はぁ・・・・・
もう何度目の溜息だろう・・・。
「随分と、悩んでいるようだね、龍痲」
「はい・・・・」
如月くんがお茶を出してくれながら、そう言った。
「僕で良ければ、話を聞かせて貰えないか?」
にっこり笑ってくださるのは嬉しいんだけど・・・でもでも・・・・
「すみません・・・まだ、自分でも、何を悩んでるのかもよく分からなくて・・・」
はぁっ・・・。
手の中には、たった今如月くんから買ったばかりのピコピコハンマー。
最近、消費が一段と激しかったから・・・もう残り7本しかない。
これが無くなるまでに、考えて終わるといいんだけど・・・
「ところで、龍痲。・・それ、自分で使ってるのかい?」
「・・・はい・・・」
一所懸命考えて。
何だか同じとこをぐるぐる回りだしたら、自分で自分の頭をぴこんと。
「・・それだけ冷静さが残ってるなら、使わなくても大丈夫じゃないかと思うのだけれどね・・・」
いえ・・・落ち着くんです、これ・・・。
「・・どうも、有り難うございました・・・」
・・・あいた。
柱に頭ぶつけちゃった・・・。
考えてるのは、たった一つ。
村雨さんのこと・・・・・。
僕は、村雨さんのことが好きらしい。
それも、恋愛感情で。
でも、村雨さんは、僕のこと、キライだと思う。
村雨さんに会いたい、でも、鬱陶しいってはっきり言われるのが怖い・・・で、どうしようかって・・・
・・・悩むことは、何も無いんだよね・・・。
だって、ふられるのを先延ばしにしてるだけだもん・・・。
はぁ・・・・・・・
でも、どうしよう・・・
あのキスは無かったことにして、そしたら、タダのお友達ではいられるかな・・・。
でも、村雨さんに会ったら、きっと聞いてくるよね・・・
何で、あんなことしたんだっって・・・。
・・・僕のバカ・・・どうして、気付く前に、あんなことやっちゃったんだよぉ・・・。
「会いたいな・・・」
はぁ・・・口に出すと、ますます・・・
御門くんから、もう村雨さんの風邪は治ったって聞いてる(というかメールで)。
うん、歌舞伎町に行ってみようかな・・・。
それで、こっそり、一目見るだけでも・・・。
舎弟さん達にも見られないよう・・・騒ぎも起こさないよう・・・
気配を消して、こっそりと・・・・。
意外だ・・やれば出来るんだな、僕・・・。
騒ぎの一つも起こさずに、村雨さんがいる路地まで辿り着いちゃったよ・・。
んと・・どこか身を隠せるとこ・・・僕からは村雨さんが見えて、村雨さんからは見えないようなとこ・・・
あ、ここなんかいいかも。
はぁ・・・・相変わらず、カッコイイなぁ・・村雨さんは・・・。
ちょっとやつれたみたいだけど、それがまた、何とも男の色気?っていうのかな、凄味のある顔立ちになって・・・誰が見たって惹かれるよね・・・。
あの人の、そばにいたいな・・・友達、でもいいから・・・。
・・・友達でも・・・って・・・僕、何、考えてるんだろう?
