村雨祇孔料理講座
本日は、龍麻の活け作り〜ベシャメルソースかけです。
素材は、新鮮な龍麻を一人。
新鮮、と言っても、新しい龍麻を用意することはありません。普段から馴染んでいる『いつもの龍麻』の方が、料理しやすいでしょう。
俺は、いつも通り腰にタオルを巻いただけの姿で寝室に入った。
チェックのパジャマを着た龍麻は、枕を抱き締めるような格好で、横になってうとうとしているようだ。
ちなみに枕は犬型。チェックのペアパジャマを買ったら、同布を巻かれた犬型枕がおまけで付いてきた。
俺が青のチェックで先生はピンクのチェック。ピンク〜?と不満だったみてぇだが、この犬型枕は結構気に入っているらしい。
それはともかく。
俺は、横向きの龍麻に、そぅっと乗っかって耳元で囁いた。
「龍麻?もう寝たのか?」
龍麻の睫毛が、ふるふるとしたが、うにぃ、と意味不明な呻きを漏らしたのみで、またすぅすぅと安らかな寝息が聞こえてきた。
本気寝・・じゃねぇな。たぬきだ、これは。
「龍麻・・・。そんな無防備な格好で寝られちゃあなぁ・・・。・・・犯すぞ?」
パジャマの裾から手を侵入させつつ、囁いてやった。
ま、どこまで我慢できるかも、また一興だし・・。
が、目を閉じたままの龍麻の口から、呆れたようないらえが返ってきた。
「・・・起きても、結局、やるくせに・・・」
そりゃ、そうだ。
というか、毎晩やってることじゃねぇか。
今日に限って、イヤだってんなら、理由を示せ、理由を。
目の前の耳に舌を這わせると、首を竦めつつ、龍麻はぐるんと上向きになり、腕を伸ばして俺の頭を引き寄せた。
半ば目を閉じて、夢うつつのようにたどたどしく泳いでいた舌が、徐々に目覚めたのか激しく絡まっていく。
「・・・んっ・・・ふ・・・」
競い合うようにお互いの口腔を犯し、飲みきれない唾液と吐息が、合わさった唇の合間からこぼれ落ちた。
伝い落ちた滴を舌で舐め取ってやる。
「アンタの口の中は、温けぇなぁ」
「・・・単に、風呂上がりだからじゃないか?」
欲情しているには似合わない、どこかきょとんとした様子で龍麻は首を傾げる。
アンタ、そんな情緒のない・・・。
唇はこんなに愛らしく紅に染まって、俺を誘ってるってぇのにな。
「もっと、アンタの口を感じてぇっつってんだが?」
「そりゃ、キスすんのは俺も好きだけど・・」
しかし、村雨が、キスごときでお伺いを立てることはないだろうし、と不思議そうに龍麻は見上げた。
通じてねぇなぁ。
温かくて、柔らけぇ、この中を蹂躙してぇっつってんだが。
無言で、首に回っていた龍麻の腕を外し、その手を下へ持っていってやった。
タオルを押し上げる勢いで存在を主張しているそれを手のひらに感じて、龍麻は、あぁ、と納得したようだ。
「そんな遠回しに言わずに、さっさと言え」
「んじゃあ、『その可愛いお口に突っ込んで、たっぷりしゃぶって欲しいなぁ』・・・それはそれで露骨すぎるっつって怒るくせに・・・」
「なんか、文句あるのか?」
「ないです、はい」
「なら、黙って転がってろ」
もうちょっと、こう、雰囲気ってもんも楽しみたいんだが・・と内心こぼしつつ、しかしご機嫌を損ねるとやらせてもらえなくなるのは目に見えている。
かといって、言う通りに『黙って転がる』のも、男としてどうかと思うんで、俺は黙ってあぐらをかいた。
委細気にせず、龍麻は屈み込んで、「ひょい、ぱくっ」とでも擬音がつくような気軽さで、俺をくわえた。
大腿の内側に感じるさらさらの髪の毛を撫でつつ、大袈裟に溜息を吐いてやる。
「アンタ、最初から、これはイヤがらなかったよなぁ」
もうちょっと、戸惑いとか、恥じらいとか見せてくれた方が、こっちは燃えるんだがなぁ。
