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【兆し】
  
渋江喜久夫:
「季刊アルトマン」の表紙で、「韓の面」同様、球根の皮が持つテクスチュアを楽しみながらデフォルメした作品である。己の皮を突き破り、幼い芽が天に向かって「深呼吸」を開始した瞬間だと感じていただければ幸いなのだが 。やがて成長し美しい花をもたらすエネルギーを内に秘めたそのひたむきさが、私にはいとおしくすら思えてくる。  (鉛筆画)
  西谷 史:
理屈なしに、何時間見ていても決してあきることのない絵だ。渋江さんの鉛筆画のたくみさはいまさらいうまでもないことだが、わずかに成長の早い球根を右奥に、これから芽を出そうとする球根を左前に置いたレイアウトこそ、この絵を傑作たらしめている原動力だと思う。

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