NIRVANA
                                    
                                              ♪ジャンル一口メモ♪  俗に言うグランジ (ロック+パンク+メタル+コマーシャリズム+ロックスターの悲劇=ニルヴァーナ)  
                          
                                 




                                  










                                            ニルヴァ−ナ 『ブリーチ』

                        
                           
※愛聴度 ★★★★     ※購入価格:定価   ※中古購入予想:1000円前後
                                                
                            ニルヴァーナの1stアルバム。聴いていただくと分かるのですが、リリースされた年やまだ盛り 上がりを
                            見せなかった当時シーンではお金をかけられなかったこともあって、やっぱり迫力に欠けてしまう 音 です。
                            1フレーズたりとも 弾いてないギターのメンバーがスタジオ代を持ってきたというだけで名前をクレジット
                            されているという感涙 モノのエピソードもあるようですね(苦笑)
                            後にシャンペンとドラッグ三昧というロックスターな暮らしをする彼らの下積み時代とも言えるで しょうか。
                            でも、彼らに関するどんな文献を読んでも、ネヴァーマインドのリリースまでが一番「音楽をやる 楽しみ」に
                            満 ちていた時期であろうという結びがされていて、成功がもたらすもの、その副作用とも言えるジレンマも、
                            地元のシーンで流行 と無縁な「非産業ロック」を鳴らしていた彼らには人一倍だったのでしょうねぇ・・・。
                            そうそう、サブ・ ポップ で一時期、このアルバムのリマスタリング処置を施したCDの再リリース案が浮上した
                            ようですが権利関係で流れてしまった ようです。原盤の権利はサブ・ポップでも、新たに手を加えるとなると、
                            色々面倒なことが起こります。ボッ クスセットの発売の長期延期も法律的な権利問題が原因でしょうし。
                            (コートニーさん・・・ですかね・・・) もし、デジタル・リマスターされて音圧 アップ+クリア化で発売されたら
                            買うのは言うまでもないので、とても残念なんです が・・・。収録曲としてはデビュー曲でもあるショッキング・ブルー
                            のカヴァー「ラヴ・バズ」や、クラシカル・ロックなリフが炸裂する「ブルー」、ライブでやられ たら心臓が
                            止まりそうなほどの疾走感であろう「スクール」、当時のガール・フレンドにつ いて歌った「アバウト・ア・ガール」
                            (シンプルなコード構成にも関わらず名曲) などが聴きどころ。また後半は暴走に拍車がかか り、個人的に
                            一つのハイライトだと思う「ネガティヴ・クリープ」ですか。当時はドラッグど ころかアルコールにすら
                            染まっていなかったというクリーンなカート・コヴァーンの素の心の叫びと憤りが詰まったアルバ ムで す。
                              

                               

                       






                                        
   ニルヴァ−ナ 『ネヴァー・マインド』

                      
                    
※愛聴度 ★★★★★     ※購入価格:定価   ※中古購入予想:1300円前後(輸入盤なら千円切るかも)
                                            
                                ニルヴァーナが世界にその名を轟かせた言わずと知れたセカンド・アルバム。最近だとユニ バーサル
                               から国内盤が1500円で 再発されてるので、持ってない人はこの際、買ってしまいましょ う。一曲にして
                               彼らをロックスターのし上 げた伝説のナンバー「スメルズ・ライク・ティーン・スピリッ ト」を 収録。
                               MTVでのプロモ放送回数 歴代1位、「ティーン・スピリット」が米で売ってるコロンの名 称であることなど
                               有名な話ですね。(デマと いう説も多し。) 売れてからのカートは、この曲を演奏するのを極端に嫌がり、 MTV
                                ビデオ・アワードに出 演した際も、テレビ局側からの「スメルズ〜」の演奏要請を、ガンと押しのけ、「レイプ・ミー」を
                                                                     演る!と 言ってきかなかったようです。結局、「リチウム」で折り合いをつけた両者でしたが、「レイプ・ ミー」の
                                                                      さわりを演奏してから「リチウム」に行くという暴挙?をゴー ルデン・タイムにやってのけます。加えて、演奏終了後
                               クリスが空高く投げたベー スをキャッチ出来ず脳天に直撃!!というハプニングも あって、何度見ても
                               ハラハラする内容です。他 に余談として、「スメルズ〜」は、マイケル・ジャ クソンなどのパロディでも知られる
                               ア ル・ヤンコビックに取り上げられ、その出来にカートがブチ切れたという逸話があったかな(笑)

                                途中で牛の鳴き声が入ったり、お馬鹿全開の茶化しパロディなので当然といえば当然ですけど、個人的には
                               シリアスなオ リジナルとの差が妙に笑えました(笑) こちらも機会があれ ば聴いてみてください。

