うーん、うーん・・・。
考えても考えても考えても、わかんないよぉ・・。
やっぱり、一人で考えるのは無理だったのかなぁ。
でもでも、誰に相談したら良いのかもわかんないし・・。
ともちゃんさん・・僕が村雨さんに会ったら何か起こるの知ってたみたいだし、聞いてみたいけど・・でも、ともちゃんさんも村雨さんが好きなんだよね。あんまり相談するのも、失礼だよね、きっと・・。
岩山先生・・でも、これ、きっと、病気じゃないと思うし・・あんまりお忙しいところをお邪魔するのは良くないし・・。
えとーえとー・・他の仲間・・でも、ともちゃんさんが、「男が男を好きになるのは、一般的には変なこと」って仰ってたから・・僕は良いんだけど、村雨さんにご迷惑がかかるとイヤだもんね・・。
としたら・・うわーん!どうしよう・・やっぱり、自分で考えるしかないんだ〜!
考えれば考えるだけ、苦しくなってくるのに〜・・。
ふえ・・・でも、早く考えないと・・村雨さんに変に思われちゃうから・・。
んと〜・・あ、もうピコピコハンマーが無いや。買って来よう・・それで、ご飯も買ってきて、それからゆっくり考えようっと。
外に出ると・・いつの間にか、暗くなってたんだなぁ・・しくしく・・寒い・・。
今から如月くんとこに行くのも、遅くなっちゃうかなぁ。・・コンビニでご飯だけにしとこうかなぁ・・。
ぼんやりと考えてると。
マンションの前に、車が停まって。
気にせずに歩いてると、そこから降りてきたのは。
「よぉ、先生」
うわ〜ん!!村雨さんだよ〜!
うわうわうわうわうわ・・どうしようどうしよう・・に、逃げたいよぉ・・だってだってだってだって痛いんだもん・・胸が・・。
でも、動けないでいるうちに、村雨さんがすぐ目の前まで来てて・・・うわ〜!腕!腕、掴んじゃダメ〜!熱いから、ダメ〜!
「会いたかったぜ、先生よぉ」
ひーん!ぎゅってしちゃダメ〜!
何で、そんな優しい声、出すんですか〜!僕、僕、本当に申し訳なくなってきて・・・あれ?
村雨さん・・すっごく声は優しいのに・・顔も笑ってるのに・・目が、怖い・・。
ど、どうしよう・・村雨さん、怒ってる・・。
「なぁ、先生?」
あ・・あ・・やだ・・怖い・・。
怖くて顔が上げられない僕の頬を、村雨さんの手が触れた。
そして、顔を持ち上げられて・・あ・・キスされた・・。
村雨さんの舌が、ぺろって舐めてくるのは・・口開けろって意味かなぁ・・でもでも、気が遠くなりそうで、ぎゅって目を閉じてたら、口もぎゅっと閉じちゃったみたいで・・どうしよう・・頭がくらくらする・・。
「キスもさせてくんねぇのかい?」
声はとてもとても優しいんだけど・・腕・・痛いです・・。
「それじゃあ、仕方ねぇよなぁ?」
え?なんか、楽しそう?
???どうにか目を開けると・・開けると・・・。
!!!
え?な、何?
お腹、痛い・・え?村雨さんの拳が、僕の鳩尾にめり込んでて・・・え?
息・・でき・・ない・・・・
どうにか、村雨さんを見上げると・・やっぱり目は怖いまま、村雨さんは笑ってた・・・。
なん・・・で・・・・・?
