【恥ずかしながら……自画像です。】
渋江喜久夫:
以前より何人もの方々に、何故「自画像」を描かないのか?との質問を受けていた。理由は簡単……恥ずかしいから!しかし二度目の個展の際に描かされた。“ヒネクレ者”の私は、資料として撮ってもらった写真を、一旦わざわざクシャクシャに丸めてからまた手で伸ばし、それを見ながら描いた。理由は簡単……恥ずかしいから……。(鉛筆画)
西谷史:
これは私の想像だが、渋江さんは、クシャクシャになった写真の魅力に以前から気がついていたに違いない。でも、他人の写真をクシャクシャにするわけにはいかず、どうしたものかと悩んでいた。
そんなある日、『そうだ!自分の写真なら、なにをしてもいいじゃないか』と気がつき、かくしてこの自画像が誕生することになったのではないだろうか?あくまでも、これは私の想像にすぎないのだが、どちらにしても渋江さんのアイディアが成功であったことは、この絵をごらんいただけばわかる。

 

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