シンガー・ソング
ライターの世界
ここでは個人的にお気に入りなシンガー・ソングライターのCDを紹介していきます。
内省的な作品が多くなりますが、あらかじめご了承ください(笑)
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JEFF BUCKLY
♪ジャンル一口メモ♪ 天才シンガーと呼ばれた男によるロック (ロック+エレキ弾き語り+神が
かった歌声=ジェフ・バックリィ)
ジェフ・バックリィ 『グレイス』
※愛聴度 ★★★★★ ※購入価格:1200円(中古国内盤) ※中古購入予想:1000
円前後(安いところでは500円とかも・・・・。)
偉大なシンガー ティム・バックリィ唯一の実子。しかし、子供
の頃に父親は彼と,母親の前から姿を消してしまいます。
ライナーノーツによると、幼い頃に一度数日過ごしただけの記憶しかないそうです。そんな不遇とも言える環境な
がら
後に彼は父親と同じシンガーを志すようになります。そしてティム・バックリーの息子ということ、容姿、歌声が
父親と瓜
二つということで、メジャーレーベルの争奪戦が繰り広げられますが、彼はそれを拒み、パブなどで歌っていたよ
うです。
そういった下積みを自ら経験し、のちにデビュー。そのファースト・オリジナルアルバム盤がこのCDです。ぜひ
聴いてください。
心が震えます。
決してポップではないのですが、聞き流すことの出来ない魂の歌声が、ここにはあります。BGM代わり?とんで
もない。
私はこのCDを聴くときに、音に集中する以外何も出来なくなる。
その中でもレナード・コーエンのカヴァー「ハレルヤ」、「ライラック・ワイン」、「ソー・リアル」、「モ
ジョ・ピン」や「グレイス」
これらの曲は、お気に入りなんて言葉が失礼に思えるほど好きです。特に「カーパス・クリスティ・キャロル」を
聴いてみて
ください。神が降りてくるような錯覚に囚われます。
今、文章を見直してみて、ちょっと逝っちゃってるかな俺 なんて思いますが、この際それでもいいです(笑)
「彼は普通の人が80年使うエネルギーを、たった30年で使ってしまったんだろうな」という、感想をどこかで
見かけました。
同意します。そう、彼は31歳という若さで河で溺死をしてしまうのです。発売されたオリジナル・フルアルバム
は今作品のみ
です。不思議なことに彼の父親ティム・バックリーも若くして亡くなっています。なにか因果を感じざるを得ませ
んね・・・・。
(終り方が稲川淳二の怖い話みたいだな・・・・失礼・・・・・)
Elliott Smith
♪ジャンル一口メモ♪ ロック (ロック+アコースティック+悲しくないと曲書けないよ=エリオット・ス
ミス)
エリオット・スミス 『エックスオー』
※愛聴度 ★★★★ ※購入価格:1000円(中古国内盤 快挙!) ※中古購入予想:
1800円前後(中古国内盤、滅多に見ません)
先日、自殺?(最近、ひょっとしたら違うんじゃないの?的な記事を見ました)で不慮の死を遂げたエリオッ
ト・スミスの
四枚目の作品。もう、ほんと好みです。彼の作る楽曲は。よく聞く意見だと、「暗いビートルズ」なんて言われ
てますね。
否定もしないけど肯定もしません。
彼はもともとハードコア・バンド『ヒート・マイザー』のギタリストとしてCDもリリースしてます。(このバ
ンドは、まだ未聴・・・・・)
しかし、(彼が言うには)所属レーベルが自分のソングライティングに目を付け、半ば自分との契約のために
バンド自体と契約し、そのことが彼自身には他のバンドメンバーへの背徳行為と思えたようで、後々彼を苦しめ
る1つの
要因になってしまったようですね。(実際、バンドとしてのCDリリースはなくなるが、エリオットのCDはリ
リースされてる。)
その後、リリースされた彼の作品が、のちに『グッドウィルハンティング』を撮る監督の目にとまり「ミス・ミ
ザリー」をその作品の
主題歌として書き下ろし、それが大ヒット。いちやく音楽的な成功を収めることになったというわけです。
遅れましたが、このCD是非日本盤で買ってください!てか絶対!ボーナストラックとして、「ミス・ミザ
リー」が入っています!
