渋江喜久夫 :
ここしばらくの間、自分の描いた絵が気に入らず “スランプ気味”だったので、気分転換に小学校の落書き以来、初めて“色鉛筆”で描いてみた。
試行錯誤しながらの作業だったが、これが意外と楽しかった。
そして、ただそのまま描いても芸がないので、ちょっとしたイタズラを試みたのだが、ご覧の皆様はおわかりだろうか・・・。
(色鉛筆画)
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西谷 史:
渋江さんから、点描の極意はシワだ、と聞かされたことがある。一本のシワで、その人の人生が表現されることがあると。ひるがえってこの潰された「烏龍茶」の缶を見てみよう。缶の上部「ヨントリー」と「烏」の下に入った一本の線と、缶の歪みが、見事にこの缶のありさまを表現し、どうかするとこの缶が艶めかしくさえ見えてくる。もしかすると、この絵はいつもほどの時間をかけていないのかもしれない。だからこそ、これほど生々しい絵になるのではないだろうか。 |