やっぱり・・・怒って・・るのか・・なぁ・・・・・・。
えと・・・
ここ・・どこだろう・・・
ていうか・・僕、どうしたんだっけ・・・
えと・・えと・・・とりあえず、目を開けてみようかな。
・・・暗い・・・見覚え、ないとこだなぁ・・・。
起きてみなくちゃ・・あれ。
手が、動かない。
そんなに、痛くはないから、柔らかいもので縛られてるんだろうけど・・引っ張っても、動かないや。
万歳、してる格好で、手が下ろせない。
足・・あ、足も動かない・・・。
なんだか・・イヤな記憶が戻ってきちゃったや・・・比良坂さんちのお兄ちゃんが、僕をベッドに縛り付けて、注射したり針刺して電気流したり・・・痛かったなぁ、あれは・・・。
また・・誰か、僕を実験動物にしたがってるのかなぁ・・。
痛いの、嫌いなのになぁ・・・。
「気が付いたかい?先生」
あ。
そうか・・村雨さんが・・・?え?でも、村雨さんが、僕を実験に使うわけないし、そもそも村雨さん科学者じゃないと思うし・・・。
なんで、こんなことするのかなぁ・・。
「気分はどうだい?痛かったかい?」
よくわかんない・・痛いような気もするし・・いつもの胸の痛みのような気もするし・・。
村雨さんは、僕の側に座って、僕の頬を撫でた。
えと・・僕は、ベッドに縛り付けられてて、動けなくて、村雨さんは、横に座ってて・・んと・・何で、こんなことするのかなぁ?
「あの・・村雨さん」
「なんだい?」
「どうして、僕、動けないんですか?」
村雨さんは、笑った。
優しそうに笑って、僕の髪を撫でた。
「また、雪連掌打たれちゃあ、たまんねぇからなぁ」
うわ。そ、そういえば、僕、そんな前科がありましたっけ・・・しくしく・・そう言われると辛いんですけど・・・あれ?雪連掌打ったときって、確か、お風呂場で、村雨さんが痛いことして・・あ・・じゃあ、やっぱり、村雨さん、今から痛いことするつもりなのかなぁ・・。
痛いのはやだなぁ・・ただでさえ、胸が痛いのに・・頭の中で、血液がごーごーって言ってるのに・・。
「えと・・ここはどこでしょう?」
逃げられないかなぁって思ったんだけど・・。
「あぁ、ここは、俺の隠れ家だ。・・人里離れたとこが気に入ってねぇ」
人里離れてるんですか・・逃げられないってことかなぁ・・僕、方向音痴だし、下手に一人で出て、遭難しちゃうのは、間抜けだもんね。
「逃げられねぇって、納得してくれたかい?」
こくって頷くと、村雨さんは、上半身を折るようにして、僕に覆い被さって、耳元で囁いた。
「なら・・良い子にしててくれるかい?」
どういうことかなぁ・・。
「えと・・具体的には、どのような・・」
「暴れたりしないかい?」
暴れる?僕が、村雨さん相手に、暴力を振るう?・・しないけど・・あ、でも雪連掌・・よっぽど村雨さん、イヤだったんだろうなぁ・・。
「んと・・た、多分・・・」
「ふぅん・・・多分、じゃ半分だな。足だけ、解いてやるよ」
しくしく・・だけど、絶対技使わないかって言われると、咄嗟にやっちゃうかもしんないし・・。
村雨さんは、僕の足にかかってた紐・・タオル?を解いてくれた。
これで、動けるように・・動けるように・・・なんで、村雨さん、上に乗るんですかぁ・・動けないじゃないですか・・。
ど、どうしよう・・また、村雨さんが触ってるとこが、熱くてじんじんする・・。
「む、村雨さん・・・」
「なんだい?」
「さ、さ、さ、触んないで、下さい・・・」
一所懸命言ったのに・・村雨さんは、ふぅん、って言って、目を細めて・・全然降りてくれる気配がないよぉ・・。
うわわわわ・・・頬も触っちゃダメ〜!
「なぁ、先生」
耳元で息吹きかけちゃダメ〜!
「俺は、アンタが好きだって、言ったよな?」
うわ・・・そんなそんな、低い声で言っちゃダメ・・・な、なんか、なんか・・だってだって、直接脳に響くみたいな、頭がぼーっとするんだからぁ・・。
うにゃっ!シ、シ、シ、シ、シャツのボタンを外しちゃダメ〜!
