歪率特性 | ||||||||||||||||||
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自分の作ったアンプの歪率特性が描けたらどんなにいいだろう。 でも歪率計はとても高くて買えない、そのようなあなた、 パソコンとちょっとした工夫で歪率特性カーブが描けちゃいます。 |
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市販の歪率計は高い、とてもアマチュアには手が出ません。そこで、パソコンを測定器に仕立て歪率を計測してみます。ソフトウェアはフリーソフトのWaveGene(低周波発振器)とWaveSpectra(スペクロラムアナライザ)です。 WaveGene(低周波発振器)でアンプに正弦波信号を加え、WaveSpectra(スペクロラムアナライザ)で歪率を測定します。 |
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フリーソフトのWaveGeneとWaveSpectraはefuさんが製作された信号発生ソフトと高速リアルタイム
スペクトラムアナライザ ソフトです。どちらもすばらしいソフトでこのようなソフトが自由に使えることにただ感謝するのみです。efuさんありがとうございます。 下記からダウンロードできます。どちらもバージョンはV1.31(2006年8月現在)です。 WaveGene WaveSpectra をダウンロードしてください。 http://www.ne.jp/asahi/fa/efu/ また、WaveSpectraを使用した歪測定方法を詳しく解説した、善本さんのページがあります。私もここを参考に使い始めました。 善本さんの「WaveSpectraを用いた歪率測定のしかた」のページは下記です。 http://homepage3.nifty.com/softone/ws/wstop.htm |
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当初、軽い実験でWaveGeneとWaveSpectraを使ってうまいこと歪率の測定が出来ました。 ・・・しかしその後再実験をするとうまく行きません。前述の善本さんのように外部の低周波発振器を使うとうまく行きますが、WaveGeneを使ったソフトの発振器では安定してデータを採ることが出来ません。 原因は同一のサウンドカードから発振器の出力を出し、データ計測用のLINE IN入力を受けるため、サウンドカード内で回り込みを起こし不安定になるのです。ひどいときには発振状態になります。これではまともな計測は出来ません。 回りこみ対策をいくつかやってみましたが全く歯が立たない状態。そのときの失敗回路が下記の回路 |
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そして行き着いた結果が発振出力とデータ計測用の入力を別々のサウンドカードから行うことでした。サウンドカードを2枚用意するのです。ちょっと贅沢でもったいないようですが、発振出力用のサウンドカードは1,980円の安いものを使用します。回路組んだりシャーシ買ったりするとすぐこれくらいの金額行っちゃいます。 |
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そして、最終的に下記のような回路でこのフリーソフトを使用した歪率測定をすることが出来ました。 上記の失敗回路との違いは、サウンドカードを2個用意して発振出力用と計測入力用をそれぞれ別のサウンドカードを使用したことです。 |
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計測入力用のサウンドカードは24bit/98kHzのものを必ず使用してください。 発振出力用は16bit/48kHzの安いサウンドカードでも歪率測定用の信号源としては(アマチュア的に)充分な性能が出ました。 以下、この回路を使って歪率の計測方法を説明します。 |
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交流電圧計(ミリボル)です。昔は中に真空管が入っていてバルボルと言っていました。 ミリボルは1000kHz(1MHz)程度の交流電圧を正確に測定します。また、測定レンジがμVから数100Vまで測定できるようになっています。 アンプの測定には欠かせない測定器です。 私の持っているのはNational製VP-3196Aと言い、アマチュア無線のハムフェアーで3,000円で入手したものです。ネットオークションでは3,000〜10,000円程度で取引されているようです。 これで、出力の電圧を測りアンプが何Wかを知ることが出来ます。 |
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8Ω(8.2Ω)20Wのセメント抵抗。スピーカー用ダミー抵抗です。 | ||||||||||||||||||
ボリュームボックス。10kΩ(B)をプラスチックの箱に入れました。ボリュームカバーの金属部分は側とアースを取ります(GND側と接続)。 | ||||||||||||||||||
SoundBlasterAudigy2 NX CREATIVE製の24bit/96kHzサウンドユニットで、パソコンとはUSB接続のものです。 ノートパソコンでも使えるのでこれにしました。 ほかにもデスクトップパソコンならボードタイプで安いものもあります。Sound Blaster Audigy LSやAudigy Valueあたりが比較的安い24bit/96kHzサウンドボードです。 |
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Sound Blaster 5.1 CREATIVE製の16bit/48kHzサウンドカード。1,980円(2006年8月現在) 発振出力用に使います。 |
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まずは24bitサウンドユニット「SoundBlasterAudigy2 NX」と16bitサウンドボード「Sound
Blaster 5.1」を使える状態にしておきます。 その後、フリーソフトのインストールです。 基本音源(周波数)の発生はWaveGeneというフリーソフトを使います。(もちろん低周波発振器をお持ちの方はそれを音源にします。) まず、WaveGeneをダウンロードしインストールします。 |
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上段の設定は10秒(これはあまり関係ない)、48000、16、Stereoにします。 Wave1、Wave2、Wave3はそれぞれ上記画面のように設定します。 この設定をファイル保存することも出来ます。私は歪測定と言うファイル名で保存しました。 次に右上のボードにスピーカーのアイコンをクリックしますと下記のような再生デバイス(出力先)の設定が出来ます。 ここでSound Blaster 5.1を設定します。 |
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ここまで設定すると使用できます。上の段の緑色の横三角ボタンを押すとWave1の1000Hz正弦波がSound
Blaster 5.1ボードのOUTジャック(緑色のジャック)から出力します。 Wave1の[L+R]を[OFF]にして、Wave2の[OFF]を[L+R]にすると出力が100Hzの正弦波に変わります。 同様に10000HzはWave3です。 |
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次に歪率を測るソフトWaveSpectra(スペクロラムアナライザ)。この測定器を買うと何十万もします。それがフリーソフトで手に入るのですからうれしい限りです。 インストールしてスタートすると下記の画面が現れます。 |
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まずは各種設定をします。画面右上の六角レンチのアイコンをクリックしますと下記の設定画面が出てきます。 | ||||||||||||||||||
設定には 【Wave】、【Spectrum】、【FFT】、【再生/録音】【その他】 があります。 まず、【Wave】の設定が左画面です。 |
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【Spectrum】の設定内容です。 |
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【FFT】の設定画面 サンプルデータ数は最大の65536にします。 窓関数というなにやら難しい関数設定はハニングまたはブラックマン-ハリスが好結果と前述の善本さんが解析されています。 |
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【再生/録音】の設定はしっかり行います。 録音部分が大切で、デバイスを使用するものに設定します。今回の場合は USB Sound Blaster Audigy 2NXです。 フォーマットは 96000s/s、24bit、Steteo にします。 100Hz測定時のみ96000s/sを48000s/sにします。 【その他】の設定は特に関係ありません。 ここまで設定が出来たら右下の[設定]ボタンを押して設定終了します。 |
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(1) まず、測定回路のように接続します。 (2) WaveGeneの緑色の横三角ボタンを押します。→アンプに1000Hzの信号が入ります。 (3) 交流電圧計が1Vになるようにアンプのボリュームを調節します。→約0.125Wの出力状態です。 (4) ここからいよいよスペアナソフトを使います。下記。 |
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WaveSpectraの左上の赤い丸いボタンを押します。 |
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サウンドユニットが正しくインストールされていて、正しく接続されていれば左の画面のような波形が画面に現れます。 画面左側にMaxの枠内にdBの表示が出ます。ここの値が-10〜-12dBぐらいの範囲になるようにボリュームボックス(10kΩボリューム)で調整します。 波形が安定した所で左上の黒色の四角いボタンを押し測定を完了します。 |
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測定完了すると左下方のTHD,+Nの枠内に%の数値が現れます。これが歪率です。 上側が高調波成分の歪率下側が高調波と全ノイズを含んだ歪率です。 通常下側の全高調波歪を採用します。 左の例では出力0.125W時の歪率は0.024%となります。 続けて測定するときはまた上の赤い丸いボタンを押します。 |
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スピーカー出力のW(電力)測定ですが、交流電圧計(ミリボル)は電圧を測定するもので電力は測定できません。そこで以下のような計算で電力を算出します。 P(W)=V(V)×V(V)÷R(Ω) ミリボルで1.5Vを測定したときの電力は 1.5(V)×1.5(V)÷8(Ω)=0.28(W) となります。ちなみにダミー抵抗8Ωの場合電力と電圧の関係はこうなります。
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さて、歪率が測定できたらそれを特性カーブで描いてみます。 ここではExcelを使ってカーブを描いてみます。 Excelも使い慣れないとなかなか思うように行きません。そこで、表に計測した歪率を入力するだけで自動的にグラフを描いてくれるファイルを用意しました。ためしに利用してみてください。 下記が書き込んだ例です。1000Hzブルーのセルに歪率データを書き込んでいくと右側に特性カーブが自動的に描き出されます。 100Hzのピンクのセルに書き込めばピンクのラインで100Hzのカーブが描き、同じように10000Hzも同一グラフにカーブを描くことが出来ます。 |
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この歪率特性カーブファイルを下記からダウンロードできるようにしました。 こちらから→distortiongraph.xls なお、Excelで歪率カーブを描くためのグラフ作成方法はぺるけさんのページでも詳細が紹介されています。そちらもぜひ参考いただければ自分好みのグラフ作りが出来ると思います。 |
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本ページ作成に当たり、WaveGene(低周波発振器)とWaveSpectra(スペクロラムアナライザ)のすばらしいソフトを無償で公開していただいているefuさんに敬意を表すとともにお礼を申し上げます。 そして、本ソフトを使用していち早くアンプの歪率測定が可能であることを実証された善本さんに感謝します。今回の計測方法その基本はほとんど善本さんのものを参考にさせていただきました。 また、本ページ途中で挫折していたのを背中を押して頂いたJA3MCA橘さん、ありがとうございました。WaveGene何とかまともに使えるようになりましたよ。 |
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今回、WaveGeneが使用できるかが大きな問題でした。もう一枚のサウンドボードを使うと言う方法をとってみました。 さて、そのボードは安物の16bit/48000kHzとちょっと気になるスペック、はたして基本波形発生器として満足できるものでしょうか? 確認試験を行ってみました。 LEADERの低周波発振器(LAG-27)を持っています。この発振器を入力ソースとしたときのカーブとWaveGeneを入力ソースとしたときの違いを並べてカーブにしてみれば一目瞭然です。 使用アンプは6L6GC全段差動アンプです。その結果が下記の特性カーブです。 |
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発振器のラインは青い曲線、WaveGeneが緑の曲線です。 どちらも1000Hzのときの特性カーブです。 このカーブから0.5W以上ではほとんど同じカーブを描いています。 0.5W以下では多少の違いが出ています。ただ、0.04%の世界です。アマチュアとしては満足できる結果ではないでしょうか。また、LEADERの発振器が絶対とは限りませんし・・・。 ということで、このWaveGeneの基本波入力ソースとしての使用は充分なものと考えます。 |
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