友達以外に、どうやって、村雨さんの側にいられる訳が・・・そ、そんな、恋人、だなんて、絶対無理だし・・・
ぼーっとして村雨さんに見とれてると、肩がどんって当たった。
「あら、ごめんなさい」
いえ、って言いかけて、何だか、女言葉の割には低い声だなって、隣を見たら。
「と、ともちゃんさん!?」
「げ。緋湧龍痲!?」
思わず声を上げて・・・慌てて村雨さんの方を覗き見る。
よかった・・・気付かれてないみたいだ・・。
ともちゃんさん、どうしてこんな所に・・・ここって、ビルの隙間だし、汚いし、通り道でもないし・・村雨さんをこっそり覗く以外の用途が・・・あ、村雨さんを覗きに来たのか。
「何?アンタも、しーちゃんに見られたくないの?」
しーちゃん、か・・いいなぁ・・・ともちゃんさんは村雨さんとお友達なんだよね・・・。
羨ましく思いながらも、僕は頷いた。
「そっか・・・事情は後で聞くわ。ここでいると見つかっちゃう。来なさいよ」
そう言って、ともちゃんさんは、僕の腕を掴んで、走った。
うーん・・術師なのに・・女言葉使ってるのに・・やっぱり男の人の力だなぁ・・・。
ともちゃんさんに連れてこられたのは、普通の喫茶店だった。
よかった、居酒屋とかじゃなくて・・・。
二人で注文して、おしぼりで手を拭いて。
「あの・・お元気そうで何よりです。その・・・パパさんは、大丈夫だったでしょうか?」
ともちゃんさんは、僕をじろって見て、それから渋々頷いた。
「まぁね。アンタのお陰でね。・・・まあちょっと、時々、乾電池を握りしめて、『これを組み込めば、錫杖の性能が格段にアップするんじゃ・・』とか呟いてるけどね」
「テ、テム・レイですか・・・」
そ、それは・・・生きてて良かった、と言うべきなのかな・・それとも、出血が多すぎて低酸素脳症になっちゃって、お気の毒、というべきなのかな・・。
「あらっ、アンタ、冗談通じたのね」
ともちゃんさんが楽しそうに笑った。
よかった・・冗談だったのか・・・
「はい、あの、ガンダム・・好きなんです・・」
「あらっ、ますますイイじゃない。これで『僕、ファーストは結構見てたんですよ』とか言いやがったら、ぶっ飛ばしてるけどね。大体何よ、あの『ファースト』って!ガンダムって言えば、あれが『ガンダム』なのよ!『ファースト』なんて呼ぶ連中は、後期の作品から入った、いわば外様よ、と・ざ・ま!」
ともちゃんさん・・・結構・・・アレ?
でも、仲良くなれるかも・・今度一緒にガンダムのDVDとか見てくれるかな・・。
「・・それで?アンタ、何でしーちゃんから隠れてるのさ?ケンカでもしたの?」
あ、あう・・・。
ともちゃんさんは、僕の返事を待って、じーっと見てるし・・。
ど、どうしよう・・・あ、そうだ!
「あ、あのあのあの・・その前に、お伺いしておきたいんですが・・ともちゃんさんは、村雨さんのことが、お好き・・なんでしょうか?」
ともちゃんさんは、至極当然、と言った風に、頷いた。
「好きよ。決まってるじゃない。あんないい男、そうそうはいないわよ〜?」
そ、それは、そうだけど・・・。
「恋愛感情・・ですか?」
「そうよ?」
う・・・はっきりきっぱりと言い切ってる・・。
なんで、ともちゃんさんは、こんなに胸を張って、同性を好きだって言えるんだろう・・。
うじゅじゅと考えてる僕の方が・・おかしいのかな・・。
「何よ。変態、とでも言いたいわけ?」
「変態・・・そうですよね・・・同性を好きになるなんて、変態、なんですよね・・・」
あぁ、やっぱりそうなんだ〜・・・変態なんだ、僕・・・。
香川のお父さんお母さん、ごめんなさい・・僕をせっかく育ててくれたのに、変態になってしまいました・・。
かくなる上は、お父さんお母さんが後ろ指を指されないよう、東京に骨を埋めて・・・。
ともちゃんさんは、僕をまた、じーっと見て、ちょっと笑った。
「何?アンタ、しーちゃんのこと、好きになったの?」
う!そ、そんなに、バレバレ・・?
「た、多分・・・でも、でも、男なのに、男を好きになるなんて・・・おかしいですよね・・・僕、どうしたらいいか、わかんなくて・・・」
「あらぁ〜」
ともちゃんさんは、手を組んで顎を乗せて、ぱちぱちと意味ありげに瞬いた。
うわ〜・・睫毛長い〜・・・付け睫毛かな?本物かな?すっごいキレイにカールしてるんだけど。
「ん〜、アンタには借りがあるしねぇ・・いいわ。教えてあげる。・・アンタさ、子犬とか、子猫とか、好き?」
ほえ?そ、そりゃ、好きだけど。
・・だけど、何でいきなり?
