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【ジャンケンポン】
渋江喜久夫:
個展で記念写真を撮る際、この絵の前で故ジミー時田氏が突然『ガッツポーズ』をした。訝る私に「僕の勝ちだね!」と嬉しそうに言った。一瞬戸惑ったが、直ぐに気がついた。ジミーさんは、このロブスターとジャンケンをしていたのだ。今でも私の脳裏に、チャメッ気たっぷりの、あの笑顔がハッキリ焼き付いている。季刊アルトマン表紙シリーズの一つである。(鉛筆画)

  西谷 史:
渋江さんは、どんな生物でも本物よりリアルに描かれる。しかしそれだけではなく、このロブスターは、人間と違って眉や唇で表情を描くことはできない。もし感情を表現することができるものがあるとしたら、眼だけだ。本当にこの眼だけで、ぼくはロブスターが微笑していると感じるのだろうか。不思議だ。

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