【 縁あって…つれあい 】
渋江 喜久夫:
以前の個展の際、プロデューサーに自画像を描かされたのだが、今度の個展では女房を描けとの命令を受けた。いやはや照れくさいものである。個展会場でこの絵を見た女房の友達から、「ちょっと老け過ぎじゃないの〜?」等々の苦情も出たが、「これくらいでいいの!…だって遺影にも使うんだから!」とごまかしておいた。カァちゃん、ゴメンネ!(点描画)
西谷史:
渋江さんの奥様である。渋江さんの人物画からは、静謐なイメージが伝わってくることが多い。しかし、この絵はいまにも口を開き「さっ、おいしいものでも食べにいきましょうか」などと言いながら動き出しそうだ。キリッとした口元、気の強そうな、それでいて子供のように純真な生気溢れる眼差し。すべてが奥様そのものだ。着物の柄にも技巧を尽くして描き上げているところに愛情を感じる。お見事!

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