エリオット・スミス自身がアルバム収録曲としなかったのだから、それは邪道だ!なんて言わないで下さい。良
いモノは良い!!
他にも、個人的に最高の名曲だと思う「ワルツ#2」や、「エヴリバディ・ケアズ、エヴリバディ・アンダースタンズ」
「アイ・ドント・アンダースタンド」、
「オー、ウェル・オーケー」「ボトル・アップ&エクスプロ−ド!」などなど、かなり良いです。
他のアルバム四枚も資本の許す限り買おうと考えてます。
最後に、エリオットは、急逝する前までアルコールやドラッグの依存症に苦しんでいたようですが、それから彼
を救ったのは
死というあまりに皮肉で残酷な結果でした。彼の分身でもある作品たちを愛聴することが、私たちに唯一出来る
弔い
なんでしょうかね。
エリオット・スミス 『フィギュア8』
※愛聴度 ★★★★ ※購入価格:1100円(中古輸入盤) ※中古購入予想:1800
円前後(あってもかなり高いです。)
エリ
オット・スミス生前最後のリリースとなったメジャー2作目。音使いは前作よりアコースティックで
メロディを聞かせるタイプの作り。ギター、ストリングス、そしてピアノにリズム隊。一見より地味
に
なったような書き方をしていますが、前作同様、多重録音の綺麗なコーラスが他のどんな楽器よりも
素晴らしい。やや線の細いボーカルも、いくつもの自分の声に後押しされるように淡々と、かつ感傷
的に
一曲一曲を歌い上げていきます。時おり入るラウドなギターサウンド(往年の彼はノイズ・サウンド
にも
興味があったようですが。) も、押し殺した感情を代弁するかのように響き、終始静かになりがち
なムードを
ピリッと引き締めて良いと思います。それと、ニック・ドレイクのように、最期を思わせる退廃感
だったりとか
諦めに似た躁状態や、妙に悲壮的な印象は受けませんでした。曲のタイトルこそ「キャント・メイク・ア・サウンド」や
輸入盤ではラストの「バーイ」など出来すぎ!と思うようなお膳立てがありますが、個人的には「相
変わらず
苦悩していそうな音だ」と思ったぐらいですねぇ。だけど、まだまだその先に光のある苦悩。そうで
もなきゃ
もっと後味悪いアルバムになったはずですよ!実際、死後アルバム一枚リリース出来るぐらいの音源
を残し、
素晴らしい才能を持ち合わせた彼ですから、この段階では遺作になるなんて思っていなかったことを
願いたいです。
と、ついついその後の彼の不幸を前提にしたレビューになってしまったかもしれませんが、そういう
衝撃的な
事実を抜きにしても、どこか影のある素晴らしい作品であるのは間違いないし、本当に惜しい人を亡
くしたという
残念さはより強くなる一方です。そうそう、「サン・オブ・サム」だったと思うんですが、ひたすら
エリオットが
赤い風船を街中で追いかけるという作りのプロモ(一回見ただけなので、たぶん・・・・) だった
のですが
彼にとってあの「赤い風船は」何を意味したんだろうなぁとこの頃ふと思いました。彼が必死になっ
て追いかけたもの
それを彼は見つけたのか見失ったのか、今となっては知る術もないのですが・・・・。
RYAN ADAMS
♪ジャンル一口メモ♪ ロックンロール (アコースティック+ロックの精神+若いのに渋めの音作り=ライアン・アダム
ス)
ライアン・アダムス
『ゴールド』
※愛聴度 ★★★★ ※購入価格:1000円(中古輸入盤) ※中古購入予想:1500
円前後
天才と呼ばれるも、インタビュー読む限り、本人は自分がダメ人間であるっていう認識が強いみたいです
ね。
そんな彼の かのエルトン・ジョンも認めた出世作。もともとウィスキータウンというバンドのフロントマンをつとめ
解散後、ソロデビュー。そして人気に火がついた感じだそうです。このアルバムは前半がフォーク調の曲が
多く
個人的にあまりピンとこなくて、長期間聞かずに放っておいてしまいました・・・。しかし、あるとき腰を
据えて
じっくり聴いてみたところ特にアルバム後半の畳み掛けがすごい!名曲のオンパレードなんです。関心して
しま
いました。1つのジャンルに囚われない多面性のある曲群が彼の強みですが、その雑食性には本当に音楽
そのものを愛してるんだなと感じます。おすすめとしては痛快オープニングナンバー「ニューヨーク・
ニューヨーク」
まるでギター一本でそば歌ってくれてるような歌いだしの「ワイルド・フラワーズ」やサビの流れが美しい
「フェン・ザ・スターズ・ゴー・ブルー」、毎晩寝る前に聴きたくなる名曲「グッドナイト・ハリウッド・
ブルーバード」なんか
は生涯の友になりそうです。おすすめ!
