裏フレグランステイル

16.5日目

こんこんこんっ!!
クレイ「誰だ、朝っぱらから・・・」

 くすくすくす・・・

 クレイドルは、いきなり背後から目隠しされた。

???「だーれだ♪」
クレイ「・・・貴様・・・」

 くすくすくす・・・・
 
 いきなり、浮遊感に襲われたかと思うと、
         見知らぬ大地に降り立っていた・・・。


クレイ「・・・なんのつもりだ、リアム・・」
リアム「あ♪初めて、名前呼んでくれたねっ☆
    嬉しいなっ☆・・・くす・・・くすくす・・」
クレイ「・・・どうでもいいが、さっさとその手を離せ」
リアム「やあだ☆くすくす・・・屋内で実験ばかりしてる割には、
    逞しい身体・・・くすくす・・・楽しそう・・・vv」
クレイ「・・・・・・」
リアム「ここは、アンヌン・・・ダーリン一人じゃ帰れないよ☆
    帰すつもりもないけど。
    −−喜んでね♪
    今日、ダーリンを僕の贄にするの☆」
クレイ「・・・また、くだらんことを・・・」
リアム「人間なんて、すぐに飽きるかと思ったけど・・
    ダーリンてば、面白くて☆
    だから、贄にするの。いいでしょ?」
クレイ「いいわけ、あるか」
リアム「だ・あ・め♪
    もう、決めちゃったんだもーん☆
    いいじゃない、僕のこと、嫌いじゃないでしょ?」
クレイ「・・・嫌いではない、ということと、
    俺の意志を無視して良いということには、
    何百万光年という開きがある。
    さあ、さっさと帰せ。
    俺には、今日中にやるべき実験がある」
リアム「え〜、いいじゃない。
    僕の”魔”になったら、永遠の命があるんだよ?
    実験だって、しほうだい☆」
クレイ「・・・・・・」(←すこし心が動いたらしい)
リアム「ま、もっとも?アンヌンで、だけどね・・・」
クレイ「・・・さっさと、帰せ」
リアム「まだ、言う?・・・んーと・・・じゃあ、選択の機会をあげる・・・
    今ここで、運命を受け入れるか−−
    逃げるか。・・・もっとも?逃げ場なんて、無いけどね
    ・・・くす・・くすくす・・」

 受け入れる
 逃げる


クレイ「どっちもごめんだ」
リアム「・・・・は?」
クレイ「受け入れる気はさらさら無いが、逃げるなどというのも
    性に合わん」
リアム「え・・でも、どっちか選んでくれないと・・・」
クレイ「お前が逃げろ」
リアム「・・・・・・・は?」
クレイ「お前が逃げる。俺が捕まえられたら、俺を帰す。
    これでいいだろう」
リアム「・・・なんか、ちょっと、違うような・・・ま、いっか☆
    ダーリンてば、おかしーんだから☆
    いいよ、逃げるからね?捕まえて・・・僕を」
クレイ「さっさとしろ」
リアム「んーと・・・じゃあ、こっち!」
クレイ「そっちか、そっちに逃げるのか?」
リアム「くすくす・・・暗いから、気を付けてねー☆」
クレイ「さあ、走れ!追いつくぞ!
    −−−−ここは?・・・鍾乳洞、というものか・・・
    実物は、初めて見るな・・・
    ふむ、上から滴る水滴が、少しずつ石灰岩を溶かし・・・」
リアム「・・・ダーリン?」
クレイ「この水は、成分的には普通なのだろうか?
    少し、採取して、と・・」
リアム「ダーリンてばーっ!」
クレイ「・・・少し、黙れ
    さて、この鍾乳石だが・・・書物のものより、
    やや透明度が高いようだが、これも採取しておくか・・」
リアム「もうっ!!ダーリンの、ばかーっ!!」

 ととととっ!がしっ!

 またしても、浮遊感が襲った−−−


クレイ「ふむ、気が利くな、リアム。
    よし、それでは、この採取したものの成分分析を−−−」
リアム「もうっもうっもうっ!ダーリンのバカっ!
    せっかく『ウフフ、こっちよ』ごっこしてたのにーっ!」
クレイ「・・・なんだ、それは」
リアム「バカバカバカっ!この科学オタク!
    いいよ、もう!
    きっと、そのうち、
    僕にしか興味が湧かなくしてやるんだから!!」

クレイ「・・・行ってしまった・・・何だったのだ、一体・・・
    まあ、いい。さ、続きを・・・(ワクワク)」



 16.5日目 


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