音楽って本当に素晴らしいと思う。元気の出る音楽、悲しいときや辛いときに励ましてくれる音楽、しんみり心が落ち着く音楽、勇気が出る音楽・・・音楽っていろんなシーンで活躍するんだね。
 ひと口に音楽といってもジャンルが沢山あって、好みも人それぞれ。でも、自分のお気に入りの音楽って皆に聞いてもらいたいんだよね。それでその音楽を好きになってくれた人がいたら、本当に嬉しいなぁ、自分の作ったものじゃないのにね。
 兄いはどんな音楽が好きですか? おいらにコッソリ教えてね。

01. 14, 2008



Flavor Of Life
宇多田ヒカル

2007年日本


 最初に申告しておかねばならないことがあります。ファンの方には申し訳ないのですが、おいらは宇多田ヒカルが好きではありません。まず、何と言ってもあの掠れたような声が嫌い。聴いていると、今にも声が果ててしまいそうでハラハラします。曲の方に関しても・・・これまで、いくつか彼女の作品は耳にしました(というか有線放送等でイヤでも耳に入ってくる)が、全くおいらの心には響かなかったんですよね。
 ・・・と彼女のことを否定してばかりですが、小さい頃から音楽と触れ合ってきたそのキャリアとか、無名時代におけるアメリカでの音楽活動の実績とか、日本デビューとともにR&Bをメジャージャンルに押し上げた功績は本当にすごいと思っています。アイドル歌謡曲一色だった日本の音楽界に一石を投じた立役者のひとりであることは間違いありません。1999年に発売されたファーストアルバム「First Love」は国内で800万枚以上を売り上げたそうで、この驚異的な記録ひとつをみても、彼女の音楽は国民の多くの世代に受け入れられたことが分かります。
 ところで、今回ご紹介する彼女の作品ですが、2007年第1弾シングルとしてリリースされた"Flavor Of Life"です。この作品は、マキシシングルに同時収録されている
バラード・ヴァージョンが人気TVドラマ「花より男子2」のイメージソングに使われ話題にもなりましたね。これまで、宇多田作品には何の興味も湧かなかったおいらですが、この作品はスポンジに水が滲みこむような感じでおいらの中にスッと入ってきました。オーソドックスながら切ない心情が見事に表現された曲調と、恋する者のストレートな気持ちを彼女特有の言葉で綴った詞とが上手く融合しています。
 この曲が街角に溢れていた1年前、おいらはある人に恋をしていたんだけど、その人は仕事の関係で遠く離れた場所に旅立つことに・・・結局、好きだということも伝えられないままでした。自分の気持ちを伝えられなかったことに後悔しましたね〜こんな経験は何度かありますが、何か勇気が出ないんですね。友達とかには「後悔しないように行動した方がいい」とかアドバイスできるのに。おいらがこれまで耳にしなかった彼女の作品を今でも時々聴いているのは、そういう経験とこの曲がリンクしたからなのかも知れません。
 
さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い・・・この作品の歌詞の一節にあるように、恋する心はなかなか自分でコントロールできません。恋する心は長く苦しみを引きずる場合もあります。でも、"人を想う"ということは本当に素晴らしいことですし、その気持ちを大切にしたいと思っています。

 何か柄にもなくシンミリしてしまいましたが、このコーナーも今回をもって最終回となります。長い間、おいらの勝手気ままな独り言にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

Copyright(c) EMI Music Japan Inc.

12. 31, 2006



月蝕
まりこ

2005年日本


 今回紹介するアルバムですが、パチンコをやらない方にはこれまでこれに巡り会う機会はほとんどなかったのではないかと思います。そう、このアルバムに収録されている曲は、パチンコ実機「CRF 花月外伝(SANKYO)」シリーズで使用されている音楽。実機では、純和風の自然美を追求した見事な液晶演出のみならず、音の分野でも"和の雅な世界"を見事に表現していました。
 このパチンコ台、おいらの近所のホールでは随分前に撤去となりましたので、現在、実機をプレイすることはできない・・・本当に残念です(パチンコ台の寿命って本当に短いんです)。全国のホールにはまだ現役で頑張っている実機もあるでしょうけど・・・個人的に大好きな機種でしたね〜。普通、パチンコに負けると相当ムシャクシャしますが、この機種の場合、それがあまり無かったな。多少金をつぎ込んでもまた遊びたいパチンコ台なんて早々ありません。
 さて、このアルバムですが、「CRF 花月外伝」の大当たり時に流れるテーマ曲"月蝕"のほか、前作「CRF 花月」のテーマ曲"花月"も収録されているところが嬉しいです。個人的には"花月"の方が好みなのですが、どちらも日本情緒溢れる名作だと思います。パチンコ打ちながら「もっと聞いていたい」曲なんてこれまでありませんでした。しかも、大当たりでジンワリさせてくれるなんてね。たまに泣き出しそうになって困ったくらいです(嘘)。実機「花月」シリーズのファンには勿論ですが、パチンコと縁遠い人でもオススメできる作品です。あと、このアルバムには収録されていませんが、"花月〜琴 Arrange Version〜"もいいっ!! あぁ、これぞ日本って感じ、どの季節に聴いてもその四季おりおりの良さが引立つ・・・そんな気がします。
 このアルバムですが、インディーズレーベルということで、最寄りのレコード店などではなかなか置かれていないと思いますが、今ではインターネット販売も充実しているので、比較的安易に手に入れることができます。音のほかにも実機の演出映像が見られる特典がついていますので、そちらでも楽しめますよ。正月くらい、日本古来から受け継がれてきた文化や情緒にゆったり浸るのがいいかも。

