【晩 秋】
渋江喜久夫:
私にはめずらしいサイズで描いた絵で、上部に月を配するかどうかで迷った作品である。結果、闇にして正解だったと本人は勝手に思っているのだが……。そして、じっと耳を澄まして想像して欲しい。枯葉の奥のほうから虫の声が聴こえてくる……、かな?(鉛筆画)
西谷 史:
ときどき、渋江さんは対象の内側から光があふれ出るような描き方をされる。これはその代表作といっていいのではないだろうか。
細密な描写はもちろんのこと、光と影の使い分けの巧みさは筆舌に尽くしがたい。細部を見ていると、気が遠くなってしまいそうだ。

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