JAMIE LIDELL
♪ジャンルひとくちメモ♪ 超個性派エレクトロ・ソウル (ワープレーベルお墨付きの電子音+生音+奔放ボーカル+ぶっ飛
んだパフォーマンス=ジェイミー・リデル)
ジェイミー・リデル 「Multiply」
※愛聴度:★★★★
※購入価格:1400円(中古
輸入盤) ※中古予想価格:
1500円
プレフューズ73を見出したり、最近では初のギター・ロックバンドとなるマキシモ・パークとの契約や、旧来の
音楽性だけに留まらず、様々な領域まで侵食を続ける英老舗テクノレーベル「WARP」です
が、そんな中でも
彼のアルバムは最新鋭のエレクトリック・ソウル・ミュージックと呼べます。まず彼自身、オーティ
ス・レディングや
プリンスをフェイバリットに挙げる所からも分かるように、特筆すべきはその「歌心」。
ヒューマン・ビート・ボックスや
サンプリングを駆使し、自身のテクノユニット「Super Collider」でも見せているアクの強い電
子音とボーカルが
絡み合うそのグルーヴは、まるで人間VS機械の真剣勝負のよう。また疎かになりがちな楽器の
生音感覚を大事に
している点や、下敷きである曲そのものが純粋に良いのも特徴。ソウル・R&Bファンにも充分
アピールできる
クオリティと言えるでしょう。ライヴ・パフォーマンス1つとっても他に類を見ない超個性派の彼ではあ
りますが、
若い世代はもちろん、プリンスやスティービー・ワンダーも新譜を出した今、彼ら世代のリス
ナーにも是非ぜひ
聴いてもらいたいアーティストです。面食らうこと間違い無しですよ!特に「When I
Come Back Around」「NewMe」の
ビート感覚、快楽性の高さ、「What's The
Use」でのトラックとの一体感は圧倒されます!それにしても通常「レーベル」と
いう括りにしてしまうと何処を切っても同じな「金太郎飴」的イ
メージや、良い意味でも悪い意味でも「レーベル色」があって
然るべきだと思いますが、そんな中「WARP」は上記に挙げたグループの他にも「ブロード
キャスト」「ボーズ・オブ・カナダ」、
最近の注目株だと「バトルス」を抱えています。古くだと「エイフェックス・ツイン」ですか。これだけ多彩な顔ぶれながら、
従来の「踊るためだけではないものを」というコンセプトはそのままに、新たなムーブメントを
作り出すブレる事の
ない着眼点は、見事の一言に尽きるし、それこそが世界最大インディーズ・レーベルたるが所以
なのでしょう。
そしてついに「!!!」や「マキシモ・パーク」で本格的にロックのフィールドま
で進出を果たした「WARP」。
これからどんなアーティストで僕たちリスナーの度肝を抜いてくれるのか、一刻も目が離せませ
ん!個人的には
「ドミノ」、「ラフ・トレード」、「サブ・ポップ」なんか有名どころと並行して、かなり要
チェックしているレーベルです。