うわぁああっ!村雨さんの手が・・手がぁ!あ・・どうしよ・・・心臓がばくばく言ってるのが、聞こえちゃうよぉ・・。
「待って、待って、ようやく手に入れたと思ったら・・・その挙げ句に『好きじゃない』?・・そりゃあねぇんじゃねぇか?」
ぼーっとする・・・村雨さんの優しい声が、遠くの方で聞こえてくるみたいだ・・。
どうしよう・・くらくらする・・のに・・あ・・口、塞がれちゃった・・息、出来なくなるのに・・。
あ・・む、村雨さんの足が・・その・・触ってるよぉ・・擦っちゃだめぇ・・ひーん、ぐ、偶然なんだろうけど・・そんなそんな刺激するみたいな動き方しないでください・・。
うっきゃああっ!触っちゃダメ〜〜!!
ばれちゃう・・ちょっぴり恥ずかしいことになっちゃってるの、ばれちゃうよぉ〜!
あ・・やめてくれた・・・・・・うきゅうにゃあっ!!ズボン、ズボン、下ろしちゃダメ〜!
うわーんうわーんうわーん!ぼ、僕、これ、全裸・・シャツは腕で引っかかってるけど、でも、真っ裸〜!
ははははは恥ずかしいじゃないですかぁっ!
そんなそんなお風呂でもないのに、僕だけ裸なんて〜!
いえ、村雨さんも裸になって欲しい訳じゃなくて〜!
きゃあああっ!・・うわぁ・・村雨さん、やっぱり筋肉、僕よりある・・均整取れてて、綺麗な身体だなぁ・・。
温かい・・んだけど・・こ、これって・・は、裸で抱き合ってるって・・・遭難?遭難しちゃってるのかな?ここ、雪山?
やだ・・熱いよぉ・・寒いはずなのに・・熱いよぉ・・・ふえええぇぇん・・・。
も、何が、なんだか・・・・・・。
「なぁ、先生?」
「・・・はい・・・」
辛うじて答えたけど・・頭くらくらの真っ白・・目の奥ちかちか真っ赤っか・・・。
「一応、今後の参考のために聞いておきてぇんだがねぇ。・・・アンタの最初のキスの相手って誰だ?」
「・・・・・・・・・は?」
あれ?
目を開くと、村雨さんの顔が、目の前に・・・うわあぁあぁぁ・・。
もういっぺん、目を瞑って、と。
「あのぉ・・・やっぱり違ったんでしょうか、あれ・・・」
村雨さんが、あれをキスって表現されたから、キスなんだと思ってたんだけど・・・。
「違ったんでしょうかって・・アンタが言ったんだろ?キスは2回目だって」
「いえ、ですから、最初のあれをキスだと仰ったのは村雨さんで・・・」
思わず、また目を開いちゃったら・・村雨さんがどアップで、妙な顔をしていた。
「もういっぺん、聞くぞ?アンタの最初のキスは、いつのことだ?」
「え?あの、この前、村雨さんがお熱を出されていたとき・・・」
「・・どんなキスしたって?」
「どんなって・・・村雨さんの唇が乾いてて痛そうでしたので、舐めたら、村雨さんが目を覚まされて、『キスしたか?』って仰ったので、これもキスなんだって初めて気づいて、その・・・」
村雨さんは、少しの間視線を上に上げてて、それから、びっくりした顔になった。
「あれ、夢じゃなかったのか!」
・・・ほえ〜・・・夢だと思われてたのかぁ・・・。
あ・・でも、村雨さん・・さっきまでみたいな優しそうだけどなんか押し殺してるような顔じゃなくて、狼狽えてるけど生き生きしてる・・うん、いつもの村雨さんだ・・嬉しい・・。
あ・・今、僕、嬉しいって感じた?
村雨さん見て、幸せだって思った?
どきどきはしてるけど・・でも、村雨さんがなんだか苦しそうなのより、いつもの村雨さんだと、見てて幸せ・・・ふにゃあ〜・・よかった〜・・。
やっぱり、僕、村雨さんのことが『好き』だったんだ〜。
えへへ〜・・。
「村雨さん・・・」
「ん?なんだい?先生」
「好き・・・」
「あぁ!?」
村雨さんは、すっごいびっくりした顔で飛び起きて、それから、胡散臭そうな顔で僕を見た。
「いきなり、何を・・・逃げようたって、そう簡単に許しちゃやらねぇぜ?」
うにゃ?