ライアン・アダムス 『ロックンロール』
※愛聴度 ★★★★
※購入価格:定価(新品国内盤) ※中古購入予
想:1500円前後
タイトルがド直球ですね!『ロックンロール』 ここ最近のロックンロールな風潮が彼のロック魂に火
をつけたのか、前作にはない熱さをビンビン感じます。他のページで紹介している「ストロークス」の
ファーストアルバムが大のお気に入りでアルバム丸ごとコピーした(もはや単なるファンだな笑)とい
う
逸話がある今作。ライアン、かなーりロックンロールしてます。一曲目が「ディス・イズ・イット」
(笑)
(ストロークスのファーストアルバムは「イズ・ディスイット」) わかりやすい人なんだか冗談なん
だか
よく判りませんね(笑) ライアンの新譜が出るという事だったのでCD店で視聴してみたのですがこ
の
曲を聴いて即買いしました・・・・。かなりカッコいいです。
ただこのアルバムには一筋縄でいかない経歴があって、ライアンがリリースを考え製作した作品が
「あまりに暗い、内省的」というレコード会社の意向で発売が見送られ、それならばと1から作られた
のがこの作品のようです。ちなみに発売が見送られた「ラヴ・イズ・ヘル」のパート1、2は輸入盤で
購入することが出来ます。
話はこの作品に戻りまして、おすすめの曲としては「ディス・イズ・イット」 「シャロウ」、
「1974」、
「ノート・トゥ・セルフ:ドント・ダイ」。それぞれ熱い感情が迸り、かなりイカしてます!
RUFUS
WAINRIGHT
♪ジャンル一口メモ♪ 通称ポペラ (ポップ+オペラ+中性的な感受性
+音楽一家の血=ルーファス・ウェインライト)
ルーファス・ウェインライト 『ルーファス・ウェインライト』
※愛聴度 ★★★★
※購入価格:800円(中古国内盤) ※中古購入
予想:1000円前後(あまり出回ってませんね。)
初めて彼の音楽を聞いて「うわぁ、この人歌唱力あるなぁ・・・。」と真っ先に感じました。そも
そも
シンガー・ソングライターというのは、当然その人自身が曲を作って歌ってというスタイルなの
で、
曲へのその人自身の反映という点では、作り手と歌い手が別な楽曲とは、一線を画すわけですが
シンガー一筋の人に比べると歌唱力に多少、難がある人もいるのが事実です。
(それは決して悪いこととは言いませんが・・・・・。)
しかし彼の場合は物凄く表現力が長けていて、他の人に比べ、かなり巧い!
