11日目
クレイ「あぁそうか・・昨日は、リアムとやらが来なかったから、
葉がない、か・・」
なんだかんだ言って、寂しそうだな・・
リアム「・・・開けて?」
クレイ「仕方がない・・開けるか・・」
リアム「くすくす・・いい匂い・・−−ま、いいや。
はい、メーラの葉。魔法薬に加えてね?」
クレイ「・・・礼は言わんぞ。・・・が、まあ、話くらいは聞いてやる」
リアム「・・・・・・うん、お話しようね、ダーリン♪」
クレイ「(・・・・・・・・・・・ダーリン・・・・・・?)」
リアム「リルダーナの地には、無駄が多いよね。
これだけの魔術の材料が揃っているのに、
それを正しく利用している人がいないんだもん。
ま、只の人間に扱えるものでもないけどね。
僕がせいぜい、有効に利用させてもらおうっと☆
クレイ「魔術など・・・大事なのは、科学する心だ」
リアム「・・・ひとりごとだよ☆
気にしないでね♪
ダーリンてば、おかしいんだからーvv
−−メーラの葉、もう少し上げるから、あの香薬に加えてね?
この先・・・楽しみだなぁ☆くすくす・・」
クレイ「(礼を・・言うべきなのだろうか?
下心が在るように思えるが・・)」
リアム「−−−僕、もう少しここにいるね。
いいでしょ?」
クレイ「・・・仕方がないな」
リアム「ダーリン達は知りもしないだろうけど、
リルダーナなんて、所詮はジーアの玩具。
ダーリン達は、ジーアの籠の鳥ってヤツ?
だけど−−−−ふん、だ。
僕の身だって、そうだけどね。
だから僕は”力”を手に入れる。
いつか、必ず。
そしてこのカセ、外してみせる」
クレイ「籠の鳥、か。気付かなければ、幸せでいられるものを・・」
リアム「・・分かんなきゃ、いいよ。
分かったところで、何の役にも立ちはしないし・・」
クレイ「珍しく、弱気だな・・記念に書き留めて置こう・・」
リアム「・・・・・・どうぞ、お好きに〜♪
・・・・・・ダーリン。
僕今夜、もう一度ここに来るね。
逃げずに−−−待っててね♪」
クレイ「・・別段、用事はないが」
リアム「・・・・・・くすくす・・・
じゃ、帰るから♪」
本日の3人目
シトラ「フラヒスのやつらのことは、私ぁ、嫌いじゃないよ。
あいつらは見目がイイからねぇ。
暑苦しいアンヌンの仲間達とはエライ違いさね。
だったらちょっかい出すな・・なんてお言いじゃないよ?
だからこそ突ついてみたいってモンだろ?」
クレイ「新雪を見ると、足跡を残してみたくなるようなものか
・・分からなくはないが・・」
シトラ「・・それは、ただの野暮ってもんだろうよ・・」
そして、夜。
リアム「・・・僕だよ」
クレイ「・・・約束していたから、仕方あるまい・・開けてやるか」
リアム「・・・・くすくす・・・」
クレイ「・・・どうした。入れ」
リアム「はい、メーラの葉♪」
クレイ「・・・・・・」
リアム「夜に、この僕を招き入れるなんて・・・
ダーリンてば、つくづく剛胆なんだか・・・
おバカさんか、どっちかだよね☆
・・・くすくす・・・まあ、いいけど。
ダーリンが住んでる、この地のことを、どれくらい知ってる?
ダーリン達の知るリルダーナなんて、
しょせん円盤大地の上面だけ。
この大地の裏には不毛の山脈が広がり、
そこには巨大な生き物も住んでる−−
そんなこと、知らないでしょ?」
クレイ「裏面、か・・・一体、重力はどのように働いているのか
・・興味深い」
リアム「ダーリンが僕にその魔術を向けたら・・・
いつか連れていってあげるvv
こちら側の昼は・・・あちら側の夜。
この世界球の半分は、いつでもアンヌンの領域だと
分からせてあげる・・・
・・・じゃ、帰るね♪・・くす・・くすくす・・・」
クレイ「わざわざ、夜に来て、話すことでもなかったな・・」