音の工房

 6L6GC(5881WXT)
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作るきっかけ
この全段差動アンプを作るきっかけはなんと言ってもぺるけさんのホームページを見てからです。
シングルアンプをいくつか作って、さて次はパワーのあるプッシュプルをと考えていたのです。しかし、シングルアンプの1〜2Wでも私の部屋(6畳間)では充分な音量。20〜30Wを作ったところで活かせるはずもありません。それにプッシュプルの音はいまひとつという声もあちこちで聞きます。ただ、歪の少なさは魅力と、なんたって真空管がずらりと並ぶ光景はかっこいいじゃありませんか。
いろいろな評価や意見を聞くより、実のところ作って聞いてみないといい物なのか悪いものなのか分からないです。そんな時、ぺるけさんのHPを見たのです。全段差動アンプ・・・・これ面白そう今の私にピッタンコ。
・なんてったってプッシュプル。→これが今の私には絶対条件。
・パワーより音質重視。→3極管接続でA級動作。う〜ん、贅沢〜う。
・パワーはあまり出ません。→いいんです。6畳の私の部屋では数Wで充分。
ってなことで、全段差動アンプつくりの計画が始まりました。


真空管は何を使う
まず、真空管は何を使うかです。手元に6V6がペアで2本ありました。6V6で作ろうかと構想していたころ秋葉原に行く用があり、ついでに真空管をちらり・・・むむぅ、5881WXTがペアで1,800円。安っ!何のためらいもなく2ペア4本購入。この5881WXTは6L6GCのことで最初の構想の6V6系で兄貴分みたいなもの。思わぬ掘り出し物で、これで出力管が決定です。
この管はロシアのSOVTEK製、球に98.12と刻印されているので1998年12月製造と察しが付きます。もうひとつのペアは00.02で2000年2月でしょう。この2種類製作年月の違いなのか製作工場の違いなのか、中をよ〜く見ると構造に若干の違いがあります。ゲッター容器が盃型とリング型の違いがあります。しかし、どちらもゲッターはガラス上面にきれいに付着していて頼もしい真空管らしさを形作っています。


差動回路の検討
初段は6SL7GTを使いました。カソードの定電流は定電流ダイオードを使用。石塚電子のE102で1mAです。
出力段6L6GCの定電流は62mAとし、3端子レギュレータの317Tを使用しました。電流制限の抵抗は20Ωです。
B電源電圧の決定です。6L6GCのカソードプレート間が250V、バイアス電圧のカソードが23V、出力トランス分で6Vと見て
250+23+6=279V
で約280Vになります。トランスは250Vタップで抵抗で調整していくことにします。
基本的な構想ができたところで、設計回路図を書きつつお値段の張るトランスの選択です。
ここは、あんまりケチってもろくなことにはなりません。懐具合との勝負です。ええいっとTANGOのFE-25-8に決定、電源トランスもTANGOのPH-185とぺるけさんご推薦のトランスとなりました。


回路図

大変なシャーシの穴あけ
設計が終わったら部品表作り、と言っても仕事と違ってメモ程度(そうか、HP掲載を機にちゃんと部品表にまとめておいた方がいいか)。手持ちジャンク品から使えそうなものをピックアップ、不足分を購入リストにします。
実際ものを見ないと決められないのがシャーシ。このシャーシ決めがまた大変、シャーシでデザインが一変するし、価格もピンキリ。今回は、結構重たいトランスが3個付くので強度的にもしっかりしたものがほしい、結果、2mm厚の黒とベージュツートンカラーのシャーシを選びました。
2mm厚を考えると穴あけも大変。そこで、大枚3,500円も出してシャーシパンチを買いました。

自作の何が大変かとシャーシの穴あけほど大変なものはありません。穴加工ができたら7〜8割完成したようなものと思っちゃいます。また、ここをきちっとやるかどうかで完成のときの見栄えが大きく変わります。
真空管アンプの穴あけはトランスや真空管ソケットなどの大きな穴あけがあります。ここは、買ってきたシャーシパンチの登場。でも、2mm厚のアルミ板は結構大変、シャーシパンチの柄がぐんにゃり曲がってしまいました。放熱のことも充分考慮する必要があります。熱食うものばかり。6L6のソケットの回りに対流用の小穴をあけました。
さて、ここでつまらないことで悩みます。電源ランプ(昔パイロットランプって言っていたっけ)を付けるか付けないかです。真空管アンプなら電源入れれば真空管が赤く点灯しそれが電源ランプ代わりって人も。しかし、これだけ図体がでかいシステムに電源ランプがないなんて・・・と青色LEDをつけました。3φのちいちゃな青色LEDですがなかなかいい感じです。


組み立て配線





配置はオーソドックスに配列しました。電解コンデンサ(470μF385WV2本)はプリント基板用で止め金具がないためプリント基板に付け、その基盤をシャーシに固定しました。ボリュームは左右別々にした理由は単に2連式のボリュームが高価だったから。






私の場合、内部配線はまずアースの2φのスズメッキ線を母線として配線します。ループを作らないようにし、シャーシに落とすところは入力に近いところ1点にします。

周波数特性は






まずは周波数特性を取ってみました。
さすがにタンゴのトランスだけのことはあります。低域はほぼフラット。


聴いてみて
やっぱり自分で作ったものは贔屓目に聞こえてしまうものでしょうか、大変満足いく音なのです。
どこがどういいのか文章ではかけないです。とにかく長く聞いていても疲れないというか余裕があると言うか安心感のあるアンプです。
本当に作ってみてよかったです。
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