アイスバーでも舐めているような悪びれない表情で、龍麻は俺を見上げて、唇の端を吊り上げて見せた。
「別に・・・俺、結構、好きだし」
「好きなのは、俺のそれか?それとも、舐めることか?」
舌で裏筋を舐め上げつつ、そびえ立つそれ越しに、龍麻は、くすりと目元を緩ませた。
「おや、好き、というのは、村雨祇孔個人を指したつもりだったが?」
うぐ。
い、いかん・・・俺としたことが・・・顔が、にやけるぞ。
せめて、手で口を覆ったが、龍麻にはばれている気がする・・。
「・・・何だって、アンタは、人が抱きしめられねぇときに限って、そういう可愛いことを言うかねぇ・・・」
諦めて、そう言ってやると、龍麻は「よし、勝った!」とでも言いたそうな笑みを浮かべた。
勝ち負けの問題ではないような気がするんだが・・・本人には重要なことなんだろうよ。
それに・・俺の赤黒いアレの向こう側に、得意そうに笑う顔があるってのも、コントラストが妙に卑猥でそそるしな。
ご機嫌なまま、龍麻は俺の組んだ足首に頬を押しつけつつ、下の袋にまで口をつける。
舌を伸ばして、袋の裏側に唾液をこぼしつつ、口の中に吸い込んだ宝珠を柔らかく愛撫した。
やべ・・・結構、感じるんだよな、これ・・・。
おまけに、指先で俺の脇腹を撫でやがる。
くすぐってぇっての。
俺の微妙にひきつる腹筋を指先で確かめて、龍麻は満足そうに笑う。
まぁ、俺ぁ感じても龍麻みてぇに「あん・・」なんて声を出しゃしねぇから、こういう確かめ方になるんだろうけどよ。
龍麻は舌を巻き付けるように剣先まで扱き上げ、指は先程までなぶっていた袋へ下ろした。
「素直に感じてくれて、俺は嬉しい」
くすくすと笑いながら、上目遣いに俺を見る。
うわぉ。開いた口から、俺のもんの頭がずるんと出ては、また吸い込まれ・・わざと見せてんのかい?
龍麻は、また視線を落とし、俺の先を潤ませ始めたものを喉の奥まで導き入れた。
嘔吐反射で喉が鳴るのも利用して、温かな粘膜で俺を刺激する。
これでもか、と挑むような目で、ちらりと見上げ。
はいはい。降参だって。
て言うか、ここまで煽ったアンタの責任だよなぁ。
頭を引き寄せられて、龍麻は苦悶の声を漏らすが、離そうとはせず、頬を窄めてくる。
さすがは、俺の先生だ。
それじゃ、ま、遠慮なく・・・。
俺の方から腰を動かして、さんざんに喉の奥を突いてるせいで、瞳は生理的な涙に曇っちゃあいるが・・・未だ挑戦的な光をたたえていて。
「・・アンタは、ホント、さいっこーだな」
声の上擦った調子に、龍麻の目が満足そうに細められた。
ベシャメルソースは、素材にたっぷりと注ぎましょう。
ソースは素材の内部に詰め込むのも美味しいものですが、今回は、ベシャメルソース『かけ』なので、表面にかけることにします。
舌と上顎に挟まれて、きゅっと吸い込まれた瞬間に、俺は、逆に龍麻の頭を引き剥がした。
ずるっと粘液質なものが擦り合わされる音とともに、それが引き抜かれた瞬間。
龍麻の鼻先で、思い切りぶちまけた。
うわ、と小さく声を上げて、咄嗟に目を閉じるその上から、幾度かに分かれて放たれたそれの最後をなすりつけて。
青臭い匂いが立ちこめる。
鼻先に皺を寄せ、龍麻がうっすらと目を開いて恨みがましく呟いた。
「む〜ら〜さ〜め〜・・・」
顔は恐いが、俺の放ったそれがそこかしこに垂れている顔じゃあ、可愛いばっかりだ。
「いやぁ、飲んで貰うってぇのも愛を感じるんだが、たまには顔射も可愛くていいなぁ、と」
「なーにが、可愛い、か!」
龍麻は前髪を指先で触って、顔を顰める。
「あぁ、もう、髪にまで付いてるじゃないか〜。後で、絶対風呂入り直すぞ!」
