THE  DOORS

                           ♪ジャンル一口メモ♪ ロック (ロック+サイケデ リック+ジム・モリスンのカリスマ性+クラシカル・オルガン=ザ・ドアーズ)







                                                             ザ・ドアーズ 『まぼろしの世界』



                                
※愛聴度 ★★★★★     ※購入価格:レンタル・・・    ※中古購入予想:800円(注意!ぜひリマスター盤を!)


          
                              「2005年もそろそろ終わりのに今さらドアーズ・・・。」と、そうゲンナリなさらないで 下さい。前々か ら好きだった
                              のですが、通称サイケデリックと呼ばれる60年代の音楽をちょこちょこ聴いてるうちに、こ のアルバムの真価に
                              目覚めたような気がしてます。ザ・ドアーズというと、やっぱり1stの 「ハートに火をつけて」が最も有名な曲を
                              収録してるし完成度や衝撃度も高いとは思いますけど、個人的には2nd であるこの「まぼろしの世界」が一番
                              しっくり来ます。ここにはNHKでプロモが流れるほ どメジャーな「ハートに火をつけて」も、「地獄の黙示録」で
                              お馴染みの「ジ・エンド」も、キンクスを思 わせるロックの名曲「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」も入っていません。
                              しかも、暗い。果てなく暗い。1stでの才気ほとばしる濃縮還元の勢いを、そのまま保つ半 面、「クリスタル・シップ」や
                               「エンド・オブ・ザ・ナイト」の路線、すなわち幾分落ち着きを見せた聴き手を陶酔させる曲が中心になっているのも
                              手伝って、幾度となく穏やかな鬱の波紋が広がってゆくような気分になります。ビーチ・ボー イズ、キンクス、ラヴ
                              等をフェイバリットに挙げ、好きなシンガーはフランク・シナトラとエルヴィス・プレスリー というジム・モリソンのポップ
                              センスと、ジャズ、ブルース、クラシック、ロックを飲み込んだオルガン奏者レイ・マンザレ クの音作りに、当時の
                              風潮であったサイケデリックの装飾。ここに孤高かつ難解で哲学的な歌詞が乗れば、聴き手の 知覚のドアも
                              それは開いてしまおうものです。ちなみにバンドとしてデビュー前から持っていた曲のストッ クは、「まぼろしの世界」の
                              までとの事ですが、以降もっとポップになったり、ブルースに傾倒してゆく事になります。ジ ム・モリソン作の曲が
                              中心のアルバムも次回作までと言っていいでしょう。しかし、そもそものモチベーションの高 さや、そのクールかつ
                              抒情詩的で、他の追随を許さない作風や志向は、はっきりいって長く続くようなバンドのそれ じゃない。そんな
                              オーバーな念さえ抱いてしまいます。それくらい1stと、この作品は素晴らしいです。あ と、追記としてジム、レイ以外の
                              メンバーも曲作りではかなりの貢献をしており、参考として映画「ザ・ドアーズ」では、 「ハートに火をつけて」の
                              メロディはギターのロビーが書いたという設定になっています。それと、余談ですが豆知識と して、ジム・モリソンが生きて
                              いれば今年60歳を迎えたとのこと。還暦ですね。老いたジムも見てみたかった気もします。 「長く生きた分だけ悟る事も多い」
                              と個人的には思っていますが、この人のこと、相当とんがった爺さんか、もしくは生き仏のよ うになってそうですよね(笑)
                              最後に、名作なので中古がふんだんに出回ってますが、廉価盤もリリースされているので、是 が非でも最新リマスターで!