Copyright(c) Tokyo Bay Studio

11. 26, 2006



Ain't 2 Proud 2 Beg
TLC

1992年米国


 その昔、小室哲哉が"dos"という3人組ユニット(KABA.ちゃんがダンサーとして参加していたグループね)をプロデュースした際、「"TLC"を意識しています」と語っていたことを思い出した。小室哲哉にも影響を与えた"TLC"という女性ユニットは、1992年のデビュー以降、世界の音楽シーンを沸き立たせ、R&Bやラップといったアメリカンミュージックの中枢的ジャンルを先頭立ってリードしてきたグループと言い切ってしまっても間違いはないだろうな。
 今回、紹介するのは"TLC"の記念すべきデビューアルバム「Ain't 2 Proud 2 Beg (米国リリースタイトルは"Oooooohhh...On The TLC Tip")」です。"TLC"のオリジナルアルバムとしてはこれまで4作品がリリースされていますが、おいらはどれもお気に入り。だけどその中で敢えて1枚を選ぶとしたらコレかな。セールス的には2ndアルバム「Crazy Sexy Cool」が世界的に受け入れられた結果となったようで、おいらも大好きな作品なのですが、個人的に、アルバム全体としての完成度はこちらの方が上かなと感じています。いや、完成度が高いと云うか・・・ん〜上手く表現できないのですが、まだカリスマ的評価を得る前の、彼女たちの荒削りな感じがこのアルバムに収録されている曲に絶妙にマッチしているような・・・結局、全体的に非常にバランスが取れたアルバム・・・そんな風に思うんです。
 "TLC"がデビューした頃のアメリカ音楽業界は、3人組ユニットが氾濫していたそうですが、その中で勝ち残ってきた彼女たちは、やはり他の類似品とは違う"何か輝くモノ"を持っていたのかもしれません。以前このコーナーで紹介した大物ミュージシャン"ベイビーフェイス"をはじめとする多くのアーティストが彼女たちのプロデュースを手がけていたということも、"TLC"のブレイクに大きく寄与したことは多分にありますが、 それだけではない彼女たち自身の才能とか魅力があったに違いありません。
 このアルバムを構成する曲のラインナップに話を移します。1stシングルとなった#02"Ain’t 2 Proud 2 Beg"は不動の名作として著名ですが、おいらはむしろ、後発カットされた#05"Hat 2 da Back"や#12"Baby-Baby-Baby"の方がお気に入りです。さらに、シングルカットされていない#03"Shock Dat Monkey"や#14"Depend on Myself"もかなりイケる・・・名作ですねコレらは。さらに全体を通して聞くとまたまた良いんですよ〜貴方はどうでしょうか。
 全世界が"TLC"の更なる活躍を期待していたんですが、残念ながら2002年にメンバーのひとり、ラップ担当の"レフトアイ"が交通事故で他界。4枚目のアルバム以降(正確に言うと4thアルバムがリリースされる少し前から)、3人としての活動は事実上休止状態となってしまっています。惜しいなぁ。ただ、最近、新メンバーを加えたという情報(!?)もあり、伝説のユニットの復活が期待されるところでありまする。


Copyright(c)LaFace Records and Arista Records

10. 09, 2006



Eternal
松田 聖子

1991年日本


 06年7月に発売され話題となった、デビュー26周年企画モノ「Seiko Matsuda」は、CD74枚組みの"正にこれが究極版"と言うに相応しいコンプリートBOXです。まずその価格が10万円(!!)というのが驚愕ですが、さらに驚かせられたのは、その高値BOXがもの凄く売れたという事実。
 おいら、さすがにコレに福沢諭吉を10人投入しようとは思いませんでしたが、このBOX、過去にソニーレコードからリリースされた彼女の全てのアルバムが揃っているだけでなく、デジタルリマスタリングが施され、オリジナルのものと比べ音が遥かに良くなっているというところに随分興味を引かれました。松田聖子作品のリマスターは今回初の試みなのだそうで、特に初期にリリースしたアルバム(「SQUALL」とか「North Wind」とかね)などは初めてクリアな音で聴けるということ。
 おいら的に、彼女の過去の作品で、リマスターCDを是非手に入れたいアルバムがいくつかあります。今回はそのうちの1枚、1991年にリリースされた「Eternal」をご紹介します。この作品、1990年のワールドリリースアルバム「Seiko」の制作で渡米した彼女が、その滞在中、実際に耳にし口ずさんだお気に入りの楽曲を自らの歌声で綴った洋楽カヴァーアルバムです。松田聖子としては初の企画だったそう。
 唯一のオリジナル曲 #09"Totally In Love With You"を除けば、すべての収録曲が大ヒットを記録した著名作ばかりなので、それだけでアルバムとしての出来が良くなるのは当然のことかも知れませんが、中には"オリジナル曲よりも良い"とさえ感じるものもあったりして、カヴァーでありながら全般的な完成度が高いという印象を受けます。選曲や構成もなかなか良い具合です。#01"Hold On"と#10"Crazy For You"の2曲こそオリジナルの英語歌詞での収録ですが、それ以外は日本語訳詞で歌われているため、メロディに込められたメッセージがダイレクトに伝わってきます。逆に、英語歌詞もオリジナルの作風を損なわせないためか必要以上に削らないよう配慮していたりもします。この辺のバランスが実に巧みで、聞いていて違和感を覚えないんですよね。
 アルバムを構成する各曲目ですが、個人的に好きなのは、#04"Eternal Flame"、#07"How Am I Supposed To Live Without You"でしょうか、オリジナルではそれぞれバングルス、マイケル・ボルトンが歌い上げた名曲ですね。あと、#09のオリジナル曲も結構お気に入りだったりします・・・とは言いつつ、このアルバムでは、特に良い曲をピックアップする必要もないのかも。それだけ全体的なパフォーマンスが高い作品なのです。是非、ハイクオリティなサウンドで聴いてみたいなぁ。