「いや、ほら、美容にも良いらしいぜ?」
言いつつ、鼻の頭に溜まった粘液を頬にまで延ばしてやると、噛みつくような勢いで龍麻はその手を掴み、俺に飛びかかった。
押し止める手も間に合わず、俺の顔に頬を擦り寄せる。
「ほーら、お前も美容に良いぞ〜」
「アンタのならともかく、てめぇのじゃなぁ・・」
臭いし、強張るし・・・ちっとも楽しくねぇ。
あ?龍麻もそうだって?いいんだよ。俺のもんだって印なんだから。
「成分は一緒だろうが」
「アンタのは、甘いし、いい匂いなんだよ」
「・・・絶対、気のせいだと思う・・・」
呆れたように座り込む龍麻の身体を引き寄せて、俺はにやりと笑ってみせた。
「じゃあ、証明してやるぜ」
キスして前戯から始めると思わせつつ、背中に手を回して、一気に押し倒した。
龍麻が体勢を立て直す前に、足を開かせて、いきなりくわえる。
「ちょっ・・・待てってば〜!」
じたばたあがく腰をしっかりと掴み、ねっとりと舌を這わせてやれば、諦めたように龍麻の背がベッドに落ちた。
わざと、ぐちゅぐちゅと音を立てれば、髪の毛を引っ張って龍麻が涙目で睨み付けてくる。
「・・仕返しか!?」
「んな、聞こえの悪ぃ。お返し、と言ってくれよ」
ま、先生もかなり上達したが、所詮、俺の弟子だしなぁ。
匠の技、見せてやるっての。
「・・・やぁ・・・だっ・・・・ん!」
あっけなく追い上げられて、悔しそうに唇を震わせる。
垂れた唾液が後ろの窪みにまで辿り着き、微妙な感覚にふるりとしたのを見逃さず、指先でそこを撫でる。
ゆるゆると馴染ませるように円を描き、指を一本含ませるのと、龍麻が弾けるのは、ほぼ同時。
とろとろと流れ落ちるそれを、口の中に含んでおいて、ゆっくりと身を起こす。
荒い息を吐きながら、脱力している龍麻の首に口を寄せると、僅かずつ口元から垂らしながら、首から胸へと舌を這わせていった。
「ひゃ・・・」
息を飲んで身体が跳ねるその場所へは、よりたっぷりと粘液を乗せて。
舌と掌で白い粘液を肌にのばしていく。
「・・今日・・っ、お前、なんか・・変っ・・!」
「いいじゃねぇか。たまにゃ、こういう変態ちっくなのも」
「自分で、変態言うな〜!」
口ではとやかく言いつつも、俺の頭に添えられた手は、引き剥がすでもなくまとわりつくような動きなところが、何とも可愛い。
ん〜・・・素直な子には、ご褒美だな。
内に含ませたままの指は、かなり動かしやすくなっている。
・・・もう一本、増やしてやるか。
肉を柔らかくする方法は色々あります。
筋を切るために叩く、というのが一般的ですが、叩くと収縮して堅くなってしまう肉もあります。
今回は、叩かずに時間をかけて肉を柔らかく揉みほぐしましょう。
指の隙間から舌で唾液を塗り込める。
本人よりもよく知っている大事な場所を強く押さえれば、吐息を漏らして身体が跳ねた。
だが、ぐちゅぐちゅと音を立てて動かせるようになる頃には、知らず知らず足にこもった力が抜け、誘うように開かれる。
「ん・・・ん、くっ・・・」
顔を背けて手の甲で口を押さえ、快楽に耐える龍麻の顔が、うっすらと紅潮し、無意識だろう、哀願するような表情になった。
3本の指をばらばらに動かすと、触れてもいない龍麻のそれが、びくりと震える。
もうすっかり出来上がってんな。
ゆっくりと身体を伸び上がらせて、耳元で囁いた。
「もう、入れて欲しいか?」
とろとろに解れたそこは、淫猥な音を響かせて浅ましく収縮を繰り返している。
望みは分かっていながら、わざと言えば、龍麻が涙を浮かべた瞳で、それでも睨み付けてきた。
そうだろうと思ったぜ。
だが、たまにゃあ言ってくれても、ばちは当たんねぇと思うぜ?
