PCL86

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このキットのいいところ
このキットのいいところとを感じるままに挙げてみました。
@  なんと言っても安いこと。14,900円(税別)
A  線材まですべての部品がそろっています。キットだから当たり前か。
B  金メッキのターミナルだよ。金メッキだからといって音が良くなる訳じゃないけど見栄えはいいよね。
C  チョークが付いています。
D  PCL86を三極管結合回路にして、なかなか音質を考慮していると匂わせる回路。
E  小さくて場所をとらない。ふつう真空管アンプって結構大きいものなんですよね。
F  プリント基板ではなく手半田なので改造しやすい。
G  完成して、何より感じるのはなかなかいい音じゃないかと言うこと。
H  トランスもそう熱くならず長時間つけていてもまったく問題なし。省エネタイプ?ってとこかな。
I 組み立て説明書が充実しています。初心者でも安心して作れます。
まあ何しろこの値段とこの音には驚かされます。真空管アンプはほしいが高くて手が出ない、お金をかけずに真空管アンプを作ってみたいと言う方にぴったりじゃないでしょうか。
ただ、初心者向けかと言うと(安い)=(初心者向け)と言う図式は決して当てはまらないかもしれません。というのは、このキット、シャーシ加工があったり、すべての配線は手半田で作り上げていくからです。ただ、組み立て説明書が詳細に書かれていますので半田付け初心者は少し練習してから組むと問題ないでしょう。
価格が14,900円と言うことを考えると失敗してもショックは小さい(かな)、ということは初心者でもアンプ作りの第一歩としては実にいいキットです。みんな始めは失敗して覚えて行ったのだからぜひチャレンジしてみてください。ただし、高電圧がありますのでくれぐれも感電には注意してください。
そして、完成したときの音を聞いたときはきっとびっくりすることでしょう。


このキットの悪いところ
もちろんこのキットだっていいことばっかりじゃありません。今度は悪いところを私の感じるままに挙げてみます。
@  シャーシに穴が開いていない。自分で加工して開けなければならない。
A  抵抗の足などがむき出しになるのでチューブがほしところだ。
B  回路設計上、出力トランスの2次側0Ωがスピーカ端子で8Ωがアースに接続になるが詳細な注意書きがない。
C  シャーシがコの字型を抱き合わせているタイプなのでまともな加工では本体シャーシとボリュームや電源スイッチが別になり調整時など実に不便。
D 真空管にPCL86というマーキングがない。(ロットによるのかもしれない)
と、挙げてみるといくつか気になるところが出てくる。@の穴加工については春日無線では2,000円でやってくれるそうです。でも、考え方変えるとお決まりの形でなく、自分好みの配置にもできると言うことです。
まあ、欲を言ったらきりがありません。しかしこの悪いところもどれも致命的欠陥と言うわけではなく、ほんと欲を言えばなのです。


このシャーシ白を上にするか黒を上にするか
このキットに使われているシャーシはタカチのYM-200と言う汎用シャーシです。定価1,240円、千石電商あたりでは1,100円程度で売っています。化粧面がアルミヘアラインアルマイト処理でとても綺麗です。裏は黒塗装です。コの字シャーシの上下組み合わせのタイプです。
さて、このシャーシを見てはたと悩むことがあります。普通でしたら化粧面を上にするところですが、そうすると真空管やトランスの乗る上部とボリュームと電源スイッチがつく下部のシャーシに別れてしまい調整時実にやりにくくなります。
私の場合、右写真のように黒い面を上にしそこ蓋をはずしてもいいようにしました。少々デザイン的には違うぞって感じですか・・・。でもこの方が配線するにもやりやすいし確認もしやすい、その上改造もし易いって3拍子そろってます。
この辺は好みもあります。自分流でいいのではないでしょうか。

