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 九サマはぁ、最初はあんまり爆弾が好きでは無かったんですのぉ。
 遺跡を崩してしまいそうだからって仰ったので、リカは、ちゃ〜んと威力を計算して必要最低限の爆薬を使うことこそ爆弾の極意って教えて差し上げましたのぉ。
 そうしたら、九サマは少し笑って、リカに頭を下げられましたのぉ。
 「そうですね、自分の未熟を爆弾のせいにしちゃいけませんね」って。
 そして、リカの爆薬の知識を教えて欲しいって仰いましたのぉ。
 あのですねぇ、リカはぁ、こんな格好してますしぃ、話し方がこんな感じなので、よく子供扱いされますけどぉ、ちゃんと18歳の高校3年生なんですのぉ。
 ですけどぉ、そう言う風に扱って下さる方って、本当に少ないんですのよねぇ。
 でも、九サマはリカを対等な一個の人間として扱って下さいますのぉ。
 <仲間>として信頼して下さって、リカの爆薬の知識を本当に尊敬しているって仰って下さいますのぉ。
 それって、凄いことだと思いませんかぁ?
 トレジャーハンターとして知識も年季もある方が、素人の女子高校生に頭を下げるんですのよぉ?
 九サマって、本当に器の大きい方だと思いますのよぉ。
 本当に、リカの王子サマになって頂きたいくらいですのにぃ…それはきっぱり断られてしまいましたわ。
 「だって、俺はかまち君が好きだから」
 ですって。
 それも凄いですわよねぇ。堂々と同性を好きだって胸を張って言えるなんて羨ましいですわぁ。
 取手君はリカと同じクラスですけどぉ、九サマの想い人でなければあまり興味の無い方でしたわぁ。でも、それ以来よく観察するんですけどぉ、九サマの仰ることも分かるような気がしますのぉ。
 気の弱い大型犬が、悲しそうに見上げているみたいで放っておけないっていう感じですわねぇ。
 リカはぁ、もっと可愛らしいシマリスさんのような動物が好きですけど。
 それにぃ…気弱とは言っても、大型犬ですものねぇ。かぷりって食べられると、歯形が残ると思いますのよぉ?
 ふふっ、今は、九サマのインナー、首筋まで隠れるものですけどねぇ?
 それでは、またぁ。



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