「交通ほうき」

いろんな国があるものである。
国情、民族性が違うから当たり前だが・・・。

それにしても驚いた!というより笑った。

某国(その1)

あまりポンコツは走っていない。立派な国だ。
市内観光に出掛けた。ショッピング中心だ。
たった10名のツアーなのに大型バス貸切り。
昼間から飲んでいるから、ボーとしながら外を見ている。

夕方、やはり交通渋滞がある。世界共通かも知れない。
この国の道路は綺麗だ、良く整備されている。
片側4車線の道も多い。それでも渋滞する。

バスはさっきからノロノロと走っていたが。
いよいよ遅くなり、ほとんど停まってしまっていた。
綺麗なお姉さんでも居ないかと、歩道ばかり見ていたが。
ふと、視線を下げると、なんだぁ?こりゃ。

バスが動くわけはない。動けないのだ。
なにしろ道路幅いっぱいにギッシリと車の列が出来ている。
渋滞し始める。ちょっと隙間があると車を突っ込む、のである。
入りきれる「台数分だけの数の列」が出来てしまうのである。

「大人しく並んで待つ」なんて感覚はないらしい。
早い者勝ちなのか?自分勝手なのか?とにかくガンガンいくらしい。

「いつもぉ、こうですょ。」現地のガイドが言う。
「なんか変ですか?」といった表情だ。(変だぁ。かなり変だぞぉ!)

5列になったり、6列になったりしながら、トロトロと進む。
交差点はどうなってるのか?どうやって右左折するんだ?
やれやれ、いつになったらホテルに着くのだろうか。
呆れたから、寝てしまった。


某国(その2)

国というより島だ。島といってもそんなに小さくはない。
まぁ独立国家だから国だ。
もともと椰子の木しかなかったらしい。そこに砂糖キビ畑を作った。
砂糖キビしか出来ない。あとは観光産業だけだ。
観光バスだけ最新型だ。空港とホテルとの連絡用だ。
あとは酷い。トラックなんか走るのが不思議なヤツも多い。

街まで買い物だ。フロントで車を頼んだ。

マシなのが来た。ドアがちゃんと付いている。
ココに来てから見かけた中では抜群だ。
日本製高級セダンだが、いつごろの年式か?
まぁ日本では、もう走っていないようなモデルである。

道はビックリするほどイイ。おまけに交通量が少ない。
ワインディングロードだ。単車で走ったら気持ち良さそうだ。
で、当然飛ばす。とにかく飛ばす。速度制限のプレートなんて、ただの飾りだ。
車はコレである。ボロくはないが旧い、大丈夫かぁ?
熱い国だが、とても背筋が涼しかった。

そういえば信号がない。
交差点がないわけではない。
交通整理する必要がないのだ。

交通法規なんて知らなくてもいいのだ。

「事故?あります。多いです。よく死んでしまいます。」
と、言う意味のようなことを英語で言っていた・・・・。
あの速度で、出会い頭とかだったら、そうだろうなぁ・・・。

でも、単車は1度も見かけなかった。
熱すぎるのか?


某国(その3)

市内を走る車の量が多い。活気がある。
各国製の高級車が走る。なんでも走っている。
ドイツ車、アメ車、日本車。ピカピカなヤツがブンブン走る。

バスとタクシー?、乗合の車は、すっ凄いぃ・・・落差が激しい。
ボロボロのガタガタである。スクラップのようだ。
それが寿司詰めで動く、まるで這っているようだ。

貧富の差がそのまま、乗り物に現れている。
バイクも同じだ。
ハーレーからYAMADAのポンコツまで一緒に走っている。

やはり観光バスに乗った。
車の量は多いが、市街でも日中のせいか渋滞もない。
バスは快調に飛ばす。下道なのに高速道路のようだ。

?おや。
交差点を通過したとき、疑問を持った。
道路はイイ。立派な信号。交通標識。大都市だ。

一度も交差点で停まらないのである。はて。
標識の意味は判らない。信号の色は変化している。でも。
ドノ色になっていても、そのまま通過しているのである。

不思議に思って、現地ガイドに聞いた。
ガイドはしっかりした日本語を話す。NHKのアナウンサーみたいな。
「信号?誰も守りません。だから停まると危ないです。」
「一度停まると走り出せなくなります。」
「歩行者?ですか。道路は渡れますよ。大丈夫です。」
さらりと答えた。ホントかいなぁ。

優先道路だからというわけではないのである。交差点だ。
車はフェラーリからボロトラックまで雑多だ。
リッターバイクから原付?までゴチャマゼに走っている。
なんか、凄く怖くなってしまった。いいのかそれで?
信号を守らないんだから、その他の規制も守るわけがない。と思う。

「事故?ですか。多いと思います。でも誰も困りません。」
「取り締まり?捕まえたりしません。皆んな捕まえないとならないです。」
という答えが返ってきた。現地ガイドの言葉である。


いつ頃?何処の国?のことかは書けない。
ご想像にお任せする。

我が国は平和だ。
かなり、マトモな人々が住んでいる。
ずぅっと平和であって欲しい。そう思っている。

おしまい。