「怖い話し」

昨日のことである。
かなり久し振りに、三浦半島三崎方面へ散歩に出かけた。
前日にオマールちゃんがパンクしてしまったので、素直に不二ちゃんで出かけた。
もっともお散歩は不二ちゃんの方が向いている。わき道にそれるのも安心だ。
前日までの快晴とはいかなかったが、風もなく気分良く出かけた。
途中、時節柄道路工事が煩わしかったものの、クルマは少なく爽快に走れた。

海岸沿いの道をテレテレと走った。風はないが日陰はやや空気が冷たい。
(テレテレというのは一般的な表現で、私自身は結構飛ばしているつもりだ!)
それでも、先日ハンドルカバーを装着したので、手が痛くなることもなく快適だった。
が、徐々に髪の毛が逆立ってくるのを感じたのは、例のコーナーの手前だから、か。
急にオマールちゃんがパンクしたことなんぞを、思い出したりしながら進んだ。
かなり大きめのレイのカーブミラーのあるレイのコーナーである。
以前、話したことのある「亡霊ワゴンのうつるミラー」だ。
うつっていたので警戒して廻ると、ナニもそこには居なかったのである。
でも、前回10月に通ったときには、出なかった。
かなり意識してコーナーを抜けたが、ナニもうつらなかった。
では、春に、最初に見たアレはいったいなんだったのか?
そう、思っていた。

ヘルメットの中がゾゾゾとするのを覚えながら、コーナーの手前の直線に出た。
お、あれだ。
幸い私の後ろには後続車はない。
減速しながら、ミラーを注視しながら、近づいた・・・・

ぅおっ!!
げげげ、で、出た。うつって、居る!!

一瞬、背筋がこわばり、私は凍りついた。
ホンダなんとかフウ、白いワゴンが、、停まっている。不自然な角度で!
なんで、また。出てきやがった。俺は、、、私は怖いのは大嫌いなのに。
大人しく単車転がしてるだけなのに、なんの恨みがあるんだ。
そろそろ、視線をそらさなければ曲がれない。いや、今日は速度を落としている。
徐々に、殆ど歩くような速度になっていった。私は固まったままだ。

ぅうう、おや??
ナンだ?うつっているワゴンの脇に塀がある。そこは岩肌のハズだ。
その塀、、、あぁっ!?
ややピンク色の、ソレは、私の左側に続いている塀のように見える。
そうだ、あれはコノ塀みたいだ。
その塀がきれたとき。
あ、白いワゴンが。

私は、その例のカーブミラーの直前付近で、一気に力が抜けた。
ミラーの角度が分ったからだ。
ワゴンは、あのときも間違いなくうつっていたのだ。
ただし、それは私の左側から。つまり廻っていく右コーナー側ではなかったのだ。

右コーナーの手前には、良く見ると建物があり、駐車場の入り口があった。
カーブミラーはその駐車場から出るクルマのためのモノだったのだ。
それにしても、大きさといい見かけといい、とてもそうは見えない。
このコースの、何ヶ所かある別のカーブミラーと、ほぼ同じものが同じ感じで立っている。
まして右コーナー側を意識して、通常の速度で廻っていけば、そうとは気づかない。
これでは、うつって居たモノと、コーナーから出てくるモノが違うのは当然だ。
とんでもない錯覚だが、勘違いするのは私だけだろうか?
そりゃあクルマが、不自然な角度と位置にうつっているのも当たり前、だ。
おそらく、駐車場側から見ると一番重宝な位置なんだろうが。

なぁーんだ。と、思いながら加速して、私はコーナーを抜けた。
力が抜けているのと、減速が十分?なので楽に廻れた。
なんだか、憑き物が落ちたように、スルスルといつもの道を進んだ。

引っかかっていたモノが取れたということか。
実は昨年の夏、何度も早朝にお散歩しようと思いながら止めていたのは、
その例のカーブミラーがあったからなのだ。

あはは、年明け早々、ヤクが落ちたのかも知れない。
やれやれ。