う〜・・でもいいや。言いたかっただけだから。
「村雨さんが、好き」
ほにゃあ・・・幸せ〜・・。
やっぱり心臓はばくばく言ってるけど、体の中にカイロを入れてるみたいに、ほかほかして幸せ〜。
よかった〜えへへへへ〜。
「あのな、先生。大事なことだから、しっかり考えて答えろよ?」
村雨さんは、僕をじーっと見て、真剣な声で言った。
うわあ・・なんだか、村雨さんの目を見るの、久しぶり・・ん〜・・綺麗な目だなぁ・・どうして、村雨さんは、こんなに格好良いのかなぁ・・。
「先生は・・・俺のことが好きなんだな?」
「はいっ!」
あ・・しっかり考えて答えろって言われたっけ・・んと〜んと〜・・。
うん、一所懸命考えても、やっぱり好き。
「村雨さんが好きです」
「それじゃあ、なんだって、好きじゃない、なんて言いやがった?」
ほえ。
んと。どう言えばいいのかなぁ・・。
えっと〜えっと〜・・。
村雨さんは、僕の頭を撫で撫でしてくれた。
「先生。この可愛いおつむで考えてること、全部言っちまいな。その方が誤解がねぇってもんだ」
か、可愛いおつむ・・そんな子供じゃないんですから。
でも、うん、自分でまとめるより、全部言っちゃった方がいいのかもしれない。
えと・・じゃあ・・・。
僕は、一所懸命思い出して、村雨さんが好きだから、ほんわかしたこと、でも、今日は、心臓がばくばく言ってて、呼吸するのも痛かったこと、だから、『好き』じゃないのかと思ったこと、でもでも、今、やっぱり村雨さんの顔見て幸せだったから、『好き』なんだと思うこと・・・頑張って、お話しした。
僕の分かり難い話を、村雨さんは真剣な顔で聞いてくれて、時々相づちを打ってくれて、だから、僕は大丈夫なんだって思えて、最後まで話せた。
「・・・えと、だから、まだ心臓はぎゅーってして、頭がごーごーって言ってますけど、でも、村雨さんを見ると、ほかほかして暖かいので、やっぱり僕、村雨さんが好きなんだと思います」
そしたら、しばらく、村雨さんが固まってて。
どうしたのかなぁって声をかけようとしたら、いきなり村雨さんは、僕をぎゅーってした。
まままままままだ、ははは裸・・なんですけど・・・。
恥ずかしいのに・・・あれ?
村雨さん、すごい汗・・暑いのかなぁ・・どっちかって言うと、寒いんじゃないかと思うんだけど・・。
「村雨さん?」
「・・・くそっ、今更ながらに冷や汗が吹き出してきやがった」
ほえ〜冷や汗。・・・何で?なんか怖いことでもあったのかなぁ?
「悪ぃな、先生。今、解いてやるからな」
そう言って、村雨さんは、僕の手を縛ってた紐?を外してくれた。
ん〜、別に擦り剥いたりもしてないし、痛くないや。
僕が手首をさすさすしてると、村雨さんが僕の手を取って、そこをぺろって舐めた。
くすぐったい・・・。
「あ〜、危なく、誤解で強×するところだったぜ・・」
・・・ん〜、『ごーばつ』ってなんだろう・・・。
村雨さんが、僕の手を引っ張って起こしてくれたから、僕は村雨さんの前に座った。
・・やっぱり裸だから・・隠せないで恥ずかしいんだけど・・。
「なぁ、先生。・・その胸が痛いの、治してやろうか?」
うわあ、村雨さん、そんなことも出来るんですか!