                               さ、話がどうにも一曲に偏 りがちですが、他の曲も触れずに終われません。まずは2曲目 「イン・ブルーム」。
                               PVが60年代風のモノク ロで、普段は「グランジ・ファッション」と言われるような小汚い?格好で知られる
                               彼らの太ぶち黒メガネ+ビ シっとしたスーツ姿がみれます。でもダークな歌詞と、PVの呑 気な演出の
                               「噛み合わなさ」はま さに愉快犯的。皮肉交じりのユーモアです。そして3曲目の「カム・ア ズ・ユー・アー」
                               これはキリング・ジョーク から「リフの盗用だ!」と訴えられ一騒動起きた曲だったかな。 ソースの文献が
                               見当たりませんが、「盗用 問題」が続発してバンドを悩ませていたのは事実のようです。こ れは非常にシビア な
                               問題だし、ここでとやかく 言う事ではありませんが、外野は抜きとして、この曲はベースと ギターの絡みに
                               「不快感」があって好きで す。 そこからアクセル全開の「ブリード」、倦怠感と爽快感が 紙一重に交錯する「リチウム」
                               短時間集中型パンク・ソン グ「テリトリ アル・ピッシング」、静から動へと劇的に展開す る「ラウンジ・アクト」、
                               (個人的に後半のハイライ ト曲!) シャウトの中にも歌心が見える「ステイ・アウェイ」 とたたみかけ、最後は
                               鬱世界の象徴「サムシン グ・イン・ザ・ウェ イ」から隠しトラックで発狂へ・・・と、こんな感じでしょうか。
                               うん。やはり楽曲自体が良 いのはもちろんのこと、演奏がうるさすぎ ずカートの渾身 ボーカルが生きたミキシング、
                               「メジャーなサウンド・プ ロダクション」こそが、本作最大の特徴なの は間違いないでしょう。
                               「売れ線に走った」と彼ら が属していた当時のアンダーグラウンド・シーンから総スカンを 食ったその原因でもある
                               のですが、「ブリーチ」の ような音だったら、ここまで大衆に浸透しなかったでしょうね。 彼らの演 奏、バンド
                               を取り巻く時代を含めた付 加要因、全ての歯車がガッチリかみ合っ たからこそ、このアルバムは生まれ、
                               メガ・ヒットとなり、後の 「グランジ・ブーム」に繋がった・・・。十数年経った今や「オ ルタナティヴ」(反主流)が
                               意味合いを変えてしまって いる気がしな くもないですが、「非産業ロック」が「産業ロック」に変わった時代、
                               それはニルヴァーナが鳴ら した「本音 の音」に多くの人が同調したその証拠なんだろうなぁと思います。
                               と、まぁ、ずいぶん長く御 託を並べました が、少 しでも興味を持った方、今まで食わず嫌いをしていた方
                               感性の舌でじっくり味わっ てみてください。ノイジーな中 に青く憂鬱なグッド・メロディが見つけられたら
                               きっと虜になってしまうは ずです。そして、最後になりますが、カート・コバー ンの「コバーン」は
                               (コヴェインとも言うか な) どうやらアイルランド系が祖先の姓らしく、カートも幼少時 代から母親の影響で
                               アイルランドやイギリスの 音楽に慣れ親しんでいたようです。最近、知った話なのですが、 彼の作った曲を
                               聴くと「道理で・・・」と ものすごく納得しました。他のアメリカのバンドとはちょっと毛 色が違いますよね。
                               やっぱり僕も音楽の好みは UK寄りなんでしょうか・・・。
                                
                               

                                                   






                

                                            ニルヴァ−ナ 『イン・ユーテロ』 

                    ※ 愛聴度 ★★★★     ※購入価格:1800円   ※中古購入予想:1300円前後(輸入盤なら千円切るかも)  
            
                               
                                「IN UTERO」、「子宮の中」という意味ですか。ジャケットの女性像は「ハート・シェイプド・ボックス」
                                のPVにも出てくるし、ライヴの際も、演出として使われています。グロテスクを売りに したバンドの
                                ホラー趣味のそれとは違い、カートの遺作となったせいもあるのか、もっと深い意味があ るような気が
                                します・・・。ソニック・ユースのサーストン・ムーアも言ってましたが、木から胎児が ぶら下がってる
                                ビデオなんて作っても単なるカルトに終わらないのは彼らがゆえって感じですよね。
                                で、このアルバムに関しては、ちょっと前まで、好きな曲も収録はされているものの、↑ の二枚のように
                                通しで聴こうとは思えなかったのが正直なところです。でも最近買ったブートレグを聴い て、
                                ハッとさせられたんですよね・・・・。狂い過ぎてて好みじゃなかった曲がやたらとカッ コいいのです。
                                やはり生粋の叩き上げバンド。ライヴの方が曲が生きるというのもあるのでしょうね。
                                前作の成功を素直に喜べなかったバンドが次回作に講じた手は、インディー一徹職人「ス ティーヴ・アルビニ」に
                                プロデュースを任せるという方法でした。(多少いざこざはあったようですが・・・)  詞の面でも「ネヴァーマインド」
                                より退廃感、過激さが増し、「
サーヴ・ザ・サーヴァンツ」は両親の離婚による不幸を歌い(メンバー3人共に
                                両親は離婚していたと記憶しています)、「レイプ・ミー」は、有名になった自分達を揶 揄したかのような歌詞・・・。
                                しかし、その反面、「ハート・シェイプド・ボックス」はコートニーへのラブ・ソングと もとれるし、娘フランシスの名の
                                由来でもある女優について歌った「
フランシス・ファーマー・ウィル・ハヴ・ハー・リヴェンジ・オン・シアトル
                                も収録。今までより、より内面を搾り出したかのような作風にシフトしていっています。 売上的には「コケた」
                                ことになっている本作。しかし未だに熱心な信望者も多いようです。「売れたからといっ て、なめられたくない」という
                                気持ちが、こういう轟音に駆り立てたのか。ただのリスナーの自分には想像もつきません が、次回作として
                                考えていた曲は「ヴァース・コーラス・ヴァース」や「ユー・ノー・ユア・ライト」を聴 いても、パーティーで口づさんだ
                                アバのようなポップなオリジナル曲という話からも、強力なアルバムになったに違いない と思います。これを
                                遺作にショットガン自殺をするカート・コヴァーンですが、彼の未知の才能が立ち消えた 事を考えると残念で
                                仕方ないです。最後に、近頃レコード会社がベストアルバムを乱発していますが、個人的 には聞くに耐えないです。
                                おすすめしません。不謹慎ですが、試聴してみて絶望に近いものを感じました。ブート 買った方がマシの気がします。
                               


                             





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