ぴたりと指の動きさえ止めてやれば、唇を噛み締めてふいっと横を向いた。
「龍麻・・・」
掠れた声で囁いてやる。
たいていの女は、この声で落ちるんだがねぇ。
先生は、意地っ張りだから・・・。
「・・・したくないなら、そう言え。俺は、別にかまわない」
言う言う。
もしも、それで捨て置かれたら、渇望に身悶える羽目になるだろうに。
いや、そんな姿も見てみてぇけどな・・・さぞかし色っぺぇだろうなぁ・・・入れて欲しいのに、言い出せねぇで一人で見悶えてる龍麻、か・・・。
しかし、ま、あんまり虐めると後が恐ぇからな。
「いつかは、言って欲しいもんだが・・・ま、今日は譲ってやるよ」
言いざま、指を引き抜いて、代わりのものを押し当てる。
龍麻の熱に浮かされたような瞳が閉じられる。
それに小さなキスを落としながら、徐々に中へと押し込んだ。
こんだけ解れてて、これだけ熱烈歓迎してくれてんだが、やっぱり最初に俺のもんに押し開かれる感覚ってのは、どうにも慣れないらしい。
眉が顰められて、小さく浅い息を吐いてその瞬間をやり過ごそうとしている。
じわじわと奥に入れるのも、その違和感を感じる時間を引き延ばすだけだとは思うんだが、いきなり奥まで突っ込まれるのもイヤらしい。
ま、今日は一回出して余裕があるからな。じっくりと時間かけて埋め込んでやるか。
「・・・ね、もう・・・入ったぁ・・?」
・・・何度もしてんだから、俺のもんの大きさくらい把握しててくれよ・・・。
「もうちょい」
答えてやると、一瞬、泣き出しそうな目で俺を見上げた。
か、可愛い・・・。
・・・とか感じると・・・悪ぃ、龍麻。また大きくなっちまったかも知れねぇ。
龍麻は、顔の横にある俺の腕をしっかり掴んで、堪えている。
よ・・・・っと。
「入ったぜ」
身を折って、龍麻の耳元に口を寄せると、中のもんが動いたのか、びくっと身を竦ませた。
だが、ゆっくりと腕を俺の背中に回してくる。
これは、龍麻の『OK』の印。
ちなみに、どんなに理性がぶっ飛んでるように見えても、絶対爪立てずに握り拳で縋ってくるんだよなぁ。
背中の爪痕ってのは、男にとって勲章なんだから、気にしねぇのに、龍麻は妙なとこで気ぃ使いやがる。
気遣いなんて忘れるくれぇに攻め立ててみてぇもんだ。
だが、まあ、今日は、じっくりたっぷりのお料理コースだからな。
じわじわっと優し〜くしてやるか。
てことで。
最初だけは、一応、優しくしてやったつもりなんだが。
結局、いつも通りに激しくなっちまったな。
2回ばかり正常位で済ませて、とりあえず一旦俺は抜くことにした。
龍麻の奥はざわざわと俺を刺激していて、まだまだ歓待してくれてるが、そこをあえて、ずるりと引き抜く。
「・・・あ・・・」
思わず、って感じで漏れた声が、たまらなく艶っぽい。
いかにもセックスの続きって感じのキスをすると、龍麻もぼーっとした表情ながらも積極的に舌を絡めてくる。
んー、そうだよなぁ。2回じゃ物足りねぇよなぁ。
さっきまで俺が入ってたそこを指で探ると、じわりと中から潤みがこぼれて。
もったいねぇ・・・せっかく注ぎ込んだのに。
てことで、こぼれねぇように、と。