それもそのはず、ライナーによると音楽一家の生まれのクラシック好き。音楽の勉強のアプローチ
も、
他のロック畑の人とは少し異なるのかもしれませんね。
彼の作る曲は、決して派手ではないのですが華があるというか優雅さに溢れています。通称「ポペ
ラ」
(ポップとオペラの融合)と呼ばれ、複雑なコード進行ながら見事にポップなメロディラインで、
彼の表現力
の高さがあるからこそ成し得るであろう楽曲ばかりです。
彼は自分自身がゲイであることを堂々と公言し、おおっぴらに「僕は可愛い男の子が好きだ」なん
て
インタビューでは語ってますが、ゲイであり男と女両方の素質を持ちうるから、こういう楽曲が作
れるの
かも知れません。そうそう、買うならぜひ日本盤で!ボートラの「ア・ビット・オブ・ユー」は、
素晴らしい
ナンバーですよ!他にも「ビューティー・マーク」もおすすめ。聴いてみてください。
ルーファス・ウェインライト 『ポーゼス』
※愛聴度 ★★★★
※購入価格:1300円(中古国内盤) ※中古購
入予想:1500円前後(滅多に見ません。)
ルーファス・ウェインライトの二作目。相当良いです。前作を聴いて、気に入りこれも買ったので
すが
(購入価格の上がり方で納得してもらえると思います笑)より心に残るメロディと多彩さを持つア
ルバム
を作ったなぁと感心しました。ファーストよりも進化を感じるし、こっちのほうが個人的には好き
ですねー。
「レーベル・プリンス」これが最高に良いんです!他にもアルバムのタイトル曲でもある「ポーゼ
ス」や
「シガレット&チョコレートミルク」(オアシスの似たようなタイトルの曲に比べるといささか健
康的ですね)
胡弓?の音がアジアン・テイストを出している「グリーク・ソング」さわやかな「カリフォルニ
ア」など要所要所
に聴きどころ満載で、自信を持ってオススメできます。前作よりもオペラな感じが前面に出ていな
いながら
も、メロディのつくりがそれはもう華麗で、彼の純粋なポップメイカーとしての実力もかなり高い
と思います。
ただ、彼は日本でまだあまり知られていないのが、少し残念です。多くの人に聴いてもらいたい
し、
それだけの実力もあると思うのですが・・・・。ぜひ日本にも来てほしい!絶対観に行きます。
そうそう、新作もう出てます。まだまだ値段が落ちそうに無いので給料入ったら新品で買うつもり
です(笑)
また、マメ情報として、彼は映画「アイ・アム・サム」のサントラに参加しており、かのビートル
ズの名曲
「アクロス・ザ・ユニヴァース」のカヴァーも披露しているので、興味ある方はぜひどうぞ!他に
も↑でも
紹介したジェフ・バックリーもカヴァーした「ハレルヤ」のカヴァーも聞く機会がありましたが、
素晴らしかった
です。探してみてください。
RON SEXSMITH
♪ジャンル一口メモ♪ アコースティック (アコースティック+元・郵
便配達員+家族愛=ロン・セクスミス)
ロン・セクスミス 『ロン・セクスミス』
※愛聴度 ★★★★ ※購入価格:800円(中古国内盤) ※中古購入予想:1000円
前後(わりと見かけます。)
いやぁ、童顔ですねぇ。そして、どこか
影のある感じのこのジャケットはロン・セクスミスの
名盤と名高いデビュー・アルバム。かのエルヴィス・コステロが大絶賛したというお墨付きで
す。
彼は十代で結婚し、郵便配達の仕事をしながら、メロディを書き溜め、デビューしたと言う変
り種?
でもあるわけなんですが、彼が言うには「ガラスを磨いたり、何か作業をしないとメロディが
浮かばない」
のだそうです。ってことは、郵便配達中に思い浮かんだメロディの結晶がこのアルバムって
わけですね(笑) まぁ、それはさておき、本作は名アルバムだと思います。本人の弾くア
コースティック
ギターが基調となったシンプルなアレンジの曲が中心なのですが、メロディのよさと、にじみ
出る慈しみは
思わずホッと聞き惚れてしまうこと間違いなし!中でも生まれたばかりの自分の子供について
歌った
「スピーキング・ウィズ・ジ・エンジェル」が素晴らしい。赤ちゃんが見えない何かと話をて
いるさま
(赤ちゃんはよくやってますね) を見た奥さんの「きっと天使と話をしてるのね」という一
言から作られた
