コンタクトレンズ装用時の注意

コンタクトレンズ(CL)は角膜に接しその間に涙液があります。又角膜は血管がなくその酸素供給は空中の酸素に負っています。角膜は涙液をかいして大気より酸素の補給を受けています。角膜上皮細胞(角膜表面細胞)は再生しますが角膜内皮細胞(角膜内面の細胞)は再生せず障害を受けると取り返しのつかないことになります(不適切なCLの装用や不適切な装用方法で内皮障害を来たすことがあります)。

1)             ドライアイではCL装用による角膜障害を来たしやすく(正常者の4倍)、酸素透過コンタクトレンズ(HCL)又は使い捨てソフトコンタクトレンズ(SCL)を人工涙液などの点眼の元に使用しなければならない場合もあります。又重症例では涙点プラグ等を用います。

2)             アレルギー症状のある方では、花粉症などその時期は短期装用使い捨てSCLで乗り切らざるをえません。長期にわたり装用するソフトコンタクトレンズでは涙液中の変質した蛋白等がCLに吸着しそのためにアレルギー性結膜炎を悪化させることがあります。

3)             角膜潰瘍等:CLによる小さな角膜の傷より感染を来たし角膜潰瘍を起こすことがしばしばあります。その原因としては細菌及びアメーバー(原虫)等があります。HCLでは角膜病変を来たせば眼痛などのため装用不可能となり眼科受診するため重症化することは稀ですが SCLでは装用することによりその症状を軽快させるため眼科受診が遅れ重症化し失明につながる危険性があります。

アレルギー性変化のある眼では短期装用型コンタクトレンズを使用するか又はコンタクトレンズを常に清潔に保ち(コスリ洗いの必要性)且つ少しでも異常を感じたら眼科医の検査を受けることをお勧めします。また角膜潰瘍による失明防止には早期治療が第一です(異物感等の症状があればすぐ眼科受診をお勧めします。)
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