【慈しみを求めて】
渋江喜久夫:
西谷作品「神々の血脈NU」シリーズの7作目で、資料とする写真を初めて屋外ロケして出来た作品である。場所は皇居「北の丸公園」。描くのに時間を要したが、暗い石垣をバックに井川さんの持ち味である白い肌を何とか浮き立たせたかった。撮影の日、私は二日酔いだったにも関わらず、何故か打上げのビールが美味しかった事は記憶している。(点描)
西谷 史:
モデルの井川遥さんは魅力的だ。その彼女がよりかかっている石垣の見事さは、息を呑むばかりだ。無数の点によって形作られた石から、しっとりとした温もりや、歴史の重みが伝わってくる。この背景があって、はじめて彼女の表情が活きてくるのである。水彩や油絵では絶対に表現できない石の魅力。点描の極意がここにある。

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