お絵かき教室



「祇孔の弱点? ふふ、一つだけ知っていますよ。」
 秋月マサキこと秋月薫は、愛らしく小首を傾げて笑った。
「祇孔は絵が描けないんです。一度みんなで……祇孔と御門と芙蓉と一緒に写生をし
に行ったことがあるのですが、それはそれはとても個性的な作風でしたよ。御門がそ
う言ったら、拗ねてお昼寝を始めてしまいましたけど。」
 ”個性的な作風”。ストレートに「ヘタクソ」と言わないところが、何とも奥ゆか
しい(?)。
 日々、村雨の打倒対策研究に余念のない『龍麻に横恋慕ボーイズ』は、これを”村
雨恥かかせ計画”のネタにしようと、ほくそ笑んだ。


 と、いうワケで。
 如月の家で、お絵描き教室一日体験入門。


村雨「緊急の用だっていうから、仕方なく先生とふたりっっきり(強調)の時間割い
てまで来てみりゃ、『みんなでお絵描きしましょう』だァ?」
京一「お、俺あんまり絵は………(自称・真神一の伊達男、気が進まない)。」
如月「たまには、芸術に理解を深めるのも良いだろう。さ、村雨、お前の席はそこ
だ。蓬莱寺はそこ。ああ、龍麻は僕の隣だよ。」
村雨「へッ、くだらねェ。先生、帰って続きやろうぜ。」
如月「(何の続きだ/怒)おや、逃げるのかい? 村雨。」
村雨「ち、違ェよ。ンなガキみてェな遊びにゃ、付き合いきれねェだけだ。」
壬生「如月さん、無理強いは止めましょう。きっと村雨さんは自信が無いんですよ。
芸術という豊かな想像力と創造力を必要とする高尚で崇高な世界を、ギャンブルする
しか脳のない武骨な男に理解出来るわけがありません。無教養で野蛮で単細胞な村雨
さんには酷というものです。」
如月「……そうだな。無教養で野蛮で単細胞なギャンブル男には無理難題だったかも
しれないな。」
村雨「てめェ(怒)。」
龍麻「祇孔。無理ならお前は見ているだけでも……」
村雨「やってやろうじゃねェか! 俺に不可能はねぇってコトを教えてやるぜ!」
龍麻(…………。壬生の『単細胞』という言葉は、あながち間違ってはいない……)
如月「では始めようか(にっこり)。最初のテーマは、『犬』だ。」


 と、いうワケで。


京一(ぷぷぷぷ。俺よりヘタ………)←辛うじて犬に見える
龍麻(くくくく。祇孔……これは犬というより、猫じゃないか? いや、猫として見
るのも苦しいが………)←結構上手い
如月(ふっ。誰にでも得手不得手はあるものだな、村雨………)←無難に何でも描け

壬生(ふふふふ。お見事ですよ、村雨さん………)←手作業は一番上手い
村雨(先生、後で覚えてな……。他の連中も首洗って待ってやがれ!)←ヘタだとい
う自覚はある


 ―――――村雨の芸術オンチっぷりは、仲間内での語り草になったとい
う…………。



お終い(爆)



謝辞
涙樹さまのサイト『Believe』で、18000を踏んで、頂いた『お絵かき教室』です。
いえね、村雨さんは、なんかこう、芸術音痴っぽいなぁ、という話題が、
裏の(笑)掲示板で出てたですよ。
大丈夫ですよね、皆様?
ちゃんと動物に見えるんだから、なかなかの絵心ですよね?(笑)
私的には、動物より、『先生』が、大変、気になります・・・。
涙樹さま、ありがとう御座いました!!
SSでもイラストでも・・とお願いしたら、両方頂いてしまいまして!!
次もよろしくお願いします!!(←おい)


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