キャッツアイ
渋江喜久夫:
これは随分前の作品で、某男性向け週刊誌の創刊号用に描いたテスト版イラストである。特に決まったテーマが無かったので、手持ちの資料の組み合わせで描いた。純粋絵画では画家自身の主張が作品となるが、依頼された仕事ばかり長年してきた職人としては、何でも自由に描いて良いと言われるとハタと困ってしまう。贅沢な悩みではあるが……。(点描)
  西谷 史:
これほどさまざまな事物を組み合わせた絵は、渋江さんの作品の中では珍しい。点描のエンタテイメント作品といっていいのかもしれない。だが注意して見ると、ストッキングの微妙な皺や、色っぽい猫の表情に、渋江さんでなくては表現できないものが感じられる。

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