「それでさ、その『可愛いっ!』って感じるときに、子犬の性別なんて、気になる?」
ほえ。
・・・・えと・・・可愛い子犬・・・雄か雌か・・・
「ぜ、全然、考えたこともありません」
「でしょ〜?それと同じよ。しーちゃんは、カッコイイじゃない。そのステキさは、性別を越えるのよ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・は!!!!
「な、何だか、すっごく、説得力があります!ともちゃんさん!!」
「おーっほっほほほほほ〜!ま、なんて言うの?しーちゃん語らせたら、アタシの右に出る者はいないって言うか〜?」
「凄いです!ともちゃんさん!!」
「お〜っほっほっほっほっほっほ〜!!」
凄い・・凄いや・・!
なんだか、目の前が、ぱーって開けた感じだ!!
そうだよね、僕が変なんじゃなくて、村雨さんが格好良すぎるんだよね!!
・・・あ、でも・・・
「村雨さんは・・・普通に、女の人、好きですよね・・・。僕は、村雨さんのこと好きだけど・・言ったら、迷惑、ですよね・・」
はぁ・・・・好きな気持ちに変わりはないけど・・・迷惑がられるのは・・・辛いなぁ・・・。
ともちゃんさんは、何故かしかめっ面をした。
「何よ、それ。アンタ、気付いてないの?」
・・・何をだろう?
「僕も、ともちゃんさんみたいに、自分に自信を持てたら良いんですけど・・・でも、僕、顔は平凡だし、とろくさいし、すぐ混乱するし、頭悪いし・・・何も、取り柄が無いし・・・」
あ・・・自分でも落ち込んできた・・・。
バカはバカなりに、一所懸命やってきたつもりだったけど、僕は、初めて、自分に何か取り柄があれば良かったのに、と思う。
いいなぁ・・ともちゃんさんは・・・個性的だし、術師だから村雨さんとお話も合うだろうし・・・。
「甘い甘い甘いわっわっわ〜!」
うわ!びっくりした〜!
「いい?なんだかんだ言って、アタシ達、男が男を好きになるのは、普通じゃないのよ!?それを、普通にやって、しーちゃんを勝ち取ろう、なんて、10年早いわよ!!」
は、はぁ・・・。
「女なら、そうやって、『アタシ・・何をやってもダメなんですね・・』って言ってたら、男の保護欲をくすぐるかもしんないけどね、男がソレじゃダメなのよ!!」
いえ、保護欲をくすぐりたい訳じゃなくて、実際、何をやってもダメなんですけど・・。
ともちゃんさんは、テーブル越しに、僕の両肩をがしっと掴んだ。
「いいこと?男なら、行動あるのみ!!押せ押せ押ーせ押せ押せお!よ!!当たって砕けるんじゃないの!当たって砕け!よ!!」
く、砕いちゃうんですか・・。
「押してダメなら引いてみな?甘いわ!!アンタ、引く方が得意そうだけど!」
はい・・その通りです・・。
「良いこと教えてあげるわ・・・アンタには借りがあるから」
「有り難うございます・・」
「『押してダメなら、押し倒せ』!」
・・・・・・・え・・・・・・・
「『押してダメなら引いてみな』ってのは、ドアのことかもしんないけどね。考えてみなさいよ。もし、それが引き戸だったとしても!押して押して押して押して、押しまくったら、どうなると思う!?」
・・・んと・・・・
想像・・・想像・・・
「えと・・・壊れて、内側に倒れます」
「そうよ!それで良いのよ!!男なら、『押してダメなら、押し倒せ』よ!!」
そ、そうか・・・そうだったのか・・・!
「有り難うございます、ともちゃんさん!!僕・・やる前から諦めてしまうところでした!!」
「おーっほっほっほっほ〜!分かれば良いのよ、分かれば〜!」
男の僕が村雨さんを好きなことは、一般的には異常で、村雨さんにも嫌がられるかもしれないけど・・だからって、諦めたりできないもんね!!
良し!頑張るぞ〜!頑張って、『押してダメなら、押し倒す』ぞ〜!!
高笑いしていたともちゃんさんが、急に立ち上がった。
「ほほほ・・・悪いわね、ちょっと化粧直しに行ってくるわ」
・・・???
