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【タカアシデムシ】
渋江喜久夫:
私はナマ物、肉が苦手だが、カニは大好物だ。先日、伊豆巡りをした際、宿の夕食に当然出ると思って楽しみにしていた、名物「タカアシガニ」が見当たらない。せめて足だけでも、と心を残して帰宅した処、いたんだなぁ〜、こんな所に。しかも胴体は「シデムシ」という食えない虫に変身して。悔しーい。カフカでもあるまいに……。「いそうでいない動物シリーズ」の一つでした。(点描)
  西谷 史:
渋江さんの、いそうでいない動物シリーズは、「これが架空の動物? そんなはずはない。どこかに棲息しているに違いない」と思わせるだけのリアリティーがある。このタカアシデムシも、リアルさにおいては他を凌駕するものがあるが、なぜか宇宙生物のような気がしてならない。なぜだろう?

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