Copyright(c)Sony Music Entertainment Inc.

08. 08, 2006



From Me To You
YUI

2006年日本


 アップル・コンピュータ社の”iPod”の爆発的ヒットも記憶に新しいところですが、ここ数年でポータブル音楽プレイヤーが一気に普及していきましたね。ハードウェアに火がつけば、ソフトウェアがそれに追随するのはごく自然なことのようで、今日では、WEB上から音楽を簡単にダウンロードできるまでになりました。
 ”新しいものが大好き人間”なおいらですから、このサービスはもう随分前から利用していますが、ここ最近、ダウンロード用楽曲がぐっと充実してきたように感じます。嬉しいのは、レコードやCDで既に廃盤となっている曲でも入手できるものがあるということ。また聴いてみたいな〜と思っていたあの懐かしい曲に再び巡り会えることが大きな利点です。曲によってはデジタル・リマスターにより高音質になってリリースされる場合も有り、これからが本当に楽しみなメディアです。
 今回紹介するアーティスト、YUIにおいらが初めて出会ったのも音楽ダウンロードサイトでした。前情報が全く無い中、偶然目に留まった彼女の作品。何の拘りも興味もなく、本当に何気ない気持ちでダウンロードしたその曲は”Feel My Soul(#02)”、そう彼女のデビューシングルだったのでした。後から知ったことでしたが、この曲はCX系ドラマ「不機嫌なジーン」の主題歌として起用されていたらしい(最近、テレビドラマっつ〜ものを観ないから全然分かんないや)。この曲、そもそもノリの良いキャッチーな楽曲ですから、すぐにそのメロディを口ずさみたくなります。ただ、最近のJ-POPSって、結局それだけで終わってしまうものも少なくないです。だけど、この曲の魅力はそれだけじゃなかった。同世代のみならず、幅広い年齢層からも支持される、歌に乗せられたひたむきなメッセージがファンを魅了して止みません。荒削りなのに繊細。エネルギッシュでいてどこか優しい。そんな不思議な魅力をこのアーティスト自身が兼ね備えています。それは、元々、彼女が持って生まれてきたものなのかも知れません。
 さて、彼女の1stアルバム「From Me To You」には、そのデビュー曲のほかにも珠玉のナンバーがギッシリ。3rdシングル”Life(#05)”はおいらの大好きな曲ですが、それ以外のシングル曲”Tomorrow's Way(#10)”や”Tokyo(#12)”もそれぞれいい味出してますよね。加えて、ミディアムテンポの雰囲気の良い楽曲”Blue Wind(#06)”、上質な感性で歌い上げた”I Know(#11)”など、そのレベルの高さが際立ちます。まだまだ二十歳前の若さ、彼女のこれからの活躍に期待したいものです。
 そういえば、彼女って福岡出身。新宮の海が好きなんだって。新宮海岸に集う六尺褌兄貴や全裸オヤジたちが好きってことは万にひとつも無いだろうが、きっとそういうダークな部分(男たちの花園)が新宮に存在していることすら知らないんだろな〜(そんなの当たり前だろっ!!)。

Copyright(c)Sony Music Entertainment Inc.


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今宵聞きたい音楽]では、兄いたちの作品を募集しています。兄いたちの「とっておきお薦め」の音楽を教えてください。音楽のジャンルは問いませんが、その一枚をお薦めする理由音楽にまつわる想い出なんかも添えていただくと嬉しいです。ご応募の際は、以下の要領でお願いします。
(1)作品はTEXT形式にて、BRUTUSあてお送りください。
(2)推薦作品のタイトルとアーティスト名お忘れなく。
(3)画像ファイルを添付の場合は、JPEGもしくはGIF形式でお願いします。
(4)作品の著作権は貴兄とWEB西海岸に帰属いたします。
 それじゃ、ドシドシ応募してね。