THE LIBERTINES

                                                        ♪ ジャンル一口メモ♪ 知性のある労働階級パンク (パンク+伝統音楽+知性+労働階級出身=リバティーンズ)




                                              ザ・リバティーンズ 『リバティーンズ 登場!』

                                  
                     ※ 愛聴度 ★★★★★    ※購入価格:定価   ※中古購入予想:1500円前後(輸入盤は千円切るけど・・・・・)

                              興味がある人は、このCDを買うなら絶対!国内盤にした方がいいで す!
                        
なぜならリバティーンズのデビューシングル「ホワット・ア・ワスター」 が ボーナスト・ラックで入っているからです。
                           このシングルは タリバンへの言及が問題になって発売禁止措置まで受けた代物なのですが、最高に カッコいい!
                           私自身は、ガレージロック最盛期の中、それと相対するように少し前から流行っていた「ラップ・メ タル」を中心に聞いていました。
                           よく行くCD屋の視聴機に入っていたので視聴はしてみたのですが その視聴機の音質が悪い上にガ レージな音ですから
                           ロクに聴かずに「何だこりゃこんなん流行ってるのか?」程度の印象しか持っていなかったのです。
                           しかし縁あって 私にこのバンドの曲を何回も聞かせてくれる人がいまして、半ば洗脳?に近い感じ で、このアルバムの収録曲
                           「アップ・ザ・ブラケット」を気に入り、CDを買う機会にめぐまれました。今考えると、本当にい い意味で影響を与えてくれた人だと
                           感謝しています。まぁ、ラッキーなことに国内盤新品が1800円で期間限定発売?されていたのも あるんですけど(笑)

                           CDを買って以来、聞き込みまくりました。ほんとにこのバンドを知ることが出来たことに、ロック を聴いててよかった・・・と感じたのを
                           記憶しています。というか今でも そう思っています。
                           そして原宿アストロホールで、このバンドを見るという自分にとって歴史的な出来事がありました。
                           っていうか、初めてのライヴ経験がこのバンドです。 手が届きそうな距離に「ピーター」がいるの です。
                           演奏は決して上手じゃなかった。私でも分かるくらい上手じゃなかった。でも、そんなこと些細に思 えるほどこのバンドの
                           全てが カッコよかった。あれから、何度か他のバンドのライヴを見ましたが リバティーンズが一 番楽しめたし、どのバンドよりも
                           行ってよかったぁと心底思えるショウでした。

                           音的には パンクです。誰の影響を受けたかとか、どのバンドの音に近いとかはパンク自体あまり聴 かないのと勉強不足で
                           よく分かりませんが、明らかにそのソングライティングは非凡なものを感じます。人を惹きつけるも のを感じます。
                           ピーターのインタビューにもあったように昔祖母が歌ってくれた伝統的な音楽や パブで流れるよう な音楽の影響があるからこそ
                           ここまで多彩な曲作りの引出しを持てるのでしょうか。
                           個人的にパンクをあまり好まなかった理由は、音楽的な楽しみがないと思い込んでいたからでした。
                           精神性や早いビート、攻撃的なギターをかき鳴らして、叫ぶ。メロディがほとんどない。ただ、叫 ぶ。(好きなバンドもありますが、、、)                                                     
                           このバンドは精神性を持ち合わせていますが、フラストレーションだけで音楽をやってるわけではな いと思います。
                           そして最も強力な「メロディの良さ」と「多彩さ」いう武器があります。何度も問題を起こしバンド 存続の危機の話をちょくちょく
                           聴きますが ずっと応援していこうと思います。そして この最強のファーストアルバム、無人島に 持っていきます。



                                          ア ルバムに入っていない曲を収録したEPも買って損はないと思いますが「
Don't Look Back Into The Sun」 
                                                   という、名曲シングルも発売されています。ま たピーターがやってる別バンド「ベイビーシャンブルズ」も
                                                   近々CDが出るようです。ぜひ!






                                                                                                   ザ・リバティーンズ 「リバティーン ズ革命」


                     ※ 愛聴度 ★★★★★    ※購入価格:職業上の特権(笑)   ※中古購入予想:1800円くらいかな(まだ見ないですね。)


                              お騒がせといえば「t.a.t.u」。いや、俺(私)にとっては「THE LIBERTINES」だ!!という人いる
                                   でしょうね。という、なんとも下世話な話から始まりますが、とにかくジャケット右側の超問題児
                                   「ピーター・ドハッティ」の奇行にどれだけの人が冷や冷やさせられたことか・・・。突然のバンド
                                   脱退宣言からカール(ジャケット左)の自宅への不法侵入&窃盗、ヘロイン中毒や更正施設からの
                                   脱走、挙句はナイフ所持で御用・・・・。もう社会不適合者としか言いようがない不祥事の連続。
                                   ギグのばっくれは日常的だし、子供が出来ても少しも落ち着きを見せない。ないないづくしの彼と
                                   いう時限爆弾を抱えながら苦しみながら生み出されたであろうリバティーンズのセカンド・アルバム。
                                   プロデューサーには元クラッシュのミック・ジョーンズを迎え、ほとんどが一発取りでRECされたと
                                   いうある意味では迸る衝動を真空パックにする最良の手段もとった作品でもあると言えるのかな。
                                   でも、これで良かったのだろうかっていう疑問が俺には残りました。それはまるで自分の誕生日に
                                   出産を無理やり合わせるために未熟児を体外に出すような(これはジョン・レノンがやったことですが、、、)
                                   なんというか「まだ成長しきってないもの」をリリースしてるように感じました。レコード会社の要求や
                                   カール他バンドメンバーのセカンド発売へ焦り、そんな声もあるんだろうけど個人的にはもう少し「成長」が
                                   欲しかったように思いますね、、、演奏は相変わらず粗いし、曲も出来たものを詰め込んだって印象を受けるし
                                    全体的にカールの孤軍奮闘ぶりが目立ってる気がします。「それがパンクだ!」「リバティーンズだから許せる!」
                                   っていうのももちろんあるんだけれども、安易に逆説的に愛すよりも、永久的に残るセカンドアルバムだから
                                   こそ、あれだけのファーストをリリースしたバンドだからこそ、こんなデモのような作品よりももっと最高な
                                   作品が作れたのではないか?と、しょせん聴く側にしかなれない自分は思ってしまうわけです。
                                   一曲一曲の素晴らしさは期待を裏切らない最高の出来だし、繋がりだって絶句するほど素晴らしい。
                                   だけど、その「未完成」が素晴らしければ素晴らしいほど、その「完成」に思いを馳せてしまいます。
                                   今作にも充分な魅力はあります。最高にスリリングだし、ピーターとカールのボーカルの掛け合いの
                                   トラック@を中心に切なささえ感じる曲群。作りこんでしまったら失われるものだってあったでしょうね。
                                   でもこのアルバムを諸手を挙げて大絶賛する気にはどうにもなれないな・・・・。まるで失われた両腕を
                                                                             見る側の想像に任せた「ミロのヴィーナス」のような作品だと思います。そしてピーターがヘロインに依存
                                   している限り彼らの言う理想郷「アルカディア」への到達は遅れてしまっている気がしてなりません。





                                      ロック&ポップスのページに戻る