すごいや・・・村雨さんは、何でもよくご存じで、何でも出来て、ホント凄い人だなぁ・・。
「先生は・・俺の言うこと、信じるよな?」
こくこく。村雨さんの仰ることなら、きっと正しいと思います。
「あのな、今から、治ることしてやるからな。そうしたら、きっと治るぜ?」
ほえ〜・・何するのかなぁ・・でも、治ると嬉しい。
「ま、ちっとばかり痛いかも知れねぇが・・」
痛いの・・やだなぁ・・。
「我慢できるよな?先生は、イイ子だもんな?」
ふえ・・・頑張ります・・。
村雨さんは、とっても優しく笑って、僕をぎゅっとした。
せっかく座ってたのに、また、ぽふって倒されて。
素肌に直接シーツが触る感触は慣れて無くて、なんだか変な気分だった。
でも、上から村雨さんが覆い被さってきて、肌が触れ合う感触も、なんだかドキドキするし・・。
村雨さんは、僕のことあやすみたいに、頬とか額とか鼻の頭とかに、ちゅって音をキスしてくれた。
んと・・気持ちいいかも。
ふにゃって眠くなるみたいに、安心する。
・・・って思ってたら。
口には、ちゅっじゃなくてぺたってキスで・・・あ・・・村雨さんの舌だ・・。
僕の舌とか、歯茎とか、ほっぺたとかを、ぺろぺろ舐めてきて・・くすぐったくて、押し戻そうとしたら、僕の舌がきゅうって吸われて、気づいたら村雨さんの口の中にいるみたいだったから、僕も村雨さんみたいに、村雨さんの歯とか歯茎とか舐めてみた。
・・・ほえ〜・・自分のじゃないと、こんな感触なんだ〜・・。
もっと遊びたかったのに、村雨さんの舌が僕のを押しのけるみたいに、ぐにって押してきて、負けるもんかってぐいぐい押してみたんだけど、そうしてる間に、涎が口からこぼれてたみたいで、口から首筋に伝い落ちるざわざわがくすぐったくって、僕は首を竦めた。
そしたら、村雨さんが僕から口を離して、その涎を追いかけるみたいに舌で跡を辿って、もっとくすぐったくなって・・・。
うきゅ・・耳まで舐めちゃダメ・・うにゃあ・・・・な、なんか、ぺちゃって音がすっごい大きく聞こえちゃう・・うにゃにゃあ!くすぐったいよぉ!
あわわあわわわ・・・胸〜!
触っちゃダメ〜!
「・・・先生のここは、可愛いな・・いかにも、誰も触ってねぇって感じで・・」
ひーん!耳に息が〜!
耳・・ダメ・・なんか、背中がぞくぞくって・・・・うわああん!だからって、胸を舐めて欲しいわけじゃないんです〜!
こここここんな、女の人じゃないんだから、薄ぺったい何にも無い胸触ったって、面白くないでしょーっ!
やあああん!摘んじゃダメ〜!囓るのはもっとダメ〜!!
くすぐったいよ〜くすぐったいよぉ・・・。
「・・気持ちいいかい?」
き、き、気持ちいいんじゃなくて・・くすぐったいんです〜!
「ふぅん・・じゃ、何でこいつはお目覚めしてんだろうなぁ」
にゃにゃにゃにゃにゃ〜〜!
やあだ〜!
触っちゃダメ〜!きゅって握っちゃダメ〜!
「・・・気持ち、イイだろ?」
ふえ・・・わかんない・・・。
ぷるぷるって頭振ったら、村雨さんはちょっと笑って・・・うわああん!僕の僕の僕の〜!ああああああああんなものをぱくって〜!ぱくって〜〜〜!!(半狂乱)
「気持ちイイ時は、気持ちイイって言うように、ちゃーんと教育してやるからな」
うにゃああああああ!
ダメ〜!ダメダメ〜!!
こ、こ、こんなこんな、足を思い切り広げた中に、村雨さんの頭があって・・・ぴちゃって音がする〜!
だってだってだって、そんな僕だって、自分で手でしたことはあるけど、こんな濡れてて熱くてぎゅって吸われたことなんて、無いんだから〜!
や・・やだ・・・ほ、本当に、もう出ちゃうよぉ・・・
村雨さん・・・離して〜!!は〜な〜し〜て〜〜!
あ・・あ・・・も・・・・・いっ・・・・!
・・・・!!!
むむむ村雨さんは、やっとお口を離してくれたけど・・もう遅いんだから〜!
