TIM BUCKLEY
♪ジャンル一口メモ♪ アシッド・フォーク (ロック+フォーク+サイケ+ジャズ
+神がかりボーカル=ティム・バックリィ)
ティム・バックリィ 『スターセイラー』
※愛聴度 ★★★★★
※購入価格:ジャニスでレンタル(輸入盤)
※中古購入予想:???円(見た事ないです)
他ページでも触れているJEFF
BUCKLEYの父親であるTIM BUCKLEYの、今やCDでは入手
不可能(国内盤未リリース+プレスされたのが
一回だけの模様・・・。)であろうこのアルバム。
STARSAILORという名前にピンと来た
人も多いことでしょう。同名のUKバンドの由来でもあります。
国内盤がリリースされている「Goodbye and Hello」も買ったし、1stも試聴してみたりしたのですが
どうにもこのアルバムの存在が気になって仕方
なくて、ジャニスまで借りに行きました(笑)
JEFFの父親である事、そしてSTARSAILOR(UK)のファンとしては、このアルバムも聴いと
かなきゃな!
っていうのもありましたし!しかし実際、この
アルバムを最初聞いたとき、脳を独占したのは
「???」のみでした・・・。アシッド・
フォークの大名盤「Goodbye
and Hello」のような切なく透き通る
メロディは・・・??複雑で奇妙なメロディ、エフェクトのかかったギターに、打楽器のような奏法、
やたらジャジーな手数の多いドラム(ブラシも
使ってるんじゃないかな)、ホーン・セクションに、大袈裟な
ストリングス・・・。今まで聴いた事がなかっ
た音楽だけに謎のベールに包まれたアルバムだったんです。
でも、やたらと聴きたい衝動に駆られて再生し
たある日、突然糸が切れたように、気が付くと夢中で
聞いてる自分がいました。その一聴すると不快
にも捉えられかねない難解なアレンジの中に
心地よさが見えてきたんですよね・・・。何よ
りの魅力はやはり圧倒的存在感のTIM自身のボーカル。
一部批評ではJEFFは偉大な父親を超えた類
稀な例と記述されてるそうですが、とんでもありません!
これを聴いたあと、みそ汁で顔洗っておとといきやがれ!って感じです。その歌声の素晴らしさに、
血は争えないなといった印象は確かに持ちますが、両者を比べ、優劣をつける事自体愚かしい!
オペラからジャズ的な展開で盛り上がり、歌声も呼応するように、その多様性を見せる「Come Here
Women」
日本のジャックスを思わせるギターサウンドに
絡むサックスとストリングスが、発狂に似た安らぎに
導くような「I
Woke Up」 ブルージーなギター・リフにシャウトと急落下するメロディ、幾重もの打楽器の
応酬に「カッコいい・・・」と言わざるをえな
い「Monterey」。TIMの歌唱力とストレートなメロディを楽しめる
「Moulin Rouge」、「Song To The Siren」は、彼はJEFFの父親なんだなぁ・・・と改めて感じます。
そして「Come Here Women」同様、ジャズへの急展開とボーカルの奔放さが光る「Jungle Fire」は、
SOAD
のサージやマイク・パットンを思い出し、7曲目「STARSAILOR」は洗脳レベルのアレンジとボーカル。
その飛びっぷりは、宇宙人と交信できるのでは・・・と思うほどで(笑)、そこから怪しいベースラインと
打楽器がスパイ映画を彷彿とさせる「The Healing Festival」に続きます。いや・・・これはもはや儀式をも
思わせるな(笑) そして最後を飾る、「Down By The Border Line」は「Monterey」と通じるロック、ブルース系統の
ギターに思わず体が動きます・・・・。特に終盤のサックスとギターの絡みは、とてつもない緊張感と高揚感が・・・。
TIM
BUCKLEYのボーカルに負けじとハイクオリティな研ぎ澄まされた演奏を聴かせてくれます。
・・・・と、結局全曲解説してしまったわけで
すが、計算づくなのか、ジャムセッションの賜物なのか
緻密なアレンジと、TIM のボーカルのヒリヒリしたせめぎ合いが何度聴いても飽きがきません。
最初聞いたときは圧倒されてしまうかもしれな
いけれど、「なんだ・・・これ・・・・」が「来た!!これ!!」に
変わる瞬間のドキドキ感は、何にも換えようがないです!まさに、僕にとって「魔物の潜んでいたアルバム」
と言えるし、そういえばビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」も同じだったなぁ・・・と今さらながら思いました。
そしてその反面、これはTIM、JEFF共に感じることなのですが、ここまで神々しい表現をできる人は、
音楽に生命を吸い取られている・・・というかやはり長生きは出来ないのだろうか・・・と、無神経な感情さえ
浮んできます・・・。最後に今や入手の難しいCDですが、もし見つけたなら是非とも聴いて欲しいと思うし、
なんなら僕に売ってください!(笑) お願いします!!(笑)
ロック&ポップスに戻る