そうなのですが、このエピソードだけで彼の家族への愛の深さや人柄が窺えますよね。
他にも「シークレット・ハート」や「レバノン・テネシー」などお気に入りですが、アルバム
全編通して
暖かい感情が溢れている珠玉の一枚なので、ぜひ聴いてみてください。
NICK DRAKE
♪ジャンル一口メモ♪ アコースティック (アコースティック+フォーク+悲壮感+ライヴ嫌い=ニック・ドレイク)
ニック・ドレイク 『ウェイ・トゥ・ブルー』
※愛聴度 ★★★★
※購入価格:900円(中古輸入盤) ※中古購入
予想:1000円前後(わりと見かけます。)
えっと、まずこれはベスト盤です。彼は生涯三枚のオリジナル・アルバムをリリースしてお
り、どの
作品もそれぞれの聴きどころがあるのですが、個人的には代表曲を収録しているこのベストが
最
初に聴くとしたらオススメできると思います。
彼は裕福な家庭に生まれ、学力優秀、スポーツもできるという文句なしのエリート人生を送
り、自分
の望むままアーティストとしてデビューします。しかし、その頑固な性格と完ぺき主義がゆえ
なのか
アルバムを出しても納得のいく正当な評価を受けない(評論家筋からは絶賛されていた)こと
にひどく
失望していたようですね。そして、彼は三枚目のアルバム「ピンク・ムーン」をリリース後、
自らその人生を
閉じてしまいます。あまりに儚く思える人生ですが、人の生き死について、ここでは深く掘り
下げることは
やめておきましょう。個人的に、気に入ってる曲は「プア・ボーイ」、「ノーザン・スカイ」
ですね。このアルバム
に収録されてる曲を含め、彼の楽曲は私の音楽ライフにとって一生聴ける大事なものばかりで
す。
彼の詩について興味のある方は↓のサイトをご覧になってください。
http://www.geocities.com/ssnnbb@sbcglobal.net/artistAF/drake.htm#poor
TODD RUNDGREN
♪ジャンル一口メモ♪ ポップ職人 (ポップ+爽やか+時代性+大御所
+ロックのバックボーン=トッド・ラングレン)
トッド・ラングレン 『ベスト・オブ・トッド・ラングレン』
※愛聴度 ★★★
※購入価格:一泊10円(レンタルです・・・)
※中古購入予想:1000円前後
ファンの人には怒られてしまうかもしれませんが、偉大な彼の足跡を辿るにはうってつけのアルバム
だと思います。なにしろ多作なワーカホリックで、様々な作品にも関わってる人ですから集大成とも
言え
るベストは、やはりありがたいものですね。ベストを聴いて、オリジナルアルバムも聴いてみよう!
と思った
パターンも皆さん多いのではないですか。それにしても、やはりこの人のメロディセンスはすごい!
自身の
作りたい曲と大衆に受けるいわゆるヒットする曲が、見事にリンクしているのでしょうね。まさにポップ職人!
また、実験的な試みも多くしているので音楽マニアも唸らせるという強者でもあります。このアルバ
ムは
思わず納得の楽曲群が収録されてますから、この際ポップが好きな人は買っちゃったほうが良いと思
います。
おすすめ曲は挙げるときりが無いのですが、「アイ・ソー・ザ・ライト」「しょせんは同じこと」
(何だか投げやりな邦題・・)
「甘い想い出」、「夢は果てしなく」、「内なる心の輝きが」好きですね。コーラスワークも綺麗だ
し、トッド・ラングレン
がいかにセンスの塊のような人か判っていただけると思います。
BEN FOLDS
♪ジャンル一口メモ♪ ロック・ポップス (ポップ+ピアノ乱打+マルチプレーヤー+D・I・Y精神=ベン・フォール
ズ)
ベン・フォールズ 『ロッキン・ザ・サバーブス』
※愛聴度 ★★★
※購入価格:一週間100円レンタルです・・・
※中古購入予想:1300円前後
このアルバム一曲目の「アニ−・ウェイツ」は、まさにポップスのスタンダードと言っていいほど
の
素晴らしい曲だと思います。(いわゆるキラーチューンですか) 誰に聞かせても「あ、いい曲」
と言わ
せることが出来る希有かつ不朽の名曲です。踊るようなピアノと、綺麗なコーラス、メロディの緩
急、どれ
をとっても最高で、やはり、いくらメロディの飽和時代と言われても、新しい感性を持ってすれば