うわああん!村雨さんのお口から、僕の・・僕の白いのが・・・うわあ!ごくって・・ごくって〜〜!!
「・・なかなか可愛かったぜ?」
ひーーーん!!
可愛くなんか無い〜!あああああんなもの、村雨さんのお口を汚しちゃったよぉ〜〜!
村雨さんは、にやって笑って、僕にキスした。
・・苦い・・こ、こんなの、飲んじゃったんだろうか・・・。
ふえ・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・。
「さて、と。こっからが本番だ」
にゃ〜!まだまだまだまだあるんですかああああ〜〜!
・・・も、泣きそう・・・。
ぐしぐしと目を擦ってたら、なんか、腰が持ち上げられて・・・お布団?お布団を丸めたのが、差し込まれた。
それで・・それで・・・ああああああ足を持ち上げられて〜!
ななななななななな・・・・・どどどどどこを見てるんですか〜!
そんなとこ見ちゃダメ〜!・・・そそそそんな顔近づけちゃダメ〜〜!
うっきゃああああああ!
やだ・・今の濡れたような感触は・・・この体勢からして・・・そそそそんなとこ、舐めちゃダメ〜!
さっきから、ダメってばっかり言ってるけど、だって、ホントにダメなんだもん〜!
そんなとこ、汚いんですから〜〜!
「綺麗な色、してんな」
知ーりーまーせーんー!
そそそそんなとこそんなとこ、色も何も緑色とかしてるわけないでしょ〜〜!
内臓色してるに決まってるでしょーー!!
ふぅ・・やっとお口、離してくれた・・・。
・・?村雨さん、その容器、何?
なんか、指で取って・・・にゃ!?にゃにゃにゃ!!?
ぼぼぼぼ僕僕僕、そそそんそんそんそんなとこ、怪我してませんてば〜!
ダメ〜〜!うわあああああん!入ってきた〜〜!
「ちっ・・きついな。先生、力抜けよ」
だってだってだって〜〜!入れちゃダメなんです〜!そんなとこ〜〜!!
でもでもでもぎゅーって力入れてても、村雨さんの指はどんどん奥に入ってくる〜〜!
ひ〜〜!ゆゆゆゆゆ指指指〜!あっち向いたりこっち向いたり・・・ぐりんって〜!
やだやだやだや・・・・・・・ひゃうんっ!!
「ふーん・・ここか」
なななななななななななにが〜〜!!
今の、何〜!なんかなんか、背筋を通って脳底までぎゅんって〜〜・・。
「む、村雨さん・・・そ、そこ、触っちゃ・・だめぇ・・・」
「ん?気持ちイイんだろ?いいじゃねぇか、思う存分啼けよ」
意地悪なこと言いながらも、抜いてくれて、やっぱり村雨さんは優しいな、と・・・おもっ・・・・・・やっやっやっ・・・!さ、さっきより、きつい〜!うわうわうわ・・・あ・・・2本〜!今度、2本入れてる〜!
だめだめだめ〜!ぐちゃって・・ぐちゃって〜!
うわあああん!ソコ、ダメって言ったのに〜!
ソコ触ったら、身体が勝手に跳ねて、変な声が出るんだから〜〜!
どどどどどどどうしよう・・・こんなのこんなのこんなの、変なんだから・・・こここここんなとこにゆゆゆ指入れられて、きっきっき気持ちイイ訳ないんだから〜!
村雨さんに嫌われるよぉ・・・やだ〜!嫌われたら、どうしよう・・・。
ぽろぽろ泣いてたら、村雨さんが、ぺろって拭ってくれた。
「ちっと、まだ、きついかも知れねぇが・・そろそろいけるかねぇ」
どどどどこに〜!どこに行かれるんですかぁっ!
ふえええええん!置いてっちゃやだ〜〜!
「よしよし、一緒にいこうな」
ふえ。一緒なら・・いいです。
でも・・どこに行くのかなぁ・・。
「なぁ、先生・・いや、龍痲。本当は用意してあんだが・・最初は生でやらせてもらっていいかい?」
な、なま?・・何が?・・茹で?焼く?ほえ〜?
