第2回 献血ルーム(四条寺町)

大阪駅前とか四条寺町で、よく「献血にご協力お願いします」と呼び込みしてる人を見かけるが、実際に献血したことのある人は少ないだろう。
僕も元々献血に興味があったわけではないのだが、ダイエットしてる時に「血でも抜けば少しは体重が落ちるんじゃないか」という不純な動機で献血ルームの扉を叩いたのだった。
別に献血をするのは始めてじゃない。
高校時代は献血をすればその日は部活を休めたので、そのために毎年やってたし、大学でも半年に1回ぐらいやってくる献血車を見かけると、カロリーメイト欲しさに授業の合間によく献血しに行ったものだった。
まあ確かに決して楽しいものではない。
献血ルームも同じようなもんだろうと、なんの期待もせずに行った。
まず受付に行くといつものように問診表を手渡され、それを記入してから待合室で待つのだが、その待合室にあるカップのジュース自販機には、コイン投入口が無く、ボタン押し放題の飲み放題なのである。
各テーブルのかごにはお菓子が盛られ、雑誌や新聞も各種取り揃えられている。
夏場はエアコンが気持ちいい程度に効いてて、テレビも置いてある。
まあ文句のつけようの無い快適な環境なのである。
そして採血する時も、各ベッドに小型の液晶テレビが備え付けられており、寝た状態で目の前にモニターを置いてテレビが見れるのである。
さらにビデオまで置いてあり、けっこう新めの洋画から「ダウンタウンのごっつええ感じ」まで各種ソフトも充実してる。
献血ルームに行く人は大抵成分献血をするので、始まってから終わるまで1時間弱の時間がかかる。
僕はいつも夕方時に行くので、ビデオは見ずに夕方のニュースやドラマの再放送を見ているが、2回行けば洋画を1本見るぐらいの時間はかかってしまうので、丁度いい暇潰しになる。
献血終了後、またさっきの待合室に戻って、ジュースなぞ飲みつつお菓子をつまむ(僕は体重を減らすのが目的なのでつままないが)。
で、最後帰る時に例によって粗品をもらうのだけど、いつものようなカロリーメイトとか決まりきったものではなく、タオルや歯磨き粉といった生活用品からホッチキス、ビデオテープ、果ては「ふえ〜るわかめ」まで、何がもらえるかその時まで分からない、「開けてびっくり玉手箱」的な楽しさがある。
そして家に帰って体重計に乗って見ると、少しだが確実に体重が減っている。

僕はダイエットをやめても、きっと献血ルームに通いつづけるだろう。
それぐらい快適な環境なのである。
僕の稚拙な文章力では伝わらないかもしれないけど、行ったこと無い人は一度実際に行って見ることをお勧めする。
僕も今まで「献血が趣味です」とかいう人を見ると「キショい奴やなあ」としか思わなかったけど、今なら少し理解できる気がする。

まあ自分ではそんなこと絶対言わんけど。

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