「ヨイヨイ?」
7月6日早朝、突如体調不良に陥った。
元々頑強なわけではないが、それほど軟弱でもない。まぁ普通だ。
最近、頭痛が多少あったが、言っているほど気にしているわけではなかった。
が、その日の朝はちょっと気にしないわけにはいかなかった。
床から起きあがると、右手が痺れていた。またか・・・。
夜中に手足が痺れるのは珍しくなかった。血行不良である。
筋肉疲労などがあると、寝ていて痺れがきれるのだ。年中ある。
手などはブラブラになるし、冬には冷えきってしまうこともある。
それでも、寝たまま姿勢を変えるだけで、すぐ元に戻るのである。
階段を降りて便所に入る。やれやれ、と思っていた。
朝飯を食べた。食わないと1日元気がでない。やる気も出ない、大損した気分になるからだ。
そこで、いよいよ変なのに気づいた。お茶が飲めなかった。
マグカップが持ち上がらなかったのだ。力が萎えている。
おかしいのは右手だけだ。箸は使える。が、どうも普通ではない。
試しにハンドグリッパー(40kgのヤツだ)を握ってみる。ゲッ!?
握力がゼロ?しかも握ろうとしても手首があらぬ方向に捻れるだけである。
右手の腕力がない。おまけに手の甲から指先の感覚が殆どない感じだ。
そんなにイツまでも痺れがきれているはずがない。
今までにない感じの不調である。冷や汗が出てきた。
身体の片側だけ麻痺が来るのは、危ない場合が多い。らしい。
一応会社に出て、上司に「オテテをぶらぶら♪♪」をして見せてから、病院へ行った。
会社は病院への通り道にある。だから、寄っただけだが。
脳神経外科に申しこんだ。2週間程前に、少し気になる頭痛があったから、そうした。
受付の女性は私が好みのタイプだったらしく「紹介状あり」の扱いにしてくれた。
そんなはずはないが、幸運なことに、何かの手違いで「あり」になり、すぐに診察してもらえた。
問診の後、MRとかいう検査を受けた。要は脳から頚椎の断層撮影、縦切りと輪切りの写真撮影である。
結果はすぐ出た。もうバレていたが「紹介状あり」扱いのままである。ははは。
医師はしばらくの間、PCの画面で私のガイコツの写真を伸び縮みさせていたが、やがて。
「なんか、こう、コの辺りに乗せて寝ませんでしたか?」
何を突然、ニヤニヤしながらいいだすのかと思ったが、腕枕をさせなかったか?と聞いているようだ。
そんな、イイ思いは最近とんとない。こら、真剣に診察しろ。と、思った。
腕枕をさせて寝ると、一時的にそういう症状になる場合があるらしい。が、身に覚えはない。
それでも確かに、ヨウジで突ついても、指から手首にかけて感じがない。
「脳や頚椎に、この症状の原因はないから、神経内科へ紹介しましょう。」
午後から隣の神経内科に回されることになった。
結局、神経内科では血液検査と胸?のレントゲンを指示されたのみだった。
「お酒!沢山飲むでしょう?えっ、殆ど飲まない。おかしいなぁ?」
「血液成分かもしれませんが、結果が出ないと分らないです。ビタミン欠乏、とかです。」
「うーん、酒の場合が多いんだけどな〜。」
私は「ノンアルコール中毒」らしい・・・・。
その日は、何も判らなかった。つまらない1日だった。それに・・・。
おかしい、医者と言えばいつも女医さんだったはずである。
今回はドッチもオジサマ?だった。
おまけに血液採取のオバサマは、とても事務的で恐怖を感じた。
まぁ、毎日毎日血ばかり抜いていたらドラキュラ並になってしまうのは無理もないか。
とにかく、イイ気持ちになることなど全くない酷い1日を過ごした。
痺れの原因も判らないまま帰宅した。
クスリは2種類貰ったが、ビタミン剤だった。
3日ほどで握力は戻り始めた。指の感覚は鈍いままだ。
筆圧が少なくて字は上手くかけない。
キーボードは打てるが、左右の速度が釣り合わなくてヨレヨレ。参った。
ヨイヨイである。なんとも情けないことになったものだ。
ブレーキが握れそうだから、シェルパに乗ってみた。SVは修理に出ていた。
なんとか支障なく乗れた。バイクに腕力が要らないのが十分に理解できた。
先日、検査結果が出たので神経内科の医師の話を聞いたのだが。
結局、血液検査もレントゲンも異常な所見はないという説明を受けた。
握力も8割方戻った。元々60kg弱はあったから生活に支障はない。
腕力もバランスが戻ってきたから、ほぼ正常なようだ。
問題は「感覚」である。神経の不都合だろうが・・・・。
親指、人差し指、中指の痺れが回復しない。かなり痺れることもある。
「脳、頚椎、血液、胸の骨に異常はないので、徐々に回復してくるはずです。」
だ、そうである。
最後に受けた筋電図検査の結果が明日出る。
あんまり期待出来そうもないし、オジサマと話してもツマンナイので気が進まないが。
とりあえず医師の説明を受けようと思う。
実際、生活にあまり不自由はない。感じないのだから痛いわけでもなし、どうということはない。
バイクにも無理しなければ乗れるようだ。
酒は、元々控えていたが正式にとめられてしまった。飲みたくないから構わない。
原因がハッキリしないのが、気分的にスッキリしない。
ただ、それだけのことである。
精神的ストレスか?・・・ならば、原因を取り除くのはチョット無理そうだ。ははは。