裏フレグランステイル

23.5日目

こんこんこんっ!!
クレイ「誰だ、朝っぱらから・・・」

 くすくすくす・・・

 クレイドルは、いきなり背後から目隠しされた。

???「だーれだ♪」
クレイ「・・・また貴様か・・・」

 くすくすくす・・・・
 
 いきなり、浮遊感に襲われたかと思うと、暗い所に浮かんでいた・・・

クレイ「まったく・・・貴様、いきなりまた、このような所へ・・・
    で、ここは、どこだ」
リアム「ダーリンに会うのは、いつもフラヒスの忌々しい光に
    照らされた時刻だから・・・
    連れて来ちゃった☆
    ここは、リルダーナの裏−−−夜の側だよ・・・」
クレイ「裏?・・・できれば、境界線付近を見てみたいものだ・・・」
リアム「やだよー、境は生ぬるい薄闇なんだもん。
    ま、ここも、本物の”闇”には程遠いけど
    真の”闇”はこの世界の外にしかない・・・
    それでも・・・あの光の中よりはマシ。
    僕にとっては、闇こそが唯一の安らぎ・・・
    
    僕を見て。
    僕は、アンヌンの悪魔・・・
    影のアンヌンのそのまた地下の世界は、
    このティルナティリの中でもっとも真の”闇”にちかい場所・・・
    そこに、僕は、いる・・・。
    僕は・・・闇に惹かれる。
    それが真の闇に近ければ近いほど。
    ダーリンに−−−この気持ちがわかる?」
クレイ「いや、まったく」
リアム「・・・わかるはずだよ?
    僕から逃れることが出来るのに、
    逃れようとはしないんだから・・・
    ダーリンも”闇”に惹かれ始めているはずだよ・・・
    正直に答えて・・・
    ダーリンも闇に惹かれるでしょ?
    −−−僕と同じように」
クレイ「・・・確かに、興味はひかれる。
    だが、それ以上に、リルダーナの様々な事象が、
    俺の興味を引く。
    それは、闇の中では研究できないことだ」
リアム「え〜〜〜!!
    で、でもっ!闇に惹かれてるのも、確かなんでしょ?!
    だって、僕が来るのを、拒まないじゃない!!」
クレイ「・・・まあ、お前自身にも、興味があるからな・・・」
リアム「・・・・え?」
クレイ「いや、だから・・・様々な科学現象と同じように、
    お前もまた、興味深い生物だな、と・・・」
リアム「・・・僕自信に、興味がある?
    そんな、バカな・・・
    ・・・・って!
    わーーっ!お客様だ〜〜!!」
クレイ「・・・?」
リアム「ほら、あれ!!」
クレイ「ふむ・・・実物は初めて見るな・・・あれが、ワームか・・・
    思ったよりも、巨大だな」
リアム「くすくす・・・沈黙しなさーい!こざかしい怪物ちゃん♪」
クレイ「今のは、何だ?」
リアム「僕の呪縛の魔法♪
    ちょっと、降りててね、クレイドルvv
    剣を抜くから♪」
クレイ「何をする気だ」
リアム「遊ぶの〜〜☆
    足を一本一本さ、斬っちゃうんだ♪
    何本まで、生きていられるか、賭ける?くすくす・・・」
クレイ「・・・やめろ」
リアム「なんで〜?
    じゃあ、触覚と眼をを斬っちゃうのは?うろうろして、
    オモシロイよ〜♪くすくすっ☆」
クレイ「やめろ、と言っている!!」
リアム「だから、なんで?オモシロイのに?
    なんで、邪魔するの?」
クレイ「当たり前だろう!・・・・・・動いてないか、アレは?」
リアム「ダーリンのバカバカバカ〜〜!
    おっきいから、術のかかりが悪かったじゃないか〜!」
クレイ「うるさい!いいから、その剣を納めろ!!
    ・・・巨体の割には、動きが素早いな・・・」
リアム「ダーリン?
    ・・・ダーリンてば!!」
クレイ「・・・・・・・少し・・・黙れ・・・」

 気付くと、自室に戻っていた・・・。

リアム「ダーリンのバカバカ!!
    なんで、僕の前に来るのさ〜〜!
    ワームにやられちゃったでしょ?!」
クレイ「・・・うるさい。俺が、そうしたかっただけだ・・・」
リアム「もうもうもう!
    ダーリン、人間なんだから、
    ちょっとの怪我でも死んじゃうんだから〜〜!!
    僕のこと・・・庇ったりとかしちゃ、駄目なんだから〜〜!!」
クレイ「・・・かすり傷だ」
リアム「駄目!ワームの触手には毒があるんだから!!
    服脱いで、ここ座って!!」
クレイ「・・・命令するな・・・」
リアム「・・・本当に・・・バカなんだから・・・もう・・・・」
クレイ「誰が、バカ、か」
リアム「・・・ねぇ、虫、とか。・・・斬っちゃ駄目なの?
    楽しいのに?」
クレイ「生きとし生ける者には、
    すべからく生きる権利があるというだけだ・・・
    力があるからといって、より弱い者をいたぶってよいという
    解釈は成り立たない」
リアム「・・・クレイドルが・・・言うなら、僕、止めてもいいよ?」
クレイ「・・・何だ?」
リアム「だから・・・クレイドルが、遊んでくれたら、
    他の生き物で遊ぶの止めても良いかなって・・・」
クレイ「・・・・・・ふん、好きにしろ・・・」
リアム「・・・これ、あげる。
     御礼。一応・・・助けて貰ったから」
クレイ「これは・・・?って、もう、いなくなったか」

 
   魔土石を、手に入れた!!



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