MAMALAID
RAG
♪ジャンルひとくちメモ♪
喫茶ロック (ビートルズ+オールディーズ+日本のシティポップス+大瀧詠一ヴォイス+歌うギター+喫茶店=ママレイド・ラグ)
ママレイド・ラグ 「ママレイド・ラグ2」
※愛聴度:★★★★ ※購入価格:2400円(社割) ※中古購入価格:
1500円(前作は千円台前半で見かけるのでこのラインで。)
しくじったなぁ・・・。愛社精神からバイト先で買いましたが、タワーレコード新宿店で買えばインス
トア・イベント
参加チケットが手に入った・・・。買わないと見れないですよね?当然ですよね?ちょっと問い合わせ
てみよう。
同職種のバイトの立場からこういうイベントになると色んな問い合わせが殺到するのですが、まさか自
分が
する側になるとは。まぁ、そんなことはどうでもいいんです。というわけで、ママレイド・ラグの
2ndの到着です。
前作から4年ですか。待ちましたねぇ。その間にミニアルバムがリリースされたりして、惑わされもし
ましたが
「どうしてもフル・アルバムで聴きたい!」という訳の分からない理屈で敢えて買うのは避けてきまし
た。
ひとくちに4年と言ってもコンスタンスに音源は出しているし、どこかの誰かとは違って(笑)引きこ
もってたわけ
ではなさそうですが(岡村ちゃんは9年ですが・・・)日頃毎週のように新譜を扱うのが生業の自分に
とっては
「1年ぶりとなるNew
Album!」なんてポップに書くのはザラなので、やはりリリースペースはゆったり目ですね。
営利第1のレコード会社としてはどうなんでしょう。ただ彼らの場合、「有機ポップス」と言われるぐ
らい、ハンド
メイド感溢れる「陶芸家」的丁寧な音作りが魅力的ですし、本来音楽製作にかける時間としてはむしろ
自然な量だとも
思います。当然、贅沢を言ってればキリがないですが、「作曲家がいて、アレンジャーがいて」という
世界とは違い、
彼らは作編曲をこなすバンドであるし、その上、ドラムの人が脱退+残るメンバー2人が宅録にのめり
込む(笑)
という「時間かかるループ」に入った影響も多かれ少なかれあるのかも。なにぶん自分の話で恐縮なの
ですが、
宅録はやってるとキリがありません。僕のレベルでさえ、あれはどうだこれはどうだと試行錯誤し、
ボーカル録り
だけで気付くとスタジオに5時間居たとかザラなんですよねぇ。参考にもならないので、話は戻しまし
て、確かに
この4年の中で流行の音楽もコロコロ変わっていきました。でも全人類の共通キーワードであろう
「ポップ」を求める
気持ちは、やはり揺ぎ無いものがあると言えます。MAMALAID
RAGのペースでその「ポップ」を突き詰めた結果が
このアルバムとなったのでしょう。では、まず簡単に彼らの紹介から。メンバーは佐賀出身の2人組。
元々、共に
ビートルズのコピーバンドをやっており、その影響の大きさは今作でも至る所で窺い知ることが出来ま
す。そして
シングル「春雨道中」でメジャー・デビュー。僕もこの曲で彼らを知ったのですが、何と言ってもいき
なりサビから始まり、
日本語とその醸し出す情景を大事にする詞世界、和洋折衷なメロディ。大瀧詠一を思わせるやや線の細
いボーカル。
品の良さがありつつも、ロック・バンドのダイナミックさも兼ね備えているので即座にCDを買い求め
たのを覚えています。
友達に聞かせた途端、「うわ!ビートルズじゃん!」って言ってたのも印象深いですねぇ。で、まず彼
らの特徴として
挙げられるのは、難解なコード進行をポップに響かせる「XTC」的要素かと思います。かといって、
他多くの「捻くれ
ポップス」と呼ばれる部類ほど意図的、形式的(捻くれてるって事自体がもはや形式的なような気がし
ます。)
ではなく、耳に残るのに単調にならず奥ゆかしさがある程よいポップのさじ加減。それと1stからブ
ルースやボサを
絡めてきたり、新作ではジャム・セッション、はたまたヴィブラホンを使った(この音色大好きなんで
すよね・・・。)
ジャズ・インストを収録したりと、フットワークの軽さ、それらを凌駕してポップスを形成してしまう
裏打ちされたセンス。
定型をなぞることは出来れど、上手く混ざってないというか消化しきれてないと感じてしまう音楽は多
々あるかと
思いますが(この場合、僕は違った意味でのイージー・リスニング過ぎると感じてしまいます。)その
点MAMALAID RAGは
マニアックさを感じさせつつも、柔らかくポップで聴きごたえのある音楽に仕上げていると思います。
やはり1stの
時からそれぞれの楽器の鳴り方から、要所要所で楽器に歌わせたりと見事なまでの完成度と演奏と声の
一体感を
感じていましたが、楽器1つとっても、物凄いこだわり持っているのが容易に察しがつきます。また
ボーカルの田中さんは、
ここ1年位前に富田ラボの楽曲にゲストボーカルとして呼ばれているのもあり、ラボさんはジャズや
フュージョン畑の
人ですから、音楽理論や機材、今作での彼の創作にスパイスになったかもと想像しています。と・・・
やたら長文書きましたが、
とりあえず過去の4年間に温存されたシングル曲、人気曲が目白押し(曲目見て驚きましたもん)全編
通して聴いても
前作よりかなりスケール・アップ&4年間の凝縮音源がたっぷり入った新作です。ただ、中間の数曲が
あってオリジナル・
アルバム然としてますが、やはり聴いてみた印象だと「カレンダー」「レイン」「ふたりで目覚めた
ら」「銀の爪」「そばにいたい」
「きみの瞳の中に」「消えた恋」どれもシングル・クオリティorシングルの既発音源ですし、なかば
「グレイテスト・ヒッツだな。
これは。」と感じました。それくらい充実した内容ですが、いきなりこれを出されれば「凄過ぎ
る!」ってなりますが、
言わば4年間小出ししてきた集大成とも取れるので、ほぼ全部揃えてるコアなファンな方にはどうなん
でしょう?中途半端に
持ってる自分には嬉しい限りなんですが・・・。ミックスが違ったりヴァージョン違いでもあるので、
ファンの方も納得ですかね(笑)
あぁ・・・なんか一番大事な曲自体についてほとんど触れないまま書き終えてしまった気がしま
す・・・。ドコモ九州のCM
ソングに起用されたとかそういう話もあるんですけど・・・。これ以上長いと読むのもダルそうなので
控えますね(苦笑)