「元、白バイ?」
ようやくミキワメを貰った。あとは卒業検定だけだ。
土曜日曜しか教習には来られない。仕事がある。
私はいつまでもウロツイテいるので、よっぽど出来が悪いと思われているようだ。
確かに、出来が良くはない。
8の字がマトモに回れなかったりして二時限余計に乗った。
検定の前日、土曜日に自由練習した。
「何処でミスっちゃったんですかぁ?」。やっぱり検定を滑ったと思われていた。
「いやぁ、明日が1回目です。落ちて・・ないですよぉ。」
まぁ、次の日落ちるかもしれないから小さい声で答えておいた。(・・くそたれ!)
検定当日は、あれまぁ、久し振りに良い天気。
まったく、天気には見放されていた。これまで殆どカッパを着て走っていた。
キャンセルすると次は1週間後だ。21世紀まで通う羽目になる。
風邪をひいても通った。そのせいで会社を休んだが・・ははは。(仕事はど〜した。)
車庫でゼッケンをもらった。「2番」。検定はたぶん2番目だ。
今日受験する普通2輪は6名だ。大型は10名以上いる。
現れた。検定員さん、割りと年配だ。元白バイ?といった感じだ。
「ハイ、今日は2コースで検定します。覚えてますね。」
私の目を見ながら言っている。はて?
「コースが分からなくなったら、手を上げてください、ね!。教えますから。」
「ねっ。」って、私の方向いて。大丈夫ですよぉ。2コース好きなんだからぁ。
「ただし、コースに戻る時も審査の対象になりますから注意してください。」
「最初のところ、指定速度40km/h。ちゃんと出してください。」
「一本橋落ちたら中止。パイロン倒したら中止。お終いですから、ね。」
分かったけど、だから何で私に向かって言うの?よおっ?。
「急制動。転倒したら中止。停止線越えても中止。速度出てないと1回だけやり直し。」
「あっ、そうそうクランクは足つき1回はいいですよ。2回目から減点。」
・・・・。
「いいですかぁ?減点させてくだいねぇ、減点。中止はつまらないからね〜っ。」
はいはい。良っく分かりました。もう、落ち着いてたのに血が上っちまうぅぅ〜。
「あ〜、今日はイイ天気。こんな日は2度とない。これから寒くなると大変ですよ〜ぉ。」
「身体は硬くなるし、手なんかカジカンじゃうとねぇ。受かるもんも受からない!ですよぉ。」
駄目押しだ。なぁにが「あ〜、イイ天気・・」だっ。(どえぇぇぇ〜い!!)
とうとう最後まで、私の目を見て説明した。勘弁してくれぇい。
落ち着けぇ。アがったらどうにもなら〜ん。落ち着けぇ〜っ。
ちぃと、見回して。・・・はぁ〜ん、分かった・・・なるほど。
オッチャンは私だけだ。そ〜か、そういうことか。・・・上等だぁ。
理由が分かれば良い。妙に落ち着いた。
開き直って走った・・・・。が、失敗した。
その1。クランクで足つき1回。
その2。スラロームでギア抜け。1速に落として通過。遅かったぁ。
辛うじて中止にはならなかった。
私の後、3名続けて「中止!?」・・・どうしちゃったんだろう?
30分ほど待って発表だ。発表は大型も一緒になる。いやな時間だぁ、早くしてくれ!。
発表前に、「中止」や不合格の人達が呼ばれる。んだけどぉ。
私は・・・呼ばれなかった・・ははは・・受かったようだ。
「え〜、3番さんは、ああ、坂道発進。2速じゃ無理だねぇ。教えて上げたかったけどね。」
「4番さんは、一本橋。落ちちゃったぁ。速くてもね、いいんだけど・・・減点で。」
「5番さん、S字で脱輪。本人は気づいてない。速すぎるんだよねぇ。曲がりきれない・・・。」
「中止はしょうがないなぁ。聞いてナイんだよねぇ。私のいうこと・・・。」
「○○さん(6番)良かったねえ。今日は合格、おめでとうございますぅ!!」
「竹下さん、免許取ってながいから、貴方は大丈夫でしょう。ああ、クランクは失敗、したね。」
何が大丈夫か良く分からないけど、まぁいいや受かったから・・・ありがとうございました。
元??さん。結構ぉ、イ〜イ人みたいだなぁ。・・・受かったからそう思うのかなぁ・・・。
「あっ、そうそう、大型の人。バイクは何買うの?・・もう決めてるンでしょう?」
「いいなぁ、いいなぁ。メーターに300とか書いてあるんだ。これがまたぁ。」
「えッ?何?違う。ウソ〜言っちゃいかんよぉ。嘘は。わかるんだからぁ。」
「デカイのもね。気をつけないと免許すぐ無くなっちゃうから、ね!!。」
「あ〜、○○君(1番)。キミだよ。キミ。学科受けて道路初めて出るんでしょ?」
「・・・ココと違うよ外は。気をつけてね。」
結局、普通2輪6名中3名合格、その内1名は受験2度目だ。
思ったより受からないものなのか?
あの3人、私より、どう見ても上手に乗っていたのに。落ちてしまった。
大型は2〜3名落ちただけだ。そんなもんか?
後から思った。
確かに、最初に普通2輪を取ると公道は初めてだ。
教習所で、たった10数時間走っただけで。・・・・・。
400ccクラスで乗り出しても、誰にも何んにも言われない。
怖い思いするかもねぇ・・・気をつけて、ね。