別にどこも化粧崩れたりしてなかったけど??
ともちゃんさんがいなくなって、僕は、すっかり冷えてしまった紅茶を啜った。
う〜ん・・・今日は、良いこと聞いたなぁ・・・。
あ!で、でも、ともちゃんさんは、『恋敵』なんじゃないかなぁ?
それなのに、僕に色々とアドバイスしてくれて・・・いい人だなぁ・・・。
はぁ・・・押し倒せ、か・・・
「先生!!」
うっきゃあ〜〜〜!!!
いきなり背後から声をかけられて、僕は椅子から転げ落ちてしまった。
「お、おい、大丈夫か?先生よ」
だだだだだだだだだだだだだいだだいだいいだいだだいだい大丈夫ですぅ〜〜!!
む、村雨さん・・・!
うきゃあ!触っちゃダメ〜!
うわ〜ん!腕を持って引き上げて貰っちゃったよぉ・・・なんか、触られたとこが熱い・・・
あ・・・意識したら、顔も熱い・・・
幸い、村雨さんは、俯いた僕から目を逸らせてくれた。
「・・・ちっ、どこへ逃げやがった・・・」
「あ、あの・・?」
「先生。今、ここに阿師谷伊周がいたろう?」
「は、は、は、はい・・・」
「何もされてねぇだろうな!?」
ほえ。
・・・あ。村雨さん、まだともちゃんさんのこと、敵だと思ってる?
「そんなそのその・・お話ししてただけです!!」
「・・・何の」
あう。
む、村雨さんのことです・・とは言えないし・・・。
「その・・ガ、ガンダム原理主義者における、ファーストという呼称の定義について・・・」
嘘じゃない、うん、嘘じゃない。
村雨さんは、何とも言えない変な顔をした。
「・・・そりゃ・・・随分と高尚なお話で」
高尚ってことはないと思うけど・・・ひょっとして村雨さん、ガンダム知らないのかなぁ・・がーん、ショックだ。
やっぱり、DVDはともちゃんさんと観よう・・・。
「出ねぇか?」
村雨さんは、僕らのテーブルの伝票を取って、歩き出した。
あ〜!そ、そんな払って頂くわけには・・・じゃなくて。
「えと・・・ともちゃんさんに御用じゃ?あの、化粧直しに行かれるってことなので、ちょっと待ってたら、お帰りになるかと思うんですが・・・」
「いや・・・もうずらかってるだろ。それに」
村雨さんは、振り向いて、僕の顔をじっと見た。
うわ・・・どうしよ・・・また、顔が熱い・・・む、村雨さんに変に思われちゃうよぉ・・・。
「俺が、用があるのは、アンタだ」
うわ・・・って、あ!
そ、そうだ!村雨さんとは、あの・・キ・・・キス以来で・・・ぜ、絶対、追求されるよね・・・
ど、どうしよう・・・逃げちゃおうかな・・・
タイミングを計りながら、喫茶店の外に出て。
ふと目を上げると、村雨さんの肩越しに、空で何かが舞っているのが見えた。
・・・何だろう?
んと・・二つ・・・あれ?鳥?
でもでも、もうすっかり夜だし・・・鳥さんは鳥目じゃないかなぁ・・。
・・・あ。よく見たら、鳥さん、二つ頭がある・・・普通の鳥じゃないんだ。
普通じゃない鳥さんが二羽、空をくるくると・・・えと・・・片方はくるっと回りかけて急に方向転換、もう片方はひたすらくるくる・・・何だろう?
・・・・・・・んと・・・・・・・あ!!
GOだ!
鳥さん、GO!って書いてるんだ!
てことは・・・まさか、ともちゃんさんの式神!?
ともちゃんさん・・・僕は恋敵なのに、『GO!』って言ってくれてるんだ・・・。
分かりました、ともちゃんさん!!
そのお気持ち、無下にはいたしません!!!
「む、む、村雨さん!!!」
「あ、あぁ!?な、何だ!?」
僕が急に大声を出して、村雨さんの腕を掴んだから、ちょっとびっくりしてるみたいだけど、そんなコトには構ってられない!
頑張んなきゃ!!
