PCL86 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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PCL86は6GW8ファミリーの球です。ヒーターが14.5Vと中途半端でヒータだけを考えるととても使いづらく感じます。そのためか人気のない球ですね。しかし性能は6GW8ですからもう使わない手はないでしょう。 PCL86は低周波増幅用の3極管と電力増幅用の5極管の複合管です。6BM8よりひとクラス上の性能を持っています。3極管のμは100と非常に高いです。5極管の方は出力もシングルで4W、PPで10Wはいけます、そのうえ3極管との間にシールド壁があり5極管のカソードにつながっています。このため非常に低雑音の球でまさに、オーディオ用にうってつけです。 この球は欧州で生まれで300mAヒーターシリーズのトランスレス用に作られたようでこのような中途半端なヒーター電圧になっています。 ところで、「実用真空管ハンドブック」にはヒーター電圧13.3Vと記載されています。また、PHILIPSフィリップスのデーターシートにはヒーター電圧Vf=13Vになっています。後でヒーター電圧の検証もしてみることにします。
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ピン配置は左の図の通りです。6BM8と配列が違うため差し替えは出来ません。 ここで目を引くのはやはり5極管のカソード部分です。カソードからシールドを示す中央の破線につながっています。実際の真空管を見ても5極管と3極管の間にクロムメッキされた板がはっきり見えます。 |
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PCL86のデーターシートがPDFファイルで見ることが出来ます。 2種類のファイルのリンク先を記載します。 (1) http://frank.pocnet.net/sheets/010/p/PCL86.pdf (2) http://frank.pocnet.net/sheets/030/p/PCL86.pdf どちらも、出展元はPHILIPSです。 |
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5極管部特性 3極管部特性 |
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5極管部分の三結時のEp-Ip特性カーブです。 6GW8の三結特性を知りたかったのですが、データーブックやハンドブックを見てもなかなか見つからなかったのです。そしたら先日、千葉在住の田村さんから頂くことが出来ました。 なかなかよさそうなカーブですね。 |
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始めに、PCL86のヒーターは 14.5V/300mA と書きました。ところが「実用真空管ハンドブック」にはヒーター電圧13.3Vと記載されているし、フィリップスのデータシーと見ても13.3Vと記載されています。ところが、14.5V/300mA とする資料もいくつも見られぺるけさんの「情熱の真空管アンプ」にも14.5Vと記載されています。 さて、本当のところは何V なのでしょう。確証をつかむものがなかったので、実際に手持ちのPCL86のヒーター電圧を測定してみました。 まず、PCL86が手持ちに12本ありましたのでそれぞれに12.6V〜14.5Vまで直流電圧をかけたときの電流を計測しました。それが下の表です。 |
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次に定格電流が300mAなので、300mA流したときのヒーター端子にかかる電圧を計測してみました。 |
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以上のことから定格電流時のヒーター電圧は意外と高く平均で15.4Vでした。私の持っていた球は同一ロットと思われますのでこの結果ですべてを判断するのは危険です。しかし、合理的に考えるとどうも14.5Vというのが正しいような気がします。14.5Vが定格と考えると電力誤差の±10%が13.3V〜15.5V程度の範囲になり妥当なところかと思います。 |
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現在、私の手持ちのPCL86はすべて春日無線から購入したものです。POLAMPと言うメーカー名が箱に印刷されています。MADE
IN POLANDとありますのでポーランド製です。 この球は、ガラス面の型式刻印が非常にやわで、ちょっと手でこするとすぐ取れてしまいます。もう少し何とかならないものかと思うのですがこれもヨーロッパスタイルなのでしょうか? |
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