6L6GC(5881WXT) | ||||||
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この6L6GC(5881)全段差動アンプも完成当時はここちよい音で私を魅了したものです。その後、いくつかのアンプを作って行くうちこの6L6に欲が出てくるようになりました。・・・そしてこの全段差動アンプのオーソリティとも言うべきぺるけ氏の出された著書「情熱の真空管アンプ」を読むうちその欲がどんどん膨らんでいくのです。 その欲とは、
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ゲインを上げるためもう一段増やして3段の差動アンプにします。さて、どうやってもう一段増やそうかと思案していたところぴったりのアイデアがぺるけ氏の「情熱の真空管アンプ」にありました。それは表紙です。FET差動で初段を構成することです。いやぁ〜じつはシャーシに追加真空管ソケットの穴あけを今から行うのはいやだったのです。すでに部品がいっぱい付いちゃっているし・・・で。FETなら内部のラグ端子で何とか増設できるし。 次に次段と直結にするためFETのペア選びです。2SK30Aを10個(池田電子で10個200円だった)買ってきて特性の近いものをペアで二組選びました。 次段は今までの6SL7GTをやめ内部抵抗の少ない6SN7GTを採用しました。初段のFETでかなりゲインを稼ぐことが出来るため次の段は高域特性を考慮して出力インピーダンスを下げるようにしてみました。 |
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さて、高域改善です。先にも述べたように2段目の真空管を内部抵抗の小さな6SN7GTにして6L6GCの入力での特性悪化を出来るだけ軽減しました。 そしてもうひとつクロス中和と言うものをやってみました。6L6GCのプレートからもう一方のグリッドへ10PF(耐圧500V)で帰還することです。この手法も「情熱の真空管アンプ」からのアイデアです。 そのほか負帰還NFBを16Ωではなく8Ω端子からかけてみました。 |
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全体の回路図は下記の通りです。 定電流ダイオードが手元になかったので6SN7GTの定電流源をトランジスタで組みましたが、ここは定電流ダイオードのほうがすっきりしますね。 24V電源もB電源から作ってもいいですが定電流回路を組んだためこんなことになってしまいました。秋葉原買出しを渋り手元の部品だけで作ろうとするとこんな回りくどい回路になってしまうという見本です。 その後、終段入力の0.47μFのコンデンサをアムトランスの音響用のものに変更し、合わせてバイアスバランス調整回路定数の間違いなどあり変更しました。 |
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出来すぎの周波数特性になってしまいました。測定器の値を疑いましたね。70k〜80kHzまでフラットに近いですからね。ただ、どうみても素直なカーブとは言いがたく、クロス中和が働きすぎって感じです。10PFを3〜5PFぐらいにしたほうが、むしろなくてもいいのかもしれません。2段目を6SN'GTにした効果が大きくものを言っていそうです。 また、今回初めて歪率測定を行いました。パソコンソフトWaveSpectraと24bitサウンドカードでとったものです。 |
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ダンピングファイクターは ON/OFF法で 5.7 でした。 残留ノイズは下記の通り非常に少なく出来ました。 R:0.08mV L:0.16mV |
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いい感じです。 私はたいした耳を持っていないのか細かな変化は分からないほうです。(スピーカーケーブルを変えて音が変わったと思うことはまずありません。) その私でも今回の改造で高域の違いがはっきり分かったのです。 改造前は3極管の811Aを聞いたあとこの6L6GCを聞くと高域のクリアさと言うかめりはりが落ちるなって感じでした。ところが、改造後はそのようなことは感じられなく高域がちゃんと表現できているなって感じです。高域から低域まで大変素直な感じを受けています。もっともじっくり聞く前にデータ取りを行い、すばらしい結果だったのでその先入観念があるのかもしれません。 その後の改造で0.47μFのコンデンサをアムトランスの音響用に変えました。そしてその音はというと・・・うん、悪くないんじゃないの。激変とは行きませんが気持ち透明感が増したと言うかすっきりしたと言うか・・・ってところです。 |
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