GO!だもん、GO!!
『押してダメなら、押し倒せ!!』だ!!
「今から、村雨さんの家に行って、良いですか!!?」
その頃の阿師谷伊周。
ふぅ・・・まったくもう、手間のかかる子ねぇ。
端から見たら、しーちゃんに好かれてるの、一目瞭然じゃない。
なのに、自分は嫌われてるって思いこんでて・・・バカな子だこと。
ま、でもいいわ。
正直なとこ、しーちゃんとは顔を合わせづらかったのよねぇ・・あんなこと、やっちゃったから。
ま、後悔はしてないけどさ。柳生って男、ちょっと、いかしてたし。
これで、しーちゃんは、アタシがあの子につまらないこと吹き込んだって怒鳴り込んできてさ、うまく、元の『悪友』『腐れ縁』に復活できるってもんだわ。
そして、あの子を丸め込んだら、あわよくば、3<ぴーっ>も出来るかも知れないじゃない!
おーっほっほっほ!
アタシの計画ってば、か・ん・ぺ・き♪
そりゃあね、アタシだって、しーちゃんを独り占めしたいけどね。
でも、目が無いのは分かってんのよ。だから、せめて、あの子を挟んでの3<ぴーっ>を目指してんのよ。
あぁん、もう、アタシってば、けなげだわぁ。
ぷるるるる・・・
あら、携帯が鳴ったわ。
・・・緋湧龍痲?
そういえば、さっき、教えたけど・・・何よ?今、しーちゃんちにいるんじゃないの?
「はい?」
『ととととととととととともともともともともともちゃんさん!!!!』
あら〜・・・動揺しまくってるわね・・・
『すすすすすみません・・・!あ、あのあのあの、村雨さんを押し倒したとこまでは、うまくいったんですけど!!』
・・・押し倒したの?
『そそそそそこからそこからそこから、どうしたらいいのかわかんなくって・・・!な、悩んでるうちに、村雨さんに押し倒されちゃって!!」
しーちゃん・・・早いわね・・・。
そりゃ、据え膳だものね・・でも、もう少し、手順踏んだ方がいいんじゃないかしら、この子の場合。
『そそれで、ぼ、僕が押し倒されるんじゃ、何か違うのかな〜って、とりあえず、逃げて来たんですけど!!』
おい。
『どどどうしたらいいんですか〜〜!!』
どうしたらって・・・アンタ、しーちゃん、ホントに押し倒して、何するつもりだったのよ?
「とりあえず・・・アンタ、今、どこよ?」
『あのあのあの〜!む、村雨さんの寝室の隣の部屋〜!』
・・・おいおい。
『い、今はテーブルとか引っ張ってきて、籠城してますけど・・・って、うわ〜〜〜!!!』
「どうしたの・・・」
『べ、ベランダ〜〜!!』
・・・あぁ、ドアは塞いだけど、ベランダからしーちゃんが回ってきたのね・・・。
この子・・マジでバカだわ・・・。
ま、バカな子ほど可愛いっていうけどね。
『くくくっ・・・先生・・・誰と、話してるんだい・・・?』
あら・・なんだか、しーちゃんの声、ケダモノモードだわ。
そりゃねぇ・・・ベッドに押し倒されて、よし!って自分が押し倒したら、逃げられちゃったんじゃねぇ・・。
キレるわね、そりゃ。
『うわ〜〜!!うわうわうわ、そのその、ダ、ダメ〜〜!!』
「あ〜・・、緋湧龍痲?」
『はははははひ〜!!』
「続きは、しーちゃんに教えてもらいなさいな。じゃね」
ぷちっ。
あぁ・・・良いコトした後は、気持ちがイイわぁ・・・。
さて、うまいこと言って、事後報告をしてもらおうっと。
楽しみねぇvvv
あとがき
ともちゃんの喋り方がよく分からんで。
結局、頭の中には、10年くらい前にあったアニメ『天空戦記シュラト』の
レイガ(声:井上某のオカマ)が、喋ったため、
こんな感じに。
「おーほっほっほ〜」とか「甘い甘い甘いわっわっわー!」とか
私の頭の中では、井上さんが熱演してくれます(笑)。