《透木釜》

4月になると、だんだんあったかくなってくるから、
お客様から火を遠ざけるって意味もあって、五徳をつかわない透木釜を使うんだ。
全体の形が平ベったくなって、気温にあわせてうまくお湯が湧くように底が火から遠くなってるんだね。
横に張り出したモン(何ていうのか知らないっす〜)で炉の縁にのせるんだ。
この説明じゃ〜わかんないよね。


この今川焼きのヘリみたいなのがあるんで、
これが熱を上にあげないようになってるんだって。
よく考えてあるよね〜。
そのヘリで炉縁がきずつかないように入ってる2本の長方形の短い木を「透き木」っていうんだ。

あっUFOみたい!って言った子もいたよ。
この釜は表面に桜の模様があるんだって。
季節を感じられる道具っていいよね〜。


 

 《夜桜なつめ》

この季節になるといろんな桜の意匠が使われるんだけど、
桜って、結構使える時期が短いんだよね。
ま、それだからこそ人気があるのかもしれないけど。

そのなかで1番好きなのが、先生んちの“夜桜なつめ”。
“なつめ”ってお茶を入れる器なんだけど、
なつめの実の形ににてるからそういうらしい。

その、夜桜なつめ。
ちょっと見はだだ真っ黒い漆塗りなんだけど、
光線のかげんで桜の花がコンモリ浮き上がるって趣向。
漆を花のところだけ少し厚めに重ねてるんだ。
障子を通してやわらかく入って来る光線で、
アラッ?っていうカンジで桜が見えるんだ。

塗師によって、いろんなところにほどこされてるけど、
黒の無地かな〜なんておもって拝見したら、蓋の裏なんかにあると、
ク〜ッ、にくいねぇ、こんなとこにいたの〜?っていうかんじ♪


 

 《葉蓋》

だ〜い好きな夏のお手前! 
学生の頃初めてこのお手前をみたのは夏の合宿だったんだ〜。♪
水指の蓋に「アカメガシワ」なんかの大きな葉っぱを使うんだけど、
季節柄その葉っぱに茶筅で水を打つんだ。
この水滴がなんとも涼しげなんだよね〜。
その他にも、梶の葉とかいろいろ使うんだけどね。

その葉っぱが、
襖や障子を取り払った夏の座敷きの畳の上をサワサワと渡って来る風に揺れちゃったりするんだよ〜。
あ〜たまんない♪
いかにも日本の夏!ダショ〜?

葉っぱの蓋は水指を開けた後は小さく畳んで建水のなかに捨てるんだ。
昔の人は自然のものを身近につかってたよね〜。
「家にあれば器に盛る飯を 旅にしあれば椎の葉に盛る」って国語の時間に習ったっけね。
だれだったっけ?歌った人。
ラップじゃなくって大きな葉っぱなんかをのせて用意しておくといい雰囲気のパーティーになるかも。
葉っぱに水を打ったらいいお出迎えになるね〜。

でも、ニオイの強いのや、まして毒のある葉っぱは論外だから気を付けてね。


 

 《お相伴》

貴人点のお伴の人がお茶をいただく時や、亭主が自分でたてたお茶を飲む時に
「お相伴いたします」って言うんだけど、
ちょっと昔の人なんか、
誰かが買って来たお寿司とかいただいちゃう時に
よく「じゃ〜、お相伴にあずかろうかな」なんて使ってたんだよね。

広辞苑によると
「饗宴の座に正客の相手となって同じく饗応をうけること。
さしたる働きのないのに、他人と平等にその利益を分かち与えられること」
って書いてある。

この言葉ひとつでそれぞれの立場がわかるし、
「ごちそうさま、わるいわね」っていう気持ちが伝わっちゃういい言葉だよね。

 


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