龍麻の腰を持ち上げて、ほとんど垂直に立てる。
肩と頭だけで身体を支える形になった龍麻が、抗議の声を上げるが、俺は構わず龍麻の足を開いた。
するってぇと、目の前に、そこが露になるわけで。
「見るなぁ、馬鹿ぁ!」
真っ赤になってじたばたする龍麻の足を抱え込んで、両手でそこの肉を左右に割った。
「すげぇ・・・ひくひくしてるぜ?」
「言うなぁ!」
龍麻の暴れっぷりはますます激しくなるが、この体勢じゃ力は入らねぇ。
かまわず、もっと押し開くと、中からこぷりと粘液が溢れてきた。
それは、重力に従って、龍麻の袋を伝い、じわりと龍麻自身の裏側を這い・・・先端からぽたりと落ちた。
「・・・やっ・・!」
ちょうど落下地点は龍麻の鼻先。
ぎゅっと瞑った目の方にたらりと流れていく。
面白くて、指で中から掻き出して、次々と溢れさせると、龍麻が弱々しく頭を振った。
「も・・やめろ、よぉ・・・」
涙と白い粘液とで目尻を滲ませ、恥辱に潤んだ瞳を向けられちゃあたまらねぇ。
しょうがねぇから、俺は指を引き抜いて、腰を上げた。
「そうかい・・・それじゃ、ま、溢れた分を補充するとするか」
「・・・しなくて、いいっ!」
聞こえません。
俺は、その体勢のまま、上から撃ち込むように龍麻を貫いた。
「やぁんっ!・・あっ・・あ・・・い、やあっ・・!」
最初っから、髪の毛を振り乱して、龍麻はあられもなく叫ぶ。
「やだっ!・・こ、こんなの・・・い、やだ・・・ってばぁっ・・ああっんっ!」
いやだっつっても、中は言葉とは逆にぐいぐいと引き込んでくる。
まったく・・・何度もやってんのに、処女みてぇな締め付けしやがるんだから・・・。
このままじゃ俺の方が追い上げられちまう。
負けてたまるか、と龍麻のいいとこを強く抉ってやれば、痙攣したようなさざ波が身体を走る。
もう、意味のある言葉は出てこない。
ただただ悲鳴を上げる龍麻のそれは、触りもしねぇのに立ち上がって震えている。
あ、これもまた・・・ちょうど良い角度かも知れねぇ・・・。
上からがんがんと杭を打ち込みつつ、龍麻のものに手を伸ばす。
先の温みを指で塗り込めるように撫で、先を捻るように強く擦ってやれば、龍麻の足が指先まで綺麗に反った。
「あぁっ!・・あっあっ・・も・・・い、やぁっ・・!」
止めに、ほとんど抜けるまで腰を引き、いいとこ目がけて思い切り押し込めると。
絶え入るような声で、龍麻が喉を反らせた。
俺が動くのに合わせて押し出すように放たれたそれは、狙い違わず龍麻の顔に降り注いだ。
くったりと脱力した身体が崩れ落ちるのに手を添えて、ゆっくりと足を降ろしてやる。
何度も唇を舐め、荒い息が落ち着いたところで、龍麻は怨ずるように俺を睨んだ。
「今日は・・・何なんだよ、もう・・・俺、精液まみれじゃんか〜・・・」
いや、何となく・・・今日はそういう気分で。
何で、とか理由を聞くなよ。俺にもわからねぇ。
だが、しかし。
さて、素材にベシャメルソースはたっぷりとかかったでしょうか?
内部にも詰め込みましたか?
それでは、ソースがかかってないところはないですね?
・・・え?裏側が、まだですか?
