トーマスに攫われたジムゾン。トーマスの仕事部屋でもある山小屋に監禁される毎日。
 しかし、トーマスはジムゾンに食事を運ぶなど、甲斐甲斐しく世話をするが、彼の髪の毛一本にも触れないのであった(こだわりポイント1)。
「どうして私を攫ったのですか?」
「拙者は…神父殿を傷つけたかったわけではない。
 神父殿が居てくれるならそれで良い。
 ただ、神父殿が他の誰かのものになってしまうのではないかと…それだけが、耐えられなかったのだ」
 誰の物にもならない、と約束して、小屋から帰して貰うジムゾン。
 ウェディングドレス姿のまま(こだわりポイント2)、村の道をとぼとぼと歩いてくる。
 その姿を見、駆け寄ってくるディーター。
「ジムゾン…!大丈夫だったのか?」
 しかしジムゾンは目を合わせようとしない。
「…ジムゾン?」
「…約束を、したのです。
 トーマスも、貴方も、私にとっては等しく大事な神の子羊なのです」
 ディーターもトーマスも同じように自分を想ってくれている。
 どちらかに傾くのは片方の想いを踏みにじることになる。
 その思いから、ジムゾンはディーターへの気持ちを抑えこもうとするが、次第に彼への思いは強くなっていくのであった。
「神よ…何故このような試練を私に与えるのですか…」
 礼拝堂で一人悩むジムゾン。
 彼にとって同性への愛は背教行為そのもの。しかし心は裏腹に、抑えようとすればするほど消せない炎が内に宿る。
 耐えきれなくなったジムゾンはついに、ある決意を胸に村はずれの道を歩いていった。
 そこへアルビンが現れる。
「どこへ行くのですか、神父殿」
「アルビン…」
「神父殿。貴方は、この村から離れようとしているのではないですか?」
 アルビンに言い当てられうろたえるジムゾン。
「神父殿。貴方は、それで良いのかもしれない。時が経てば忘れることも出来るかもしれないでしょう。
 けれど、置いていかれたディーターさんはどうなるのです?」
「愛する人が何も告げず、自分の前から姿を消したら…どんな気持ちになるか考えましたか?」
「神父殿。貴方も苦しんでいるのは知っています。
 でも、ディーターさんも苦しんでいるんです」
「ディーターさんを救えるのは…貴方しかいないんです」
 立ちつくすジムゾン。
 宜しくお願いします、と一礼して、アルビンは去っていった。
 ジムゾンは空を仰ぎ、やがて来た道を一歩、また一歩と戻った。
 途中で一度立ち止まり、来た道とは違う方向へ歩みを進める。
 ディーターの家の方向へ。

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妄想にも程があります。
臭い上になんか303村らしくないので、多分ネタのまま放置するのでしょう。
でも思いついたので一応書いておこうかと…
信仰と恋心の狭間で悩む神父様、というのが書きたかったのですが、何かもう303村の神父じゃないですね。これ。
アルビンもなんかもー(じたばた)


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