「あのぉ・・村雨さん・・・」
「祇孔って呼びな」
うわあ・・・祇孔・・・って・・・は、恥ずかしい・・です・・。
「呼んでくれよ・・アンタ、俺の恋人・・だろ?」
・・・・・・・・・・・・・うわあ・・・・・・・・・・・・・
こ、恋人・・・そ、そうかぁ・・・恋人・・恋人・・・うわあ恥ずかしい・・・・・。
「・・・し・・・祇孔・・・・さん・・・・」
「『さん』はいらねぇって」
そ、そう言われましても・・・・。
「・・・・・・祇孔・・・・・・」
・・・さん。心の中でだけ、付け加えてようっと。
「よしよし。龍痲はイイ子だな。・・・これからも、二人きりの時は、そう呼ぶんだぜ?」
ど、努力します・・・。
龍痲って呼ばれるのも・・なんだか、嬉しいし・・。
「さて、と。痛かったら、泣いていいからな」
い、痛いんですか・・・。
「ほら・・・息吸って・・吐いて・・・」
村雨さんが言うのに合わせて、息を吸って・・吐いて・・・・・・っってっぇええええ!!
あ・あ・・あ・・・あ・あ・・あ・・・!!
な、な、な、な、何〜これえええええ〜〜!
身体の奥が・・いったぁいい!何、何、何〜!食べられちゃってるの〜!?
「・・龍痲」
あ・・・。
「そっちの手・・ほら、俺の背中に回しな」
ん〜〜!!
「いいぜ・・引っ掻いて、気が紛れんなら、そうしな」
ふえええええん!気を紛らわせるどころじゃないです〜!
だってだってだって、身体が真っ二つに裂けちゃったんだもん〜!
絶対そうだ〜・・足に力入んないし・・痛いし・・・。
「大丈夫・・だって。ほら・・触ってみな」
村雨さんが、僕の手を取って、後ろに回す。
・・・?村雨さんが、ぴったりくっついてて・・・え?これ・・どこ?僕の・・お尻?
「裂けてねぇって。上手にくわえ込んでるぜ?」
ほえ〜・・・な、何を・・・?えと・・・ここが村雨さんのこうなってああなって・・・ええええええ!?む、村雨さんのアレが入ってるの!?う、嘘〜!だって、あんなおっきいの、入るわけ無い・・・!!
で、でも、入ってるんだよね・・・うわあ・・・信じらんない・・・。
「さ・・・じゃ、またしがみついてな。・・動くぜ」
え?え?え?え?
うきゃああああ!!
だめだめだめ〜!ずしって・・な、なんか、喉までぐいって押されたみたいな・・・!いや、そんな、いくら村雨さんのアレが大きくったって、喉まで入ってくるわけないのに〜!
ひゃああん!ナカで・・ナカで〜!暴れてる〜!
絶対・・僕、壊れるよぉ・・・。
僕がじたばたしても、村雨さんは上手に逸らして、力入れて・・・僕・・こんな格好・・恥ずかしい・・・。
こ、こんな、足広げて・・二つに折り曲げられて・・・そ、それで、真ん中に村雨さんが入ってて・・・ふええええん・・・・。
「・・・このへん・・だったな」
〜〜〜!!!
な、な、な、な・・・・!!
うわあっ・・またあ〜〜!!
「いいぜ・・たっぷり、啼きな・・!」
ひゃああんっ!そ、そこダメ〜〜!
目の前が・・・ちかちかってする〜・・・頭ん中・・・真っ白・・・わかんない・・・わかんないけど・・・・・
気持ちイイよぉ・・・・・・。
じ、自分の声も、なんか・・すごい変だけど・・・だけど、村雨さんがいるところは、もっと変になってる・・・ぐちゃぐちゃって、泥の中を歩いたみたいな音してる・・・溶けちゃったんだよぉ、きっと・・・だって、すっごい熱いもん・・・。
お腹の中も、すっごい熱い・・・どうしよう・・・お腹の中、きっとどろどろになっちゃったんだ・・・。
変だけど・・・変だけど・・・でも、村雨さんが、「龍痲」って呼んでくれて・・・嬉しい。
「・・祇孔・・・しこう・・・」
だから、一所懸命、名前を呼んだら、キスしてくれた。
そして・・そのまま、村雨さんが、すっごい奥まで入ってきて・・・熱くって熱くって・・・・・
・・・あ・・・・・・
ほえ〜・・・・・。
な、何がどうなったんだろ・・・・・。
えと・・・熱くて・・・き、気持ち・・よくて・・・・シーツ・・気持ちいいなぁ、冷たくて・・。
うわあ・・お尻・・まだ熱い・・・。
「お、気がついたかい?」
あれ?村雨さんだ。タオル持って、こっちに歩いて来てる・・・。
ん〜と・・・
「どうかしたかい?」
「だって・・・村雨さん、まだ、中にいるみたいなのに・・・」
でも、村雨さんは、そこにいるし・・・そしたら、中に何が入ってるのかなって・・・・あれ?
村雨さんが、ごつんってベッドに頭ぶつけちゃった。
だ、大丈夫かなぁ・・。
「アンタな・・・すげぇこと言うな・・」
え?え?え?
ぼ、僕、変なこと言っちゃったかなぁ・・・あ・・村雨さん、顔赤い・・。
村雨さんは、ベッドの端っこに腰掛けて、僕の頭を撫でてくれた。
「気分はどうだい?」
んと・・・大丈夫です。
あ、胸が痛いのも、治った・・・かも・・・よくわかんない・・だって、違うとこが痛いから紛れてるだけかもしれないし・・。
「・・気持ち良かっただろ?」
「はい」
うん、それは本当。だから、聞かれてすぐに、うんって頷いたら、村雨さんが笑って、僕の髪をぐしゃぐしゃってした。
「先生は、ホントに素直だねぇ」
ほえ。
なんか、いけなかったかなぁ?
「いや?俺も気持ち良かったぜ?」
村雨さんは、また僕の髪をぐしゃぐしゃってしてから、じっと僕の目を見た。
「先生。これで、アンタは、俺のモノだ」
ほえ〜・・そうなのか〜・・。
「ま、俺もアンタのモノだけどな」
うわあ。・・・う、嬉しいかも・・・。
「だけどな」
そして、村雨さんは、恐い目をした。
「だから、アンタは、他の奴に触らせたりするんじゃねぇぜ?あんまりフラフラと誰にでもくっついて行きやがったら・・・嫌いになるからな」
やだ・・・嫌われるの、やだ・・・。
ふえ・・・別に、誰かにフラフラくっついて行った覚えはないけど・・・今後、気をつけます。
だって、嫌われたくないし・・。
「よしよし、先生はイイ子だな」
村雨さんは、ちょっと目を細めて、笑ってくれた。
うわあ・・やっぱり、心臓、ばくばく言うかも・・・。
でも、気持ち悪くはないや。
うん、きっと、村雨さんがカッコイイから、どきどきするんだよね。
えへへ〜、こんなカッコイイ人が、僕を好きって言ってくれるなんて・・・すごいなぁ、一生分の運を使っちゃったかも〜・・。
それから、村雨さんが、「もう一回してもいいかい?」って聞くから、はいって言ったら、よくわかんないけど、またぐちゃぐちゃの変になっちゃって、そしたら、朝、起き上がれなくなって、座りこんじゃったら、村雨さんがおんぶして車まで運んでくれた。
ご迷惑おかけしちゃったけど、村雨さんの背中は温かくって、気持ちよかった。
村雨さんは、優しくて、ホントにいい人だなぁって思って、僕は、そんな人と一緒にいられて、すっごい幸福者だなぁって思うのだった。
あとがき
騙されてる?ねぇ、騙されてる?
誰か、龍痲さんに言ってやって下さい・・。
いえ、村雨さんは、本気で龍痲さんのこと好きなので、問題無いような気もしますが。
てことで、『心から始まった関係』、ようやく身体に行き着きました〜!
・・・あ、でも、終わりませんから(笑)。