生まれるものは生まれるんですね。つい、この一曲だけの話になってしまいましたが、彼はもとも
と
「ベン・フォールズ・ファイヴ」というバンドのフロントマンで(このバンドは、ギターレスで代
わりにベースが
十二分に存在感を出していて、それとベンフォールズのピアノがウリです。) バンド解消後
ソロ活動に移行していったようです。私自身はベン・フォールズ・ファイヴ自体はさほど好きでは
ないの
ですが、ソロはとりあえず聞いておくかと軽い気持ちで本作を手にしました。
いやぁ聞いてみてビックリ。いいアルバムだと思いますし、おすすめできる作品です。他にも、
「スティール・ファイティング・イット」や、「ゴーン」、「ジ・アセント・オブ・スタン」も、
聴いて欲しい曲ですねぇ。
最近の彼はと言うと、EPを連続リリースしたり、ニューアルバムもリリースされています。ウェ
ブサイト
からの直接注文も承ったり、販売と言う面で新しい試みをしているようです。
TOM MCRAE
♪ジャンル一口メモ♪ アコースティック (アコースティッ
ク+内省+モノクロなサウンド=トム・マクレ−)
トム・マクレ− 『生への癒し』
※愛聴度 ★★★
※購入価格:定価から二割引 ※中古購入予想:
1000円前後(新古輸入で500円で見かけました)
ジャケットからして、「暗そうだなぁ・・・」と避けてしまう人もいるかもしれませんね。内省的
な音楽
が苦手な人には、おおよそ一生縁の無いものだろうし、好きな人には一生の心の友(ジャイアンっ
ぽい・・・)
になるであろう、トム・マクレ−のファーストアルバム。邦題は「生への癒し」とついています。
ちょっと
前まで巷に溢れ返っていた「癒し」というフレーズに乗っかったものかと思いますが、聴く人に
よっては
「癒し」を感じるのでしょうから、あえて突っ込むのはよしましょう。(って、もう突っ込んでる
か・・・)
彼は牧師一家の家に生まれ、こと宗教においては自分なりの価値判断があるようです。詩にも現れ
ています。
その側面は私のような無宗派層の人間には、わかりかねますが、音はかなり好みですねー。
もともとMTVで凝った作りのプロモを文章付きでお送りする番組がありまして、彼の「ヒドゥ
ン・カメラ・ショウ」
のプロモを見てこりゃ良い!と、購入したんです。アコースティックな手触りのサウンドに、コン
ゴなどの
リズムが乗って、高音の通りが良く、か細いながらも味わいのあるボーカル。いやぁ、染みました
ね。
ちなみに、このアルバムの収録曲「ユー・カット・ハー・ヘア」は、権威ある音楽賞の優秀シング
ル曲に
選ばれたようですが、それも頷ける楽曲です。上記した他には「エンド・オブ・ザ・ワールド・
ニューズ」
も気に入っていますね!サウンドの緻密さなど、聴けば聴くほど新しい発見があるアルバムだと思
います。
セカンドも持っていますが、あまり好きになれないので、ファーストだけレビュー書きま
す・・・。
PENNEBAKER
♪ジャンル一口メモ♪ ポップス (ポップ職人+完璧なサウンドプロダクション+趣味の悪いサングラス+ウキウキ=ぺネベイ
カー)
ぺネ・ベイカー 『ア・ニュースカイライン』
※愛聴度 ★★★★★
※購入価格:定価 ※中古購入予想:
1800円前後(まれに見るような見ないような。)
例えが強引過ぎるかもしれませんが、ニルヴァーナにしろ他のバンドにせよ、結局行き着く到着
点は
「ポップ」というところなのだろうかと、ふと思う時があります。アヴァンギャルドや、実験的
サウンドが
語り継がれる場合、たいていは「芸術的」な面だったり、かたや「革新的」な面だったりで、一
部のマニアと
呼ばれる人からの喝采は受けても一般大衆的には「変な音楽」と一蹴されてしまう部分があるの
も事実なんですよね。
「分かる人が分かればいい」こういう考えもアリだとは思うし、そういう音楽を日々身を削り制
作している
人たちに敬意ももちろん感じるのですが、「これ良いね」と、多種多様な人同士が共感し合える
曲。これこそが
「ポップ」の強みだと思うんです。音楽の場数をこなし、日々ストライクゾーンを着々と広げて
いる人の感じる
「良い音楽」と、人生において音楽に重きをおいていない人の感じる「良い音楽」 この差とい
うのはもちろん
感性の違いでもあるし、一概にあれこれ言い切れないのですが、その彼らを結ぶ接点こそ「ポッ
プ」なんじゃないかと。
人の根底にある「グッドメロディ」を求める心。それには何ら差はないんじゃないだろうか。そ
んな分かりきった事を、
今さらながら感じさせてくれるアルバムを紹介したいと思います。(前置き長い・・・・・。)
彼らはスウェーデンの三人組のバンド。(なんか雰囲気的にはグループと言いたい・・・) ↑
にも登場している
ベン・フォールズファイヴや、言わずと知れた大作曲家バート・バカラックなどと比較されてい
ますが、
ベン・フォールズファイヴほどロック然としていないし、バート・バカラックほどスタンダー
ド・ナンバー調していません。
ほどよいバランスで老若男女が楽しめるというか、まさにみんなで「良いね」と言える曲ばかり
だと思います。
彼らの出身地スウェーデンといえばポップスの最高峰「アバ」を輩出した国でもあり、お国柄と
いうのは言い過ぎかも
でしょうが、そのポップ・センスと、適度にハジけすぎない独特の哀愁は、風土によるところも
あるのかも
しれませんね。1stアルバムといえど、主に曲作りを手がけるメンバーはすでに本国では名の
あるプロデューサー
のようで、時にはAOR?と思えるような熟練した緻密なオトナなアレンジを聴かせてくれま
す。意外性は
ないかも知れませんが、この緩急のついたメロディの素晴らしさ。これこそまさに人と人との共
通カテゴリである
「ポップス」というジャンルの音楽のお手本のような作品だなと思います。ポップスを「売れセ
ン」なんて言葉で
片付けて、偏見を持ってる人ほど是非騙されたと思って聞いてみてください。(って、さほど知
名度はないようですが・・・。)
追記:シンガーソングライターで括るのはおかしいですよね、、、ご容赦下さい(苦笑)
IRON & WINE
♪ジャンル一口メモ♪ アコースティック (枯れたような音+サブポップ印+友人、家族の力+ゴッホ?=アイアン&ワイン)
アイアン&ワイン 『アワー・エンドレス・ナンバード・デイズ』
※愛聴度 ★★★★
※購入価格:1600円 ※中古購入予想:
1000円前後?(見た事ないです。)
アマゾンで試聴して気に入り購入しました。古くはニルヴァーナ、最近だとポスタル・サーヴィ
スや
ザ・シンズ、アルバム・リーフ、ホット・ホット・ヒートなど良質なアーティストが数多く在籍
していて(いた)
インディーの中ではリスナーからの絶大な信頼と
看板の大きさを持ったレーベルであると言えるようです。
かくいう私も、サブポップにはお気に入り
のアーティストが多く、大変お世話になっています。
で、レーベルの話はいいとして、音はと言う
と、宅録感溢れる(ベッドルーム・ミュージック?)
アコースティック・サウンドとアクセント
に、バンジョーやアフリカ系の打楽器が少々。哀愁と倦怠感とが
交錯するしみじみした作りになっています。友人
や家族が参加しているという楽器群と、コーラスとが、
ほろ苦さを感じさせる歌声のサム・ビーム
氏(ウイスキーの名前みたいですよね)の紡ぐメロディの骨格を
実に上手く際立てていて、ほんわ
かしてるようなのに、その実、静かな中にもビリッとしたシリアスさと、
芯があると思います。スリルズ
がアメリカ西海岸への憧れとイメージで、曲作りをしたとするなら、こちらは
フロリダの地元っ子
がその現実を鳴らしているような、そんな印象を持ちました。個人的にアメリカの
アコースティック・
サウンドというと、カントリーや、いかにも大陸系なメロディを想像してしまいますが、
イギリスのトラッドや
フォーク・サウンドに通じるウェット感があると思うし、ニック・ドレイクなんかが好きな人にも
いいんじゃないで
しょうか。同じような編成のキングス・オブ・コンビニエンスほどスタイリッシュじゃなく
少し無骨さがあ
ると思いますし無理にドラマティックな展開がなく、淡々としたテンションが続くので、
ゆったりと美味しくお
酒が飲めそうなお気に入りの一枚です。
まだまだ続きます
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