元にあるものを代用しましょう。

 屋内で競技を行うスポーツチャンバラは、見かけ以上に激しいスポーツです。屋内だからといって気を緩めると大変なことになります。屋外と違って風が吹かない分危険な面があります。暑さ対策と水分補給には充分気をつけましょう!

 夏場は練習によって大量の汗が体の外に流れます。このまま水分を補給しないで放っておくと、やがて脱水症状が起こります。発汗により体重の3%以上の水分を失うと、色々な機能障害が起こり大変危険な状態になります。

 どんなスポーツでも共通したことですが、水分は練習を始める前に事前に補給(250ml〜500ml)し、練習中も15分〜30分おきにコップ1杯分(200ml)を補給しましょう! こまめに補給するのがコツです。お茶は離尿作用があるのでお勧めできません。

 汗と一緒に塩分も体の外に流れています。水道水だけ補給していると体の塩分濃度が薄くなり、熱けいれんが起こりやすくなります。塩分の補給も忘れないでください。5度〜15度に冷やした0.2%の食塩水が良いとされています。 スポーツドリンクは良く考えられた飲み物ですが、ブドウ糖などの糖分が含まれているため、大量に摂取する時は別の病気のことを心配する必要があります。

 安全に楽しくスポーツをしましょう!

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