それは、片手落ちです。両面に塗りましょう。
「さて・・・と」
何気なく呟いたつもりだが、龍麻は思い切り警戒の目を向けてきた。
警戒されちゃあやりにくい・・・が。
この脱力具合は、いい感じだ。
口や目がどう抵抗しようと、身体の方は付いていかねぇと見た。
よし。・・よいせっと。
「ちょ・・・まさか・・・」
はい、多分、その「まさか」は正解です。
俯せにされて、龍麻は首を捻って俺の方を見上げる。
こうされても、俺を責めるんじゃなく、怯えた目で見るから、俺もまた調子に乗るんだよなぁ・・・って、てめぇで言ってりゃ世話ねぇが。
腰を俺に都合のいい位置に持ち上げる。
「やだ・・・後ろからは、やだ・・・」
そんな泣きそうに言われても。
だいたい、『後ろからされると俺の顔が見えないから不安だ』ってのは、背後にいるのが俺以外の可能性があるってことか?
アンタ、俺としかしてねぇんだから、俺の顔が見えようが見えまいが、自分をやってんのは俺だって分かるだろうに。
「むらさめぇ・・!」
咎めるような声は聞こえないふりをして。
後ろから、ずぶりと埋め込んだ。
腰だけ上げて、上半身はへたっている状態で、それでも前に逃げようとする。
だが、力の抜けた身体じゃ、ベッドヘッドに阻まれてそこでおしまいだ。
龍麻は枕に顔を埋めて、ひんひんと泣いた。
「いやぁ・・・村雨の、馬鹿ぁ・・・」
いいじゃねぇか、たまには。
嫌がる割には、燃えるくせに。
ということで、早く理性を無くさせようと、俺は龍麻のいいとこを散々突いた。
龍麻の方も、イヤ、だの、馬鹿、だの言いつつ、次第に出来上がってくる。
「ひ・・・いや・・・いやぁ・・・あ、い、やぁあっ!」
この、白い尻の間から、俺のもんが出入りする様子が見えるのがまた良いんだよなぁ。
3回流し込んだ後だから、ずくずくと音を立てて粘液が飛び散る。
うーん、これじゃ、中にぶちまけても溢れてくるだけだよなぁ。
・・・よし。
「だめぇっ!・・も、もぉ・・・」
ほれ見ろ、正常位より早ぇじゃねぇか。
ひくひくと蠢く襞と同様、震えている龍麻のそれに指を絡めて扱きあげる。
一際甲高い悲鳴を上げて、龍麻は達した。
ぎゅぅっと締め付けられるのに、俺はあえて自身を引き抜く。
そして、龍麻の尻から背中にかけて、思い切り解放するのだった。
絶景、絶景。
生温かい飛沫の感触にすら感じるのか、龍麻の背中がびくびくと跳ねる。
上半身はベッドに投げ出し、腰だけを持ち上げた姿で、龍麻は幾度か大きく深呼吸した。
時折、全身をびくんっと痙攣させるところを見ると、まだ内部はざわついてんだろう。
それから、のろのろと横向きにベッドに倒れ込み、龍麻は俺を睨み上げた。
「・・・風呂」
拗ねたように一言。
ま、そりゃそうだろうな。
表も裏も、粘液まみれだ。
「へぇへぇ」
俺は、さも恭しく龍麻の手を取り、紳士的に抱き上げるのだった。
はい、龍麻の活け作り〜ベシャメルソースかけ、完成しましたか?
2種類のソースをふんだんに使うのがコツです。
お味の方は如何でしょう?
ただ・・この料理は、調理したシェフ本人しか味わえない、という欠点がありますけどね。
それでは、今回の村雨祇孔料理講座を終わります。
また会う日まで、皆様、ごきげんよう〜。
あとがき
仁見さまからの暗号22222リクエスト『料理ネタ(裏込み)』でした。
これぞ、やおい!まさしく、やまなしおちなしいみなし!
私は、これを今年のエロ納めにして、後は清く正しく生きていきます。
・・・って、あと2週間しかないやんけ(笑)。