RPG妄想




京一「何だ?これ」
龍麻「見ての通り、魔人でRPGをやったら、どんな感じになるか、
   と言う」
京一「いや、だけどさー、考えるまでもなく、ひーちゃんが先代勇者の
   息子で、宿敵柳生を倒すってことで・・・」
龍麻「却下」
京一「でもって、俺は、村にいる幼なじみかなんかで、最初の
   パーティーメンバーで・・・って、
   へ!?却下!?」
龍麻「何と言うか・・
   無手の奴がロープレの主人公って、おかしくないか?
   主人公ってのは、こう・・最初の装備がナイフと布の服か
   何かで、ショートソード、ロングソード、バッソ
   (バスタードソード)、グレソ(グレートソード)とレベルアップして
   いって、最終的にエクスカリバーとかの名前付き剣を持つもの
   だろう」
京一「・・エクスカリバー・・諸羽が持ってるけどな」
龍麻「不思議と斧とか槍を獲物に持つ主人公っていないよなー。
   差別か?」
京一「いやあ、剣士って洗練されてる雰囲気あるんじゃねぇか?」
龍麻「ってことで、喜べ、京一」
京一「・・・はい?」(←何か不吉なものを感じているらしい)
龍麻「お前がヒーローだ」
京一「俺!?俺が主人公!?ヒーロー!?
   ・・・おおおっ!俺はやったぜ!!」
龍麻「で、俺は、魔王をやる」
京一「・・・・・・・へ?」
龍麻「いや、だから、魔王」
京一「・・いやん」


龍麻「パーティーのメンバーは・・・」
紗夜「わたし、龍麻さんのためになら、魔族にでも何にでも、
   なってみせます!!」
龍麻「うわ、比良坂!!」
紗夜「だから・・魔王さまのお側に!」
龍麻「・・魔族にでも、ったって、貴様、はなっから魔族みたいなもん
   じゃないか・・(ぶつぶつ)」
美里「あら、私だって、龍麻の役に立てるわ。
   ねぇ、龍麻?(にっこり)」
京一「美里まで・・よかったな、ひーちゃん!両手に花だぜ!」
龍麻「毒が2倍・・まあ、打ち消し合ってくれれば、その方が・・」
美里「私と龍麻は切っても切れない宿星の縁によって結ばれている
   んだもの。どこへでも付いていくわ。うふふ」
壬生「聞き捨てなりませんね。だとすれば、一心同体、もとい
   表裏一体のこの僕も、魔王側で参加させてもらいましょうか。
   役に立ってみせるよ、龍麻」
龍麻「あ、紅葉。うん、紅葉なら、側近でもいいかもしんない」
如月「待った。この僕を忘れてはいないだろうね?
   僕は、君を守るために生まれてきた・・
   僕こそ、魔王の側近に相応しいはずだ!」
龍麻「うーん、いつの間にか、魔王の四天王が決まってしまったぞ。
   これも、この俺の人徳というものだな」
京一「・・・ずりぃや、ひーちゃん・・・」


京一「とすれば、俺の仲間は、まず・・」
龍麻「暑苦しい正義の格闘家が二人」
京一「・・醍醐と紫暮・・」
龍麻「いいじゃないか、装備に金がいらなさそうで」
京一「・・前線タイプばっかりじゃねぇか。美里がいないとなると、
   癒し手は・・」
舞子「はぁい!舞子、正義の勇者〜!」
京一「くぅっ!いいやつだな、高見沢!」
霧島「京一先輩!僕も勇者側で参加させて下さい!」
龍麻「当たり前だ。どこの世界にエクスカリバーを持った魔王側の
   やつがおるか」
霧島「さやかちゃんも、一緒に行きますね!」
京一「おっし!やりぃ!!」
龍麻「『奇跡の歌姫』を恋人に持つエクスカリバー所有の勇者か・・
   京一、しっかりしないと、食われるぞ」


紗夜「『奇跡の歌姫』・・・わたしだって、歌姫なのに・・・」
美里「そうね、貴女には、『破壊の女王』なんてどうかしら?」
紗夜「そういう美里さんには『地獄の聖母』なんてどうですか?」
美里「うふふ・・」
紗夜「えへへ・・」
龍麻「(ここはノーコメントで通したい・・)」
如月「ならば、僕は『氷の貴公子』だな」
龍麻「・・さりげなくずうずうしい主張だな・・」
壬生「さて、では、僕は何にしましょうか。・・餓狼・・何か違うし・・」
京一「いつもの手芸アサシンは?」
壬生「蓬莱寺くん・・仮にも魔王の四天王に向かって、
   『手芸アサシン』は無いでしょう?」
如月「メルヘンチックストーカー」
壬生「・・ファンタスティックジャパニーズニンジャに
   言われたくないですね」
龍麻「えーと・・ナイトウォーカーとか・・ちょっとイマイチか」
壬生「あ、それはなかなか。『闇を歩く者』と、日本語で」
龍麻「あ、格好良いかも」
壬生「とすると・・魔族の中でも、吸血鬼や吸精鬼といったあたりの
   夜の眷属は、僕の統括だね」
龍麻「うわー、そこまで決まっちゃったか」
如月「なら、僕は、水・・水・・・・・・獣人族を統括しよう」
龍麻「水は出てこなかったんだな」
京一「でもさー、変化するから獣人族ってのは良いけどよー。
   ・・その頭が、『亀』に変化するってのは、どうよ」
龍麻「そうだな。
   亀が人狼だの人虎だの人馬だののトップってのもなー」
如月「亀ではない!!玄武だ!!」

紗夜「なら、わたしは、スケルトンとかグールとかの死霊たちを
   統べますね♪」
龍麻「似合いすぎて、反論できんな」
美里「あら・・なら、私の管轄は何かしら」
龍麻「あと、魔王側のキャラというと・・コボルトとかゴブリンとかの
   小妖魔どもか」
紗夜「美里さん、お似合いです♪雑魚キャラを統括するなんて」
美里「あら、スケルトンも充分雑魚キャラだと思うけど」
紗夜「えへへ♪」
美里「うふふ・・・」
龍麻「・・・あ〜・・小妖魔は普通はやられキャラだが、それを統べる
   女王の魔力で、充分に強力化(孔雀・金剛・祝福・羅刹付き(笑))。
   それらの治癒も一手に引き受けているため、『地獄の聖母』と
   皆(小妖魔)に慕われている、と、こんなところでどうだろう」
美里「あら・・悪くはないわね。
   きっと、私のためなら、いつでも命を投げ出すのね、みんな」
龍麻「そうそう」

龍麻「何だか、魔王側が強力だな」
京一「頼むよ、ひーちゃん・・・」
龍麻「そろそろ魔王側は締め切って・・・」
裏密「ミサちゃんも、仲間に入れて〜」
龍麻「あ、そうだな。裏密は、魔王側だな、間違いなく」
裏密「うふふふふふ〜、一杯、召喚するよ〜」
龍麻「頼もしいな」
京一「だから、もう、勘弁してくれ・・」

龍麻「桜井や雨紋、藤咲・・
   織部は当然神社ならぬ神殿の巫女さんで・・」
京一「コスモはどこでもコスモやってんだろうな」
龍麻「勇者と関係なく世のため人のため戦ってるだろうよ。
   実力はともかく」
京一「ひーちゃん、ひでぇ・・」
龍麻「アランはそっち、マリィは・・」
美里「うふふ・・私の妹だもの、当然、こちら側にいるわ。
   『劫火の少女』なんてどう?」
龍麻「うーん・・・ま、魔王側にいるにも関わらず、心優しくて自分の
   することに悩んでいるキャラというのも必要だしな」

龍麻「残り、劉は・・勇者だな」
弦月「え〜!なんでやのん!?わいかて魔王の弟分やんか〜」
龍麻「光撃掌の使い手が魔王側でどうする。
   えーと、ユエの設定は、こうだ。
   『先代魔王が人間の娘に生ませた半魔半人で、魔王の腹違い
   の弟。光の魔法を習得し、母の属する人間側を守ろうと
   している』」
弦月「・・かっこええ〜・・」
京一「ひいきだ、ひいきだ!」
龍麻「設定からすると、かなりレベルは上だな。
   冒険の最後の方になって仲間になるんだな、きっと」

龍麻「あと、御門と芙蓉ちゃんは・・」
御門「勇者に助言する、魔術師の統括者。
   芙蓉はその使い魔。以上」
龍麻「・・・脇役キャラか・・・」
御門「こんなくだらないことに付き合っていられませんから」
龍麻「ま、そういうキャラも必要だけどな」
京一「あ〜・・強力な協力者を失ってしまった〜・・」
龍麻「京一。・・シャレか?」


京一「・・・何か、足りなくねぇ?」
龍麻「村雨、いい加減、何か言え」
壬生「あ、魔王の四天王はもう間に合ってますからね」
如月「そもそも魔王側のスロットは、もう一杯だ」(←嘘を吐け)
村雨「へっ、真打ちは最後に登場するもんさ」(余裕の笑み)
京一「で?どうせ、ひーちゃんの側にいるんだろ?」
村雨「種族は人間」
京一「げっ・・」
龍麻「ほぉ・・・」(←目が剣呑)
村雨「第一次魔王征伐隊の中で、『運良く』魔王の間まで辿り着き、
   更に生き残った唯一人の人間」
龍麻「・・・うっ・・・!」(←ちょっぴりツボを突かれたらしい)
村雨「その時戦った魔王に一目惚れして、口説き倒し、物珍しかった
   のか、気紛れか、魔王は俺を生かして、側に置いているっ
   てぇのはどうだ?」
壬生「・・・つまり、魔王の愛人・・ということですか?」
村雨「その通り」
如月「まーた、そういうおいしい真似を・・」
龍麻「・・ただの愛人か?」
村雨「おっ、さすが先生、鋭いねぇ。
   元人間で魔王側に転んだ奴らを統括しつつも、実は虎視眈々と
   魔王を倒す機会を狙ってるってことで」
美里「くっ・・なかなかやるわね。それは、かなりおいしいわ!」
京一「そ、そうなのか?」
美里「『元敵』!!」
紗夜「『種族の違い』!!」
美里「本当は好きになってはいけない相手なのに、でも惹かれて
   しまう、この葛藤・・」
紗夜「そして、ただのラブラブではない、張りつめた緊張感・・」
美里「女心を鷲掴みにする設定だわ」
京一「・・・よく、わかんね・・・」
壬生「きっと、僕や如月さんともお茶とか飲んで、表面上和やか
   ですけど、裏切ってるんじゃないかと腹を探り合ったりしてるん
   ですね」
村雨「どうだい?先生。気に入ってくれたかい?」
龍麻「・・・よし!許す!側にいるが良い!」


京一「・・・でさー、これって、SSかゲームかになるのか?」
龍麻「ならんだろう。そんなの、すでに魔人のパロじゃなく限りなく
   オリジナルに近いぞ」
京一「だ、だよなー!はー、良かった・・」
龍麻「何が。主人公なのに、気に入らんか?」
京一「だってよ、どう考えても、俺、勝てそうにねーもん」
龍麻「ヒーローが魔王に負けるRPGか・・・斬新だな(笑)」
京一「せめて、脚本書く人が京主ならなー、同じ配役でも何とかなる
   かもしんねーけどよー、村主一本の人じゃなー」
龍麻「いや、きっとお前とは関係のないところで話が展開して、
   村雨が俺を封じたりするんだよ」
京一「それもなー・・主人公、何やってんだーって感じでなー」
龍麻「てことで、この話は、単なる妄想ってことで」
京一「そう願いたいな」





魔人秘密文書室に戻る