【ハプニング】

渋江喜久夫:
「季刊アルトマン」の表紙画として描いたものだが、私自身仕上がりに納得いかず、個展の際にも出品したものかどうか迷った作品である。プロデューサーの菊池氏他の説得でなるべく目立たぬ壁面に展示したのだが、意外や意外、この絵が好きだという方が何人かおられ、本人が一番当惑させられたものだ。全く絵の好みとは解らぬものである。(鉛筆画)

西谷 史:
渋江さんの描く女性像の中で、ぼくはこの絵がいちばん好きだ。表情の美しさはもちろんのこと、着衣と頭部が空白になっていることによって、さまざまな空想をかきたてられる。バスローブを羽織って、電話にでているのだろうか。それともドレスと帽子を被って外出しようとしていたところに、電話がかかってきたのだろうか。この人の肩には恋人の手がかかっているのだろうか。想像しながら絵を鑑賞していたら、あっという間に一時間たっていた・・・

 

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