組み上げるときの注意点
このキットには説明書が付いていますのでそれを見ながら順に配線をしていけばいいでしょう。ここにもPDFファイルで説明書があります。
http://homepage2.nifty.com/apollo/pcl86kit.pdf
前のページにも書きましたが、この説明書は初期のころのもので少々分かりづらいところもあるかもしれません。現在(2004年4月現在)では説明書がまったく新しくなっていて親切丁寧に書かれています。パソコンの作画機能を使っていると思われ雑誌などに載っているような実体配線図ではないのですが、最終的な実体配線図も掲載され分かりやすくなっています。

出力トランスの2次側の配線は気をつけます。出力トランスの8Ωがスピーカー端子の黒とアースになり、0Ωがスピーカー端子の赤になります。普通とは逆。
カソードへのフィードバックのため位相を逆にする必要があるからです。配線手順どおり組み立てていけば問題ありません。なまじっか回路をかじっていると犯す失敗かもしれません。


このアンプの実力
何度も書きますが、14,900円と言う値段を考えると申し分のない音を出してくれると思います。
かと言って、過大な評価はやはり出来ません。低域の迫力は無理です。大出力だって無理です。ちょっとボリュームを上げると歪んできたなってすぐ分かります。
だから、このアンプで楽しむのは4畳半や6畳のちっちゃな自分の部屋(書斎)をお持ちのお父さん向けですかね。

音の評価はスピーカーシステムでぜんぜん違ってきます。
やはりこのアンプは出力が小さいので効率のいいスピーカーを使いたいです。私の使っているものはオンキョーのD-77FXUというもので感度93dBのものです。
スピーカーもリサイクルショップやネットオークションで意外と安く入手できます。このスピーカーもリサイクルショップで3万ちょっとでゲットしたものです。
ちなみに、SONYのコンポについていたスピーカーで鳴らしてみたら散々でした。全くいいとこなしって感じ。コンポの小さなスピーカーではこのアンプの本当の評価は出来ない場合があります気をつけてください。真空管アンプってこんなもんかと思われたら残念です。
コンポのスピーカーは低能率でパワーをがんがん掛けイコライザーで低域高域を上げまくり使用しているから聞けるのでしょうね。(ちょっと言いすぎでしたか)


春日無線とは
この「PCL86シンクルアンプキット」を購入した春日無線変圧器はニュー秋葉原センターの中にあります。
このニュー秋葉原センターとはガード下の昔からジャンク部品のお店が並ぶところでした。ここにある小沢電気商会は私がうん十年前学生だったころから行っていたお店です。ちなみに小沢電気商会には300〜400Vの電解コンデンサが安い値段でごろごろころがっています。私愛用の部品屋さんです。
春日無線は真ん中の通路の一番奥にあります。いろいろな真空管アンプが並べてあり見るだけでも楽しくなります。なんと言ってもうれしいのは庶民を馬鹿にしたような50万円とか100万円のアンプが置いてないことです。当たり前の真空管アンプが当たり前の値段で売っています。
またここの店主(実は常務取締役)の地曳さんがとても気さくな方でいろいろ相談に乗ってくれます。オーディオショップで見かける高級志向の客しか目に留まらぬ店員とは違い実に庶民的というか普通の感覚の持ち主です。
もともとトランスが本業の会社、真空管アンプでもっとも重要部品のトランスを扱っているわけですからうなずける対応です。
ここではいつもこのPCL86アンプの音を聞かせてくれますよ。秋葉原に行った折はいちどのぞいてみたらいかがでしょう。
最近、PCL86のプシュプルアンプのキットも販売始めたようです。これまたリーズナブルな価格でした。
リキ入れて地図まで書いてみました。

(2004/8/10追記)
このPCL86シングルアンプキットの価格がちょっぴり値上げしてました。14,700円(税込)だったのが200円上がって14,900円(税込)になったそうです。なんでも部品の集結が結構大変だそうで・・。
春日無線変圧器のホームページ



春日無線変圧器
ニュー秋葉原センター店
電話:03-3257-0337